ロールスロイス、ブラックバッジ・ゴーストを発表…ダークサイド

新たなアプローチで成功

ポスト・オピュレンスのダークサイド

ブラックバッジは「体験」

ロールスロイス・ブラックバッジ・ゴースト
ロールスロイス・ブラックバッジ・ゴースト全 14 枚

英ロールスロイスは10月28日、『ブラックバッジ・ゴースト』(Rolls-Royce Black Badge Ghost)を発表した。ポスト・オピュレンス・デザインのダーク・サイドであり、最高にピュアなブラックバッジだという。

【画像全14枚】

ロールスロイス・モーターカーズ最高経営責任者のトルステン・ミュラー・エトヴェシュは、ブラックバッジ・ゴーストを「ブラックを身にまとうことでゴーストの伝説を覆し、伝説の再構築を力強く訴えながらもミニマリストの心をとらえ、ポスト・オピュレンスをデザインする車」と定義する。

新たなアプローチで成功

ロールスロイスの各車に設定されている「ブラックバッジ」仕様は、よりダークな美しさ、より緊張感のある個性、よりドラマチックな素材の取扱いを特徴としている。カスタマイズ部門が手がける“常設型ビスポーク・モデル”だ。ロールスロイスが新しいタイプの顧客層に向けたアプローチであり、2016年に『レイス』と『ゴースト』に設定されて発表された。

ロールスロイス自身によると、ロールスロイスは破壊的な顧客、すなわちルールを破り、リスクを冒し、古い因習に挑んで成功を収めた、反逆の精神を持つ人々を魅了してきたという。そして2020年代のこうした人は、自身の意志で「ラグジュアリー」を定義する。

スーツではなくストリート・ウェアを身に付け、銀行ではなくブロックチェーンを利用し、デジタルを駆使してアナログの世界に影響を及ぼす。このように生きることで、自分の感性に共鳴する新たなラグジュアリーの基準を生み出す。ロールスロイスはその新しい基準を、ダークな美学、主張するキャラクター、大胆なデザイン、と分析する。

ロールスロイスはレイスとゴーストに続いて、2017年に『ドーン』、2019年に『カリナン』のブラックバッジ仕様を発表した。ブラックバッジは現在、世界のロールスロイスの受注の27パーセントを超えているという。そして最も純粋で、最高にピュアで、最も技術的に進化したブラックバッジ・モデルとロールスロイスが謳う、それがブラックバッジ・ゴーストだ。

ポスト・オピュレンスのダークサイド

ブラックバッジ・ゴーストのベースとなった新型ゴーストは、「俊敏で、控えめで、接続性が高く、余分なデザインのないロールスロイス」という顧客グループの要望に応えて開発された。

この車のデザインでは、ミニマリズムと純粋さが追求された。デザイナーによって「ポスト・オピュレンス」(オピュレンスとは豊富・富裕の意)と名付けられたこの美しさの追求は、リダクション(削減・縮小)とサブスタンス(実質)を特徴としている。

しかしながら、ミニマリズムを愛し素材自体を重んじながらも、こうした美しさに反発する顧客グループがあった。例えば、色としての分類について議論が交わされるほどの純粋なブラックで車体を覆うことで、ゴーストの破壊的な側面を引き出そうとした。ロールスロイスの顧客は4万4000色ものカラーパターンの中から色を選ぶことができ、また自分だけのオリジナルの色を作ることもできるが、ゴーストにダークな表現を求めた顧客の多数は、シグネチャーカラーのブラックを選択した。

ブラックバッジ・ゴーストは、こういった顧客の要望を反映した。ポスト・オピュレンスのダークサイドに立つ、極限状態のミニマリズムを表現している。

ブラックバッジは「体験」

ブラックバッジ・ゴーストでは、自動車業界で最もダークなブラックを作るため、45kgの塗料を霧状にしてホワイトボディに電着塗装し、オーブンで乾燥させる。その後、2層のクリアコートを施し、4名のクラフツマンによって手作業で磨き上げられ、ハイグロス・ピアノフィニッシュを実現している。

インテリアはスイートと呼ぶにふさわしい雰囲気だ。素材はブラックバッジ・ゴーストのドラマチックでメカニカルな意匠を想起させるが、いっぽうでゴーストのポスト・オピュレンスというデザイン哲学に忠実でもある。インテリア空間は、あからさまな主張ではなく、本物であることと素材の本質によって定義される、というコンセプトだ。この精神に基づき、カーボンファイバーとメタリックファイバーを使った深みのあるダイヤモンドパターンが、ロールスロイスの職人たちによって生み出された。

また、ロールスロイスは、「ブラックバッジは単なる『美しさ』ではなく、『経験』だ」という。この車を依頼した顧客は、ビスポークへの対応を、デザインスタジオからエンジニアリング部門にまで拡大することを求した。

ブラックバッジ・ゴーストの力強いキャラクターの鍵を握るのは、『ファントム』で初採用となった、ロールスロイスの「アーキテクチャー・オブ・ラグジュアリー」と呼ぶオールアルミ製スペースフレーム構造だ。この構造は、高いボディ剛性を実現しているだけでなく、柔軟性と拡張性によって、ゴーストに四輪駆動システムや四輪操舵システム、また受賞歴のある「プラナー・サスペンション・システム」を搭載することを可能にしている。

エンジンは6.75リットルV12、出力(600PS)とトルク(900Nm)を増大。効率的なパフォーマンスのためにドライブトレインとシャシーを再構築した。

《高木啓》

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