実はアルコール消毒液が犯人…山陽新幹線で飲酒疑いによる運休

9月27日、乗務員の酒気帯び疑いで早朝の上り『こだま』が部分運休した山陽新幹線。
9月27日、乗務員の酒気帯び疑いで早朝の上り『こだま』が部分運休した山陽新幹線。全 1 枚

JR西日本は9月27日、新幹線乗務員の仕業前アルコール検査で基準値を超える数値が確認され、同日の山陽新幹線に部分運休が発生していたことを明らかにした。

この乗務員は、新岩国駅(山口県岩国市)から新大阪行き『こだま838号』(新岩国6時38分発)に乗務する予定だったが、基準値越えで飲酒の疑いを持たれたことから、同列車は新岩国~広島間で区間運休する措置が採られ、広島駅(広島市南区)から別の編成と乗務員により運行されたという。

当該の運転士は飲酒をしていないと申告しており、調査の結果、検査に使用していたアルコール検知器を保管しているロッカー付近に入れていたカバンに収められていた消毒用アルコールスプレーの内容液が漏れており、それに検知器が反応したことが誤検知の原因と推定されている。

ちなみに国土交通省では、酒気帯び運転を防ぐための「鉄軌道の運転士に対する飲酒基準」を定めている。

2019年10月には基準の改正が実施されているが、それによると、血液1リットルあたり0.2g以上または呼気1リットルあたり0.09mg以上のアルコール濃度があるにもかかわらず運転した場合、またはこれに関係なく、飲酒の影響で反応速度の遅延など列車の正常な運転をできない怖れがある場合、免許取消とする行政処分の目安になるとされている。

そのため、各事業者は仕業前後に酒気帯び確認として、ストロー式またはマウスピース式のアルコール検知器による検査に加えて、目視などによる酒気帯びの確認を行なうとされており、仕業前に確認された場合は、当該者の乗務が禁止される。これらの検査については「確認を行った者及び確認を受けた者の氏名、確認の日時・方法、酒気帯びの有無」を記録・保存するとされている。

酒気帯び運転の重大事故としては、国鉄時代の1982年3月、当時、東京~紀伊勝浦間で運行されていた寝台特急『紀伊』が名古屋駅(名古屋市中村区)で機関車の交換を行なった際に、速度超過で客車(スハネフ14 102)の車掌室部分が大破した事例がある。これは「たるみ国鉄」が社会問題化したきっかけともなった。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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