帝人、自動車向け複合成形材料事業をグローバル統合…2030年に売上高2200億円規模へ

帝人と豪Applied EV社が共同開発したLS-EVのプロトタイプ(参考画像)
帝人と豪Applied EV社が共同開発したLS-EVのプロトタイプ(参考画像)全 1 枚

帝人は、将来の収益源育成としてグローバル展開している自動車向け複合成形材料事業を統合し、事業ブランド「テイジン・オートモーティブ・テクノロジーズ(TAT)」としてさらなる強化・拡大を図ると発表した。

帝人グループは中期経営計画にて、マルチマテリアル化による高付加価値用途への展開強化を掲げ、自動車向け複合成形材料における米国でのトップシェア拡大と、欧州・中国市場での展開の強化・拡大を推進している。こうした中、地域を越えたグループ内の情報・技術の一体化などにより、総合力を最大限に発揮するため、今回関連する事業および機能を統合し、グローバルに展開していくことを決定した。

帝人グループは2017年、北米最大の自動車向け複合材料部品メーカーであるコンチネンタル・ストラクチュラル・プラスチックス(CSP)を買収した。以降、2018年にポルトガルのイナパル・プラスティコ、2019年にチェコのベネット・オートモーティブを買収、2020年にはCSPの中国合弁であるCSPビクトールを子会社化して、世界各地に自動車向け複合成形材料事業の拠点を構築。グローバルティア1サプライヤーとして自動車メーカーからの要求特性に対応すべく、軽量で高強度な部品開発を推進している。

また、2020年には、自動車向け複合成形材料のデザイン、設計、プロトタイピング、評価を一気通貫で担うテクニカルセンターとしてドイツ・ブッパタール市にテイジン・オートモーティブ・センター・ヨーロッパ(TACE)、先端技術開発拠点として米国・ミシガン州にアドバンスド・テクノロジー・センター(ATC)を開設。軽量性や強度に加え、デザイン、生産性、コスト効率といった顧客ニーズに対する、マルチマテリアルでのソリューション提案力を強化している。

今回のグローバル統合した事業ブランド「TAT」は、同社がこれまで欧州、米州、中国、日本にて展開し、強化を進めてきた自動車向け複合成形材料事業を一体化して運営していくもの。関連する世界29拠点、社員約5400名におよぶグループ会社ならびに組織が、1つのグローバル事業ブランドのもとに結束。事業体制を強化して、ライフサイクル全体における環境負荷の低減を実現する自動車部品の技術開発、生産、供給を展開していく。これに伴い、米国の事業会社であるCSP、欧州の事業会社であるイナパル、ベネット、およびTACE、中国の事業会社であるCSPビクトールについて、TATへと社名変更する予定。日本国内の自動車向け複合成形材料事業については、事業所や部署の名称変更は行わず、事業ブランドをTATとして展開していく。

今後、TATは自動車向け複合成形材料事業のそれぞれのグループ会社および組織が培ってきた素材に関する専門知識や、自動車向けの設計・エンジニアリング能力を融合することで、自動車業界が求める軽量、安全で、エネルギー効率や耐久性に優れる部品をグローバルに提供できる、世界でも稀有なリーディングカンパニーとして確固たる地位を確立していく。また、自動車業界の素材から加工、成形、リサイクルに至るまで、バリューチェーン全体のライフサイクルにおけるCO2排出量削減に向けた技術開発や様々な取り組みにも注力していく。

帝人グループは、環境配慮型の自動車の実現に向けた様々な要求に対応できる存在へと進化していくことにより、2030年近傍には、自動車向け複合材料製品事業の売上を20億米ドル(約2200億円)規模へと拡大していく。

《纐纈敏也@DAYS》

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