BMW 2シリーズクーペ 新型、生産開始…高性能な「M240i」がラインオフ

3.0リットル直6ターボは最大出力374hp

Mスポーツディファレンシャル

「BMWライブコックピット」標準装備

新型はメキシコ工場が世界で唯一の生産拠点

BMWのメキシコのサン・ルイス・ポトシ工場で生産が開始された 2シリーズ・クーペ 新型
BMWのメキシコのサン・ルイス・ポトシ工場で生産が開始された 2シリーズ・クーペ 新型全 30 枚

BMWは9月4日、新型『2シリーズクーペ』(BMW 2 Series Coupe)の生産をメキシコのサン・ルイス・ポトシ工場で開始した。最初にラインオフしたのは、高性能グレードの「M240i xDrive」だ。

3.0リットル直6ターボは最大出力374hp

M240i xDrive の直噴3.0リットル直列6気筒ガソリンターボエンジンは、Mパフォーマンスオートモビルによる専用チューンが施された。その結果、欧州仕様の場合、最大出力374hp/5500~6500rpm、最大トルク51kgm/1900~5000rpmを獲得する。

トランスミッションはパドルシフト付きの8速AT「ステップトロニックスポーツ」で、駆動方式は4WDの「xDrive」だ。ローンチコントロール機能を採用したM240i xDriveは、0~100km/h加速を4.3秒で駆け抜け、最高速は250km/hでリミッターが作動する。

「Mスポーツブレーキ」やフロント225/45R19、リア255/35R19サイズのタイヤを備えた19インチMアルミホイールも装備される。市街地走行からサーキットに至るまで、直感的なブレーキ操作に応え、卓越したブレーキパフォーマンスを発揮する、と自負する。このシステムは短いペダルストロークと明確なプレッシャーポイントが特長のスポーティなセットアップが施された。ブレーキング時の熱に対する耐性が高く、高い制動能力を実現するという。

さらにM スポーツブレーキには、よりダイレクトなブレーキレシオと分離型油圧回路で設計されたフロント4 ピストン式固定キャリパー、リアシングルピストン式フローティングキャリパーを装備している。BMW 2シリーズ・クーペ 新型の「M240i xDrive」BMW 2シリーズ・クーペ 新型の「M240i xDrive」

Mスポーツディファレンシャル

サスペンションは、フロントがダブルジョイントのスプリングストラット、リアが5リンクだ。「Mスポーツディファレンシャル」は、リアディファレンシャルに一体化された電子制御式の無段階可変ロック機能を採用し、トラクションとコーナリング性能を向上させる。さらに、アクティブディファレンシャルロック機能が、走行安定性と俊敏性を高める効果を発揮する。

また、DSC (ダイナミックスタビリティコントロール)システムを通じて、コーナリング中の内側と外側のリアホイールの差動を制限することにより、あらゆる走行状況において、駆動力の伝達を最適化するという。電気モーターによって生成される差動ロック機能により、駆動トルクを、回転が速い方のホイールから回転が遅い方のホイールへと移動させることができる。

例えば、高速でカーブを走行する場合、アンダーステア傾向が生じる場合がある。そのために、グリップを失って空転ぎみになっているカーブ内側のホイールの路面に伝えることのできない駆動力を、ブレーキを作動させて無力化させるのではなく、意図的にカーブ外側のホイールに配分する。そうすることで、車両はダイナミックにカーブに進入し、駆動トルクをスポーティな走りのために利用できるという。BMW 2シリーズ・クーペ 新型の「M240i xDrive」BMW 2シリーズ・クーペ 新型の「M240i xDrive」

「BMWライブコックピット」標準装備

M240i xDriveのインテリアには、アルカンターラと「センサテック」が使用される。センターコンソールには、クッション付きニーパッドが装備された。「BMWオペレーティングシステム7」をベースにした新しいディスプレイを搭載する。「BMWライブコックピット」を標準装備しており、8.8インチのコントロールディスプレイと5.1インチのカラーディスプレイを備えたインストルメントクラスターが付く。

オプションの「BMWライブコックピットプロフェッショナル」は、フルデジタル化された12.3インチのインストルメントクラスターと10.25インチのコントロールディスプレイを装備する。タッチスクリーンディスプレイ、BMWコントローラー、ステアリングスイッチ、音声コントロールを使用して、直感的にマルチモーダル操作が行えるという。「BMWインテリジェントパーソナルアシスタント」は、コントロールディスプレイに新しいグラフィックで表示される。

また、オプションの「BMWライブコックピットプラス」とBMWライブコックピットプロフェッショナルでは、クラウドベースの「BMWマップス」ナビゲーションシステムが選択できる。ルートや到着時間を高速かつ正確に計算し、短い間隔で更新されるリアルタイムの交通データ、目的地を検索する時に任意の単語を入力する機能を備える。

「My BMWアプリ」を介して、アマゾン(Amazon)の音声アシスト、「アレクサ(Alexa)」を車載化することが可能。Apple「CarPlay」とグーグル「Android Auto」によるスマートフォンとの統合システム、ワイヤレスWi-Fi接続も用意する。オプションで「BMWヘッドアップディスプレイ」が選択できる。BMW 2シリーズ・クーペ 新型の「M240i xDrive」BMW 2シリーズ・クーペ 新型の「M240i xDrive」

新型はメキシコ工場が世界で唯一の生産拠点

BMWは、新型2シリーズクーペの生産を、メキシコのサン・ルイス・ポトシ工場で開始した。生産は、同工場のみで行われる。

サン・ルイス・ポトシ工場は、BMWのグローバル生産ネットワークの中で最新の工場だ。同工場は、設計と建設段階から、さまざまなモデルの生産に簡単に対応できるように計画された。同工場が生産を開始してから2年で、プラグインハイブリッド車(PHV)の組み立てを追加し、世界中に販売を拡大した。新型2シリーズクーペを生産ラインに組み込むために、1億2500万ドルを追加投資し、施設がアップグレードされた。

追加投資の一部は、既存施設の拡張と新型車の組み立てに必要な設備の取得に充てられた。車体プレス工程には、合計82台の新しいロボットを設置した。新型の生産では、さまざまな形状の部品を処理し、それらを溶接、リベット、ボルトで固定して、素材をインテリジェントに組み合わせるために、新しいプログラミングが必要だったという。

塗装工程は、素材分析チームと協力して、新型の2つの新しい専用色、ブルックリングレイとサンダーナイトメタリックを手がけた。このうち、サンダーナイトメタリックは、サン・ルイス・ポトシ工場だけで塗装に使用される新色、としている。

《森脇稔》

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