日本再上陸のオペル いつから買えていつから乗れるの?

オペル・コルサ
オペル・コルサ全 10 枚

2年前より日本市場へのカムバックが公式に発表されていたオペル。先だって日本語の公式サイトも開かれたが、それにしてもいつから買えるのか?そしていつから乗れるのか?現在の状況についてひと回り聞いてみた。

【画像全10枚】

まずオペルとは、ドイツはフランクフルト近郊、ルセルスハイムに拠点を置くメーカーだが、2016年からPSAグループに統合買収され、それまでのGMグループ傘下を離れた。つまり現在は「ステランティス」グループの一部をなす。

日本市場ではスモール・ハッチバックたる『コルサ』、BセグのSUVである『モカ』、CセグSUVの『グランドランド』という、3車種展開から始まることが決定されている。つまり、PSAグループが得意とするセグメントで、プジョー『208』に『2008』に『3008』、シトロエン『C3』に『C3エアクロス』、あるいは同じステランティス・グループのFCA側では、ジープ『レネゲード』やビッグマイナーチェンジされたばかりの『コンパス』と同じセグメントだ。

今は潜在的なカスタマーへの認知度を図ることはもちろんだが、全国での販売網、つまりディーラー・ネットワークとして参加する協力店を募っているという。必ずしも既存のプジョー・シトロエン系、もしくはフィアット・クライスラー系ではない販売店も多数、手を挙げているという。というのもオペルは90年代、あのヤナセが全面的にバックアップしていたとはいえ、『ヴィータ』(当時のコルサの日本専用ペットネーム)や『アストラ』、『ベクトラ』に『セネター』、そして4WDクーペの『カリブラ』といったフルラインナップを日本市場で売っていた実績があり、ドイツ・ブランドには珍しく、小型車でとりわけ成功を収めていた。

セグメントはカブるとはいえ、おそらく価格帯は、プジョーとシトロエンの中間ぐらいに落ちつくと見られ、国産車からの乗り替え需要も十分に狙える展開を仕掛けてくるだろう。元よりメイド・イン・ジャーマニーのイメージが高い日本で、価格帯も戦略的でディーラー・ネットワークもそれなりに用意され、量販クラスとなれば、オペルによってステランティス グループ全体がブランド間の共喰いを巧みに避けられたら、強く成長する可能性は高い。

GMグループ時代にオペルはミニバンの『ザフィーラ』でも高い評価を得て、欧州で大ヒットさせていたが、日本ではスバルのディーラーでも『トラヴィック』の名でリバッジ・モデルとして展開し、継子扱いでとりわけアフターサービスに関する評判が芳しくなかったのに加え、本家オペル版との価格差(ブランド、暖簾代)と受け止められ、これが後の撤退に繋がる仇となった。

日本不在時代にもGM『ボルト』こと、オペルもしくはボグゾール『アンぺラ』といったリバッジ戦略が、野心的なハイブリッド車ながら不興を買ってしまった。しかし、Dセグ・サルーン&ステーションワゴンたる『インシグニア』が2009年に欧州カー・オブ・ザ・イヤーを受賞するなど、実用車として一定の評価は得られていた。

つまりオペルの魅力は、実用車としての「プラグマティズム」をとことんドイツ流に貫く点にある。いわゆるBMW、メルセデス・ベンツ、アウディのプレミアム御三家の領域は目指さないが、フォルクスワーゲンの即物的な良さとも少し違う。アウトバーンで過不足ない動的質感が確保されている一方で、荷室が車格に見合わぬほど、室内長や実質的容量といった部分で大きく、想像以上に大きなものが易々と積めたりして時折ぎょっとする。そのため欧州ではレンタカーとして頻繁に扱われる車でもあり、どのモデルに乗ってもバッド・サプライズのない優等生でもある。

とくにモカ以降では、確かにデザイン面でも垢抜けてきた。ヤナセで展開していた頃は、おじいちゃんキャデラックに、お孫さんアストラかヴィータ、といったガチの優良カスタマーのエントリー需要もこなしていた。同じストーリーは描けなくてもポテンシャルは証明されているし、近い需要をどこまですくえるか。おそらく相乗効果でイタフラ系ディーラーのサービス・クオリティもさらに底上げされるだろうし、すると国産車から輸入車に乗り替えるハードルも低くなる。その辺りが2022年上半期に予定される、オペル再上陸の最大のインパクトとなるかどうか、要注目だ。

《南陽一浩》

南陽一浩

南陽一浩|モータージャーナリスト 1971年生まれ、静岡県出身。大学卒業後、出版社勤務を経て、フリーランスのライターに。2001年より渡仏し、パリを拠点に自動車・時計・服飾等の分野で日仏の男性誌や専門誌へ寄稿。現在は活動の場を日本に移し、一般誌から自動車専門誌、ウェブサイトなどで活躍している。

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