マニアックな接続方法…スピーカー[カーオーディオ システムアップ AtoZ]

「バイアンプ接続」に対応した「パッシブ」が付属されているスピーカーの一例(ダイヤトーン・DS-SA1000)。
「バイアンプ接続」に対応した「パッシブ」が付属されているスピーカーの一例(ダイヤトーン・DS-SA1000)。全 4 枚

カーオーディオシステムの音を良くすることに興味を抱くドライバー諸氏に、システムアップをお薦めすべく当連載を展開している。まずはスピーカー交換を推奨し、製品の選び方等をガイドしている。今回は前回に引き続き、付属の「パッシブ」について説明していく。

前回も解説したとおり、スピーカーには「パッシブクロスオーバーネットワーク(以下、パッシブ)」と呼ばれる、信号を帯域分割する装置が付属していることが多く、それが「バイアンプ接続」に対応していると、より高度な鳴らし方を実践できる。その高度な鳴らし方というのがこの、「バイアンプ接続」だ。今回は、これによって得られる利点を説明していく。

さて「バイアンプ接続」とは、1つの「パッシブ」にパワーアンプの2ch分の出力を入力するという接続方法だ。で、「パッシブ」が「バイアンプ接続」に対応していると、例えばメインユニットの内蔵パワーアンプでスピーカーをドライブしている場合に、リアスピーカー用の出力を使ってツイーターを鳴らし、フロントスピーカー用の出力を使ってミッドウーファーを鳴らせるようになる。なぜなら対応する「パッシブ」には、ツイーター用の入力端子とミッドウーファー用の入力端子の両方が備えられているからだ。そのツイーター用の入力端子にリア出力を接続し、ミッドウーファー用の入力端子にフロント出力を接続すれば、「バイアンプ接続」を完成できる。

このように「バイアンプ接続」では、片側のスピーカーをパワーアンプの2ch分を使って鳴らすこととなるので、スピーカーの駆動力がアップする。これが「バイアンプ接続」を行うにおいての最大のメリットだ。

そして利点はもう1つある。それは「スピーカーをより詳細にコントロールできること」だ。なおこの利点は、メインユニットに簡易的な「タイムアライメント」という機能が搭載されているときに発揮される。簡易的な「タイムアライメント」では、ツイーターとミッドウーファーの個別制御は行えない。つまり、セパレート2ウェイスピーカーであっても、ツイーターとミッドウーファーを「1つのスピーカー」として扱うしかないのだ。

しかし「バイアンプ接続」を行えると、「フロントスピーカーとリアスピーカー」というスピーカーレイアウトが「ツイーターとミッドウーファー」というスピーカーレイアウトに置き換わるわけなので、ツイーターとミッドウーファーの個別制御が可能となるのだ。

このように「パッシブ」が「バイアンプ接続」に対応していると、スピーカーをより良い環境下で鳴らせるようになる。一層高度なスピーカーのドライブ方法に興味があれば、スピーカー選びをする際には、「パッシブ」が「バイアンプ接続」に対応しているかどうかのチェックもお忘れなきように。

今回は以上だ。次回以降もカーオーディオユニットの選定に関する情報をさまざま紹介していく。お楽しみに。

性能を引き上げるマニアックな接続方法がある!? システムアップのための、カーオーディオユニット“AtoZ”! lesson 01「スピーカー編」その10

《太田祥三》

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