【ホンダ シビック 新型試乗】ついに、ここまでふりきったか!…岩貞るみこ

ホンダ シビック 新型
ホンダ シビック 新型全 16 枚

ヤワで中途半端で方向性を決めあぐねたバランスの悪さで、今の日本で存在意義はあるのかと思っていたホンダ『シビック』。しかしついに、ここまでふりきったかという思いだ。

デザインはクーペ風。後方にかけてすらりと落ちるように描かれたラインは、垢抜けている。トランクのふただけが開くのではなく、リアガラスごと大きく開く5ドアは、ワゴンやミニバンに親しみ、「荷物と人のいる空間は分ける!」という古臭い考えとは無縁の世代からも受け入れやすい。

フラットな路面での楽しさったらない

ホンダ シビック 新型ホンダ シビック 新型
そして、乗り心地。タイヤをまわした瞬間から感じる、じわりと路面のざらつきすら伝わってくるリニアな手応え。速度を上げ、コーナーを走らせても、びしっとゆるがないハンドリングは爽快である。

ボディがかっちりと作られているのに加え、アジャイルハンドリングアシストという、コーナー内側の前タイヤなどに微妙にブレーキをかけることで得られる安定感である(おみこしが右に曲がるとき、右前を担当する担ぎ手が歩みを止めることで、右に曲がりやすくなる理屈と同じ)。

フラットな路面で走らせているときの楽しさったらない。そう、フラットならば。

サスペンションの固さ、なにものぞ!という方々に

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問題は、路面が荒れているときや、高速道路のつなぎめである。はねる。上下に揺れる。これがつらい。これまで私は「サスペンションが硬いなどと言うのは、年寄りの証拠だ。そんなもの気にせずにクルマを作って欲しい」と言い続けていた。

しかし、今回ばかりは、高速道路の連続したつなぎめで胃が踊っちゃってつらいのである。これはもう、私が歳をとった証拠であろう。それは間違いない。そう、私が悪い。悪いのだが、胃がつらいことも間違いない。このハンドリングの楽しいクルマは、サスペンションの固さ、なにものぞ!という方々に乗りこなしていただきたい。

ロングツーリング重視ならハイブリッドに期待?

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カタログ燃費は、1リットルあたり16.3km。今回、高速7:田舎道2:都内1で走った結果(高速も田舎道もそれぞれ制限速度のマイナス10km/h程度)は、1リットルあたり15kmちょいという数字がインパネの消費燃料に記されていた。タンク容量は47リットルなので、700kmは走れる計算になるけれど、今回は500kmを超えるとタンクの針の動きがかなり気になってくる。ほぼ渋滞なしだったけれど、渋滞がもっとあれば、もう少しドキドキするだろう。

500kmちょいで給油ストップは、面倒くさい。ロングツーリング重視の使い方なら、もう少しあとに出てくるハイブリッドのほうがお勧めである。

ホンダ シビック 新型ホンダ シビック 新型

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★
オススメ度:★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。最新刊は「世界でいちばん優しいロボット」(講談社)。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室。」を上梓(すべて講談社)。

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