[カーオーディオ用語解説2021]サブウーファーって何?…音楽の臨場感を増強!

サブウーファーの取り付け例(製作ショップ:ウェイブトゥポート<鳥取県>)。
サブウーファーの取り付け例(製作ショップ:ウェイブトゥポート<鳥取県>)。全 3 枚

専門用語が使われる頻度が高いカーオーディオ。ゆえに、馴染みにくいと感じているドライバーも少なくないようだ。当連載では、その馴染みにくさの解消を目指している。今回からは新章に突入し、「サブウーファー」に関するワードを説明していく。

【画像全3枚】

「サブウーファー」の“サブ”には、「下の」と「副の」という2つの意味がある!?

最初に「サブウーファー」という言葉そのものの意味から説明していく。まず「ウーファー」とは、低音を再生するスピーカーのことを指す。「スピーカー」に関連した用語を解説した章の中でも説明したが、高音から低音までを1つのスピーカーユニットだけでスムーズに鳴らし切るのは難しい。なのでオーディオ用のスピーカーでは普通、スピーカーユニットが複数用いられている。

というのもスピーカーは、口径が小さくなればなるほど高音再生が得意になり、大きくなるほど低音再生が得意になる。なので口径の異なる複数のスピーカーユニットを用意してそれぞれに得意な仕事に専念させれば、全帯域をスムーズに再生できるようになるというわけなのだ。かくして高音を担当するスピーカーが「ツイーター」と呼ばれていて、中低音を再生するスピーカーのことが「ウーファー」と呼ばれている。また中音再生を担当する「スコーカー(ミッドレンジ)」が足されることもある。

なお「ツイーター」とは小鳥の鳴き声を語源としていて、「スコーカー」はネズミやリスやカラス等の鳴き声、「ウーファー」は大型犬やオオカミ、トラ、ライオン等のうなり声を語源としている。

で、「サブウーファー」には「ウーファー」に“サブ”という接頭辞が付いているのだが、これにはどのような意味があるのかというと…。

「サブウーファー」の“サブ”には実は、2つの意味がある。1つは「下の」で、もう1つが「副の」だ。例えば「サブマリン(潜水艦)」や「サブウェイ(地下鉄)」の“サブ”には「下の」という意味があり、一方「サブタイトル(副題)」や「サブリーダー(リーダーを補助する人)」の“サブ”には「副の」という意味がある。「サブウーファー」の“サブ”には、その両方の意味が含まれている。

サブウーファーの一例(カロッツェリア・TS-WX010A)。

ドアスピーカーでは、超低音までの再生が困難…。

ところで実を言うと、どちらかといえば「下の」という意味の方が強めだ。理由は以下のとおりだ。カーオーディオでは、ドアに取り付けられるスピーカーは大きくてもせいぜい17cmクラスだ。しかしこの大きさだと、人間の可聴帯域の下限である20Hzからそれよりも少し上の帯域の音をスムーズに再生するのが難しい。

「サブウーファー」は、その状況を打破するためのスピーカーという色彩が濃い。要は「ドアスピーカーが出す音よりも低い音の再生を担当するスピーカー」なのである。

ちなみに一旦蛇足だが、ドアに装着するスピーカーのことは「ミッドウーファー」と呼ばれることが多い。中音の再生までを担当することが多いからだ。または「ミッドバス」、ミッドを取って「ウーファー」、さらには「ミッド」と呼ばれることもある。

さらにもう1つ蛇足を。「下の」という意味の“サブ”の対義語は、「上の」という意味の“スーパー”だ。なので「ツイーター」よりも高い帯域の音を再生するスピーカーのことは「スーパーツイーター」と呼ばれている。

というわけで整理すると、カーオーディオで使われるスピーカーユニットを担当帯域の違いで上から順に並べると、「スーパーツイーター」「ツイーター」「スコーカー」「ミッドウーファー(ウーファー)」「サブウーファー」となる。これがオールスターキャストだ。まれに、再生帯域をさらに細かく分割する方式が取られることもあるが、 一般的にはこの「5ウェイ」がマックスだ。

サブウーファーの一例(三菱電機・SW-G50)。

「サブウーファー」は、ドアスピーカーの仕事を「補助する」役目も果たす!

そして先述したとおり「サブウーファー」の“サブ”は、「副の」という意味も持っている。ドアスピーカーを補助するものでもあるのだ。

というのも、クルマは走行すると「ロードノイズ」を発してしまう。これは、タイヤが路面を蹴ることで生まれる騒音のことを指すのだが、この「ロードノイズ」は主に「低周波(低音)」だ。なので走行中にはこの「ロードノイズ」が音楽の低音成分に覆い被さり、「マスキング現象」を引き起こす。

しかし「サブウーファー」を導入すると、「マスキング」されがちな低音再生を「補助」することも可能となるのだ。

さて、この際なので「サブウーファー」を導入することで得られるメリットをさらに詳しく説明しておこう。まずは、音楽の迫力が増すことがメリットだ。特にビートが効いた音楽においては、ドラムスの中でも最低音を担当するバスドラムやベースギターの音にパンチ力が出て、ビート感が増しノリが良くなる。

また、クラシック音楽でも「サブウーファー」は重要な役割を果たす。理由は「環境音の再現力が増すから」だ。環境音とは演奏されるホールやレコーディングスタジオの部屋の中で響く残響音のことを指すのだが、残響音の主体は実は、超低音だ。音は低くなればなるほど減衰するのに時間がかかる。ゆえに高音や中音は早々に消え、超低音だけが最後まで残る。「サブウーファー」を追加するとそれをしっかり再生できるようになるので、クラシック音楽のようなアコースティック楽器で奏でられる音楽では特に、臨場感が上がるのだ。

あと、音は低音から高音までが密接に関係し合っている。ゆえに超低音が豊かに響くと、中音や高音の響きにも好影響が出る。「サブウーファー」を足すと、全帯域にわたってサウンドが生き生きとしてくるのだ。

今回は以上だ。次回以降は「サブウーファー」に関連した専門用語を1つ1つ解説していく。こうご期待。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

音楽の“臨場感”を増強! カーオーディオ『用語解説・2021』 Section 3・サブウーファー編 第1回「サブウーファー」って何?

《太田祥三》

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