後付けOK! 車内のウイルスを減少させるホンダ純正アクセサリー「くるますく」はなぜ生まれた?

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ホンダ純正アクセサリー「くるますく」
ホンダ純正アクセサリー「くるますく」全 31 枚

コロナ禍において、私たちの環境に対する意識は大きく変わった。中でも、人口密度の高い都市部では、不特定多数の人と交わる公共交通機関に対し、自動車のパーソナルな移動手段としての価値が再確認されてきている。

しかし、その一方で、乗員が身を寄せ合って移動することを考えると、車内の空気環境が気になるという人も少なくないのではないだろうか。そこで今回は、「クルマにお乗りの皆さんに安心を届けられないだろうか」という発想から生まれた、乗員の漠然とした不安を減らしてくれるホンダの取り組みをご紹介したい。

自動車メーカーとして「ユーザーに快適で安心安全な移動を届けたい」

2020年春、コロナウイルスの存在が明るみになって、私たちにも本格的に感染リスクが迫ってきたころ、自動車メーカーであるホンダは社会支援活動の一環として、コロナウイルス感染症の陽性患者(軽症者)を搬送する“仕立て車”の自治体への無償貸与を行った。

その仕立て車とは、ホンダのミニバンである『オデッセイ』や『ステップワゴン』の前席と後部座席の間に仕切り板を設置し、エアコン機能を使って、前席と後部座席の間に圧力差を生じさせることで、前席に座る運転者への飛沫感染を抑制する画期的な仕組みといえる。

ホンダでは、仕立て車以外にもフェイスシールドを製造するなど、これまでのものづくりのノウハウを活かした取り組みを社会貢献活動として行ってきた。その後も仕立て車を開発したメンバーが中心となり、ホンダ車ユーザーに安心を届けるための商品アイディアを検討するワーキンググループが発足。ホンダ車の純正アクセサリーの企画開発を手掛けるホンダアクセスと協力し、車内空間に浮遊しているウイルス飛沫をエアコンの内気循環により、15分で99.8%以上を除去する効果が期待できる「くるますく」の販売を実現した。

「くるますく」の開発メンバー「くるますく」の開発メンバー

開発責任者を務めた本田技研工業 四輪事業本部 ものづくりセンターの越後隆治氏によれば、このプロジェクトは2020年6月にホンダ全社としてスタートしたもので、同年12月に予定していた『N-BOX』のマイナーモデルチェンジをターゲットとし、わずかな期間で開発を行い、発売にこぎつけたという。

ウイルス飛沫をキャッチしてダメージを与える

「くるますく」は、クルマの空調機能に組み込まれているエアクリーンフィルターに網目状のアルミフィルターを重ねて装着するアイテム。実は、トンボの羽が常にクリーンであるのは表面の微細な突起が物理的に付着した菌などにダメージを与えるからと言われているが、今回はその技術を応用して、内気循環により取り込んだ車内空間に浮遊しているウイルス飛沫をキャッチしたあとに、特殊な表面形状でウイルスにダメージを与え減少させるというもの。

エアクリーンフィルターに網目状のアルミフィルターを被せるようにして装着エアクリーンフィルターに網目状のアルミフィルターを被せるようにして装着

そもそもの着想は、カーシェアリングのニーズが急拡大する時代に向けた取り組みだったということで、不特定多数の人が乗る車内の衛生環境の維持をメンテナンスフリーで実現したいという思いから始まった。さらに、この特殊な表面突起はクルマの下地の防錆処理に使われているリン酸亜鉛化成処理によって形成されている。一般的な抗ウイルス手法であるケミカルな薬剤に頼らないため、耐性ウイルスなどを生じさせるリスクが少ないそうで、環境にも優しいともいえる。

エアコン内気循環により15分で車内空間に浮遊している99.8%のウイルス飛沫を除去。エアコンの風量が弱でも効果があったエアコン内気循環により15分で車内空間に浮遊している99.8%のウイルス飛沫を除去。エアコンの風量が弱でも効果があった

新技術を用いた商品の開発には通常数年ほどかかるというが、約半年という期間で達成できたのは「インフルエンザ等が流行し始める冬の季節に間に合わせたい、という関連部署共通の強い意思」(越後氏)があったからだという。事前の見極めをより入念に行うなど製品の検証も失敗がないように努め、北里環境科学センター等の専門機関にも協力を仰ぎながら開発を進めた。

新車でなくても装着可、幅広い車種に対応

「くるますく」は車両標準装備のエアクリーンフィルターに組み合わせて使う。サイズはS、L、XLの3種類で、現時点ではエアクリーンフィルターの形状が特殊サイズとなる『NSX』と『S660』といった一部の車種には装着することができないが、それ以外の国内で販売しているホンダ車(※)に対して幅広い車種のユーザーに快適で安心安全な移動を届けられるそうだ。

ホンダ ヴェゼルとエアクリーンフィルターに装着した「くるますく」ホンダ ヴェゼルとエアクリーンフィルターに装着した「くるますく」

車内の空気環境を衛生的に保つ機能としては、プラズマクラスターやナノイーなどが存在しているが、そうした機能がクルマ側に搭載していない場合でも、幅広いユーザーが「くるますく」を装着するだけで、ウイルスのリスクに備えることができるありがたい取り組みといえる。ちなみに、購入・取り付けについては、ホンダ車を扱う販売店に相談してみてほしい(交換は1年または走行距離1万5000kmのタイミングで、エアクリーンフィルターと同時に行うことを推奨している)。

現状では、コロナウイルスに対する効果を検証する方法が確立されていないため、完全に感染予防に繋がるとはいえない。複数の乗員となる場合はマスクを着用するといった基本的な感染予防対策を行うことを推奨しているそうだ。

越後氏に「くるますく」を装着したホンダオーナーにどんなカーライフを送ってほしいか聞いてみたところ、「より快適で安心安全な移動をしていただきたいと思っています。『くるますく』はエアコンの内気循環で効果を発揮する純正アクセサリーであるため、暑さや寒さが厳しくて窓を開けて換気しにくい季節におすすめです」とのこと。

また、今後の開発に向けた思いについては、「CASEの時代が到来しても、ホンダらしく常にお客様目線でお客様の喜ばれるユニークな商品を提供し続けていきたい」と語ってくれた。

開発責任者の越後隆治氏開発責任者の越後隆治氏

ニーズに合わせた様々なカーケア商品をラインナップ

「くるますく」以外にも、魅力的な純正カーケア商品をリリースしているホンダアクセス。ドライブライフをより快適に過ごすために愛車に手を掛けたいと思っているホンダオーナーに向けたおすすめのアイテムについて、「くるますく」商品企画担当のホンダアクセス高橋一彰氏に聞いてみた。

「最近は、世の中の公衆衛生意識が高まっている影響もあって除菌・消臭効果が得られるルームケアケミカルアイテムを販売会社で施すお客様がここ2年ほどで大幅に増加しています。消臭・抗菌効果が約6ヶ月間持続するホンダ純正ケミカル『光触媒消臭』や『除菌・消臭剤』の人気も高まっています。『除菌・消臭剤』はエアコン臭の脱臭に効果が見込めますが、『くるますく』を装着している場合は一度取り外して、施工後に再装着することになります」

ホンダアクセスのホームページを見てみると、愛車の悩み事を解決してくれる様々な商品がラインナップされているので、有益な情報が得られるはずだ。

「くるますく」商品企画担当のホンダアクセス高橋一彰氏商品企画担当の高橋一彰氏(ホンダアクセス)

ユーザーのライフスタイルに目を向けてクルマの開発を行う自動車メーカー。購入後に安心で豊かなドライブライフを送るための純正アクセサリーによる魅力的な提案。どちらも私たちユーザーにとって目が離せないが、時代の流れにしたがって変化していくユーザーニーズに対して、今後も画期的な提案が行われていくことに期待したいと思う。

「くるますく」の詳細はこちら

※…車種・年式により適用対象外があります

《藤島知子》

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