鉄道の河川橋梁、抜本的対策と補強工事を並行して 国交相がJR各社へ要請

令和2年7月豪雨で被災した肥薩線。画面上方、奥が流失した第2球磨川橋梁(2020年7月8日、熊本県球磨郡)。
令和2年7月豪雨で被災した肥薩線。画面上方、奥が流失した第2球磨川橋梁(2020年7月8日、熊本県球磨郡)。全 1 枚

赤羽一嘉国土交通大臣は10月1日に開かれた定例会見で、JR各社に対して河川に架かる橋梁の総点検を要請したことについて、記者の質問に答えた。

鉄道の河川橋梁では、赤羽大臣が就任してからの2年間だけでも橋桁流出や橋脚傾斜が11件あり、そのうちJRでは8件発生しているという。とくに、令和2年7月豪雨のJR九州肥薩線における未曽有の被害は記憶に新しい。

このように復旧までに長期間を要する橋梁被害が激甚化・頻発化することを重く見た赤羽大臣は、9月28日にJR各社の社長を集めて開かれた「JR河川橋梁対策検討会」で、5000カ所以上ある河川橋梁の総点検と各橋脚の健全度判定を実施して適切な対策を講じるよう要請したという。

これに対してJR各社からは「橋梁の架け替え等の抜本的な対策については、河川改修事業等と併せて実施するのが効果的」という意見が多数あったされており、赤羽大臣は検討会の席上、「これから流域治水プロジェクトを進めていく中で、その協議会に鉄道事業者も参加いただき、今回の橋梁の総点検の結果を踏まえて、河川管理者の協力も得ながら抜本的な具体策を検討いただきたい」と述べている。

その一方で、水流により橋脚周囲が削られる「洗堀」という現象を抑える補強工事を行ない被害を最小限に食い止めることも重要であるとして、抜本的な対策と並行して進めていくことも要請。「国土交通省としてもそのような視点で、全省を挙げて必要な支援を行ってまいります」と述べている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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