トヨタの苦悩、系列販売店で不正車検相次ぎ発覚[新聞ウォッチ]

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「45」という数字を聞いて、最近は大手洋酒メーカーの社長が提案し、物議を醸している「45歳定年制」を思い浮かべてしまうが、こちらの「45」は、トヨタ自動車系の販売店で展開していた最短45分で完了する車検の作業時間のことである。

その「45車検」の導入で作業時間の短縮が目的化していることや、深刻な人手不足などを背景に、トヨタ系の販売店では不正車検が相次いで発覚しているという。不正車検問題については、すでに直営のトヨタモビリティ東京が営む「レクサス高輪」などでも判明し、一部のメディアでも取り上げたが、改めてきょうの朝日も経済面のトップ記事で「トヨタ系不正車検次々」などの大見出しで報じている。

それによると、不正車検の台数は9月10日に発表したネッツトヨタ山梨などを含めて計約6000台にも及んでおり、これから増える可能性もあるという。トヨタ本社では全国に約260ある販売会社で、ほかに不正がないか調査を進め、「近く再発防止策をまとめようとしている」とも伝えている。

また、記事では整備業界が深刻な人手不足となっていることにも注目。車検の担い手である自動車整備士の技能検査は合格者が低迷。2009年度に約4万人だった合格者は11年度以降は3万人前後に減少。賃金の低さなど労働条件の課題が指摘されているしている。

そういえば、コロナ前に自宅を訪ねてきたトヨタ系販売店の若い営業マンに話を聞くと、整備士の資格は持っているが、待遇が良いのでセールスを志望したという。ただ、その営業マンが凄腕なのかどうかはわからないが、今年になってから欧州系輸入車の販売店に転職したというハガキが届いた。人材の不足は整備士ばかりではないようだ。

2021年9月28日付

●緊急事態全面解除へ、重点措置も、時短要請知事判断(読売・1面)

●トヨタ系不正車検次々、計6000台、本社、近く再発防止策(朝日・7面)

●不正調査報告書、来月1日に公表、三菱電機(毎日・7面)

●こちら特報部「茨城ダッシュ」警鐘、でもそれだけじゃない、ご当地危険運転なぜ全国で横行?(東京・22面)

●レンタカー観光ガイド、NTTデータなど、端末でルート提案(日経・18面)

●バス自動隊列走行実験、JR西・ソフトバンク、BRT向け(日経・19面)

●トヨタ、個人株主誘う、30年ぶり株式分割上場来高値を更新(日経・20面)

《福田俊之》

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