メルセデスAMG の新世代高性能ハイブリッド、第一弾は9月1日発表へ…IAAモビリティ2021

F1のノウハウをEパフォーマンスに導入

モーターのパワーをトランスミッションを介さずリアアクスルに直接伝達

バッテリーは10秒間のみ150kWのピーク電力が可能

0~100km/h加速は3.0秒を切る

メルセデスAMGの「Eパフォーマンス」を搭載する最初の高性能ハイブリッド車のティザー写真
メルセデスAMGの「Eパフォーマンス」を搭載する最初の高性能ハイブリッド車のティザー写真全 12 枚

メルセデスベンツの高性能車部門のメルセデスAMGは8月26日、ドイツで9月1日に開催するIAAモビリティ2021のプレビューイベントにおいて、新たな電動化技術「Eパフォーマンス」を搭載する最初の高性能ハイブリッド車を初公開すると発表した。

F1のノウハウをEパフォーマンスに導入

メルセデスAMG GT 4ドアクーペの「Eパフォーマンス」搭載プロトタイプ車メルセデスAMG GT 4ドアクーペの「Eパフォーマンス」搭載プロトタイプ車

Eパフォーマンスとは、メルセデスAMGのパフォーマンス指向の電動化テクノロジーを意味する。Eパフォーマンスのロゴの下で、パワフルで効率的なハイブリッドテクノロジーを開発していく。

Eパフォーマンスの名称は、メルセデスAMG 『GT 4ドアクーペ』の新モデルをはじめ、新型ハイパーカーのメルセデスAMG『プロジェクトワン』など、将来の市販モデルに付される。メルセデスAMGペトロナスF1チームのF1マシンにも、メルセデス『AMG F1 W12 E パフォーマンス』と、Eパフォーマンスの名前が使用されている。

メルセデスAMG GT 4ドアクーペの「Eパフォーマンス」搭載プロトタイプ車メルセデスAMG GT 4ドアクーペの「Eパフォーマンス」搭載プロトタイプ車

メルセデスAMGは2012年から、メルセデスAMGペトロナスF1チームと協力してきた。それ以来、両者は多くのプロジェクト、とくにモータースポーツから市販車への技術移転の分野で緊密に協力してきた。そのノウハウが、Eパフォーマンスに導入される。

モーターのパワーをトランスミッションを介さずリアアクスルに直接伝達

メルセデスAMG GT 4ドアクーペの「Eパフォーマンス」搭載プロトタイプ車メルセデスAMG GT 4ドアクーペの「Eパフォーマンス」搭載プロトタイプ車

9月1日のIAAモビリティ2021のプレビューイベントでは、このEパフォーマンスを搭載する最初の高性能ハイブリッド車が初公開される予定だ。この新モデルは、メルセデスAMG 『GT 63 S 4MATIC+ 4ドアクーペ』の上に立つメルセデスAMG GT 4ドアクーペの新たなフラッグシップに位置付けられると見られる。

Eパフォーマンスの高性能ハイブリッドシステムは、メルセデスAMGのエンジンに、電気モーター、高性能バッテリー、可変トルク配分が可能な4WD「AMG パフォーマンス4MATIC +」を組み合わせたものだ。電気モーターは、最大出力204hp、最大トルク32.6kgmを引き出す。モーターはリアアクスルに配置され、電気式の2速トランスミッションと電子制御リアアクスルデフロックと一体設計されている。軽量で高性能なバッテリーは、リアアクスルの上にレイアウトした。このシステムを、スポーツカーやパフォーマンスモデルに搭載した場合、多くの効果を発揮するという。

メルセデスAMG GT 4ドアクーペの「Eパフォーマンス」搭載プロトタイプ車メルセデスAMG GT 4ドアクーペの「Eパフォーマンス」搭載プロトタイプ車

メルセデスAMGが開発した電気モーターは、9速の「AMG SPEED SHIFT MCT 9G」トランスミッションを介さず、リアアクスルに直接パワーを送る。これにより、追い越しなどの際に追加のブーストとして、モーターのパワーを、よりダイレクトに駆動力にすることが可能になるという。

さらに、一体設計された電子制御リアアクスルデフロックは、走行状況に応じて、左右の後輪に最適なトルクを配分することができる。その結果、コーナーの立ち上がりなどで、さらに力強い加速を可能にしているという。後輪のスリップを検知すると、電気モーターの駆動力が前輪に伝達され、トラクション性能を向上させる。

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バッテリーは10秒間のみ150kWのピーク電力が可能

Eパフォーマンス搭載車には、メルセデスAMGが開発したパフォーマンスハイブリッドモデル用の高性能バッテリー、「HPB」が採用される。メルセデスAMGペトロナスF1チームのノウハウを導入して、開発されたリチウムイオンバッテリーとなる。

メルセデスAMG GT 4ドアクーペの「Eパフォーマンス」搭載プロトタイプ車メルセデスAMG GT 4ドアクーペの「Eパフォーマンス」搭載プロトタイプ車

この高性能バッテリーは、連続して高いパワーを引き出すことができるのが特長だ。これに軽量構造を組み合わせて、車両の性能を向上させる。高いエネルギー密度を備えており、たとえば高低差の大きい山道を走行する場合、上り坂でも素早くフルパワーを引き出すことができるという。

このメルセデスAMGの高性能バッテリーは、6.1kWhの蓄電容量、70kWの連続電力、10秒間に限られる150kWのピーク電力性能を備える。バッテリーの重量は89kgとし、1.7 kW/kgのエネルギー密度を可能にしている。

メルセデスAMG GT 4ドアクーペの「Eパフォーマンス」搭載プロトタイプ車メルセデスAMG GT 4ドアクーペの「Eパフォーマンス」搭載プロトタイプ車

0~100km/h加速は3.0秒を切る

メルセデスAMG GT 4ドアクーペの新グレードとして開発中のEパフォーマンス搭載車では、直噴4.0リットルV型8気筒ガソリンツインターボエンジンをハイブリッド化することにより、815hpを超えるシステムパワーと、102kgmを超えるシステムトルクを引き出す。これにより、0~100km/h加速は、3.0秒を切るという。

メルセデスAMG GT 4ドアクーペの「Eパフォーマンス」搭載プロトタイプ車メルセデスAMG GT 4ドアクーペの「Eパフォーマンス」搭載プロトタイプ車

現在、シリーズの頂点に立つメルセデスAMG GT 63 S 4MATIC+ 4ドアクーペには、直噴4.0リットルV型8気筒ガソリンツインターボエンジンを搭載。最大出力639hp/5500~6500rpm、最大トルク91.8kgm/2500~4500rpmを発生する。0~100km/h加速は3.2秒だ。

Eパフォーマンス搭載車は、メルセデスAMG GT 63 S 4MATIC+ 4ドアクーペをパワーで176hp以上、トルクで10.2kgm以上上回る。0~100km/h加速も、0.2秒の短縮が図られている。

メルセデスAMG GT 4ドアクーペの「Eパフォーマンス」搭載プロトタイプ車メルセデスAMG GT 4ドアクーペの「Eパフォーマンス」搭載プロトタイプ車

なお、メルセデスAMGは、Eパフォーマンスを搭載する最初の高性能ハイブリッド車のティザー写真を1点公開した。赤いボディカラーをまとったメルセデスAMG GT 4ドアクーペの姿が確認できる。

《森脇稔》

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