ジープブランド初の市販EV、2023年上半期に発売へ

ラングラーの最大渡河水深性能760mmを維持

3.6リットルV6エンジン並みのパワーとトルクを追求

蓄電容量70kWhのバッテリー4個を搭載

ジープ・ラングラー がベースのEVコンセプトカー「マグニートー」(参考)
ジープ・ラングラー がベースのEVコンセプトカー「マグニートー」(参考)全 6 枚

ステランティスは8月3日、ジープ(Jeep)ブランド初の市販EVを、2023年上半期(1~6月)に発売すると発表した。

ジープブランド初の市販EVの参考になりそうなEVコンセプトカーが、2021年3月に米国で発表されたジープ『マグニートー』だ。マグニートーはコンセプトとして、ステルスで静かでありながら、速さとオフロード性能を備えたEVを掲げる。

ジープブランドのエンジニアとデザイナーは、ジープ独自の4WD機能を備えたゼロエミッション車を開発した。これにより、オンロードとオフロードの両方において、新しいレベルの効率性と環境性能、パフォーマンスを実現するという。

ラングラーの最大渡河水深性能760mmを維持

マグニートーのベース車両は、2020年モデルのジープ『ラングラー・ルビコン』だ。マグニートーのエクステリアは、サーフブルーをアクセントにしたブライトホワイトカラーとした。センタースクープとデカールを備えたパフォーマンスフード、新設計されたリアゲート、オフロード向けライトシステムを備える。サファイアカラーのインサートとストラップ、サーフブルーのトラックベッドライナー、純正用品の「モパー」のスラッシュマットも採用した。ロイヤルブルーとブラックのレザーシートも装備している。

オフロード走行を想定して、JPPの2インチリフトキット、35インチのマッドテレーンタイヤ、17インチライトアウトブラックメタリックホイール、カスタムロールケージ、モパーのロックレール、ウインチ付きスチールバンパー、スチール製ベリーパンが装備されている。

バッテリー、車両インターフェースボックス、バッテリー制御モジュールはすべて、防水された場所に配置された。これにより、ラングラーの最大渡河水深性能760mmを維持している。

3.6リットルV6エンジン並みのパワーとトルクを追求

マグニートーには、最大6000rpmで回る特注のアキシャルフラックスモーターを搭載する。モーターは6速MTに接続されており、内燃エンジン車と同じように稼働するクラッチ付きのマニュアルEVパワートレインとした。クイックシフト時には、モーターはクラッチの接続時に作動し、回転が止まるのを防ぐ。

コンパクト設計のモーターは、3.6リットルV型6気筒ガソリン「ペンタスター」エンジンに匹敵するパワーとトルクを追求しており、最大出力285hp、最大トルク37.7kgmを発生する。マグニートーのEVパワートレインは、チューニングによって、V6ガソリンエンジンと同等の走行性能が追求された。

V6ガソリンエンジンとマグニートーのEVパワートレインの違いは、サウンド程度という。力強い加速が必要な場合、モーターは最大トルク37.7kgmを引き出す。0~96km/h加速は、6.8秒で駆け抜ける。

蓄電容量70kWhのバッテリー4個を搭載

モーターに電力を供給するのは、800ボルトシステムを備えた蓄電容量70kWhの4個のバッテリーパックだ。このリチウムイオンバッテリーは、床下などに配置され、重量バランスを取る。 4個のバッテリーは、ミッドシップの燃料タンク部分、燃料タンクの位置の反対側、ボンネットのモーターの上、荷室のフロア下の排気マフラーが占めるスペースにレイアウトされている。

レーシングカー技術を導入したインバーターは、モーター用にDC電力をAC電力に変換する。12ボルトのバッテリーは、ラジオや照明などの既存のシステムに電力を供給する。もうひとつの12ボルトのバッテリーは、ウインチなどの補助動力装置として機能する。DCコンバーターは2つの12ボルトバッテリーを充電し、キャンプ場などで電力を供給するためのアクセサリー電源や、長時間のウインチ操作を可能にする。バッテリーパックは、過酷なオフロード走行用にしっかり固定され、カスタムメイドのスキッドプレートが車体を保護する。出力10kWの高電圧ヒーターは、キャンプなどの屋外で、キャビンを快適に保つ、としている。

《森脇稔》

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