パナソニックは7月20日、室内や車内などの空気環境を改善する「ナノイー」と「ナノイーX」についてのオンライン説明会を開催。新型コロナウイルスの感染拡大でその需要が大きく伸びているそうだ。
ナノイーとは、「ナノテクノロジー」(nano-technology)と「エレクトリック」(electoric)を掛け合わせた造語で、「空気中の水煮高電圧を加えることで生成される、ナノサイズの微粒子イオンで、成分は水で弱酸性、サイズは約5nm~20nm。花粉や人の細胞よりはるかに小さく、インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスよりも小さい」とビューティ・パーソナルケア事業部デバイス商品部の中村浩二郎部長は説明する。
パナソニックは2003年にその技術を確立させ、初めて空気清浄機に搭載した。その後、06年に第2世代、07年に第3世代へと進化し、08年に次世代の技術として「ナノイーX」の開発に着手。そして16年に山形大学の東山禎夫教授との共同研究で、これまでの「コロナ放電」から「マルチリーダ放電」を採用することによって成功した。
ナノイーXは「カビの抑制」「花粉の抑制」「タバコやペット、加齢臭など生活5大臭の抑制」「PM2.5など有害物質の分解」「菌やウイルスの除菌と抑制」「アレルギー物質の抑制」そして「美肌・美髪」と7つの効果があるという。
実際にトヨタ自動車の『ヴェルファイア』を使って、車内に試験片を配置し、ナノイーXを1時間稼働して測定したところ、菌とウイルスが99%以上抑制、花粉は約70%抑制、そしてタバコ臭は大きく減ったそうだ。
「自社の40商品に搭載されるだけでなく、自動車メーカー8社、鉄道会社11社、エレベータ会社7社、その他コインランドリーのような業務用機器など、合計44社への納入実績がある」と中村部長は説明する。7月19日に発表されたトヨタの新型『アクア』にもナノイーXが搭載されているとのことだ。
中村部長によると、コロナ禍の影響でマイカーでの移動が約40%増え、3人に1人が車内の空気質を気にしているというアンケートもあることから、今後、さらに搭載車種が増えると期待している。
ナノイーとナノイーXは、初出荷以来13年が経った21年に車載向け累計販売台数が1000万台を突破。「2025年にはさらに倍となる累計2000万台を目指す」と中村部長の鼻息も荒い。今後は海外の自動車メーカーにも広げ、グローバル展開も視野に入れている。また、アフターセールスにも力を入れていくそうだ。