NSX に続く「タイプS」、アキュラ が MDX 新型に設定…12月米国発売へ

アキュラのSUV初の「タイプS」

高性能モデルらしい専用の内外装

最大出力355hpの3.0リットルV6ターボ搭載

アキュラ MDX 新型のタイプS
アキュラ MDX 新型のタイプS全 23 枚

ホンダの海外向け高級車ブランドのアキュラは11月5日、新型『MDX』(Acura MDX)の高性能モデル「タイプS」を12月、米国市場で発売すると発表した。

アキュラのSUV初の「タイプS」

MDXは、アキュラの最上位SUVだ。アキュラによると、初代MDXのデビューから20年以上の間に、累計100万台以上が販売されており、MDXが米国で最も売れた3列シートのラグジュアリーSUVになるという。MDXはアキュラのベストセラー車としての地位を確保しており、アキュラブランドの米国販売の約3分の1を占めている。

4世代目となる新型MDXに設定されるのが、高性能モデルのタイプSだ。過去には、『TSX』(日本名:ホンダ『アコード』に相当)、初代『NSX』や最新のNSXにも、タイプSが設定された。

アキュラが最後にタイプSを用意していたのは、2008年モデルの『TL』だったが、2020年、新型セダンの『TLX』でタイプSを約12年ぶりに復活させた。最近では、NSXに続いて、SUV初のタイプSが、新型MDXにラインナップされた。アキュラ MDX 新型のタイプSアキュラ MDX 新型のタイプS

高性能モデルらしい専用の内外装

タイプSには、専用のフロントスプリッターや、エンジンへの空気の流れを約10%増やすオープンダイヤモンドメッシュグリル、ディフューザー、クワッドエキゾーストアウトレットを専用装備する。冷却性向上のために、グリルの隣のサイドベントは、エンジンルーム両側のサブラジエーターに空気を送る。トリムは標準のクロームから、グロスブラックに変更され、高性能モデルらしい専用のエクステリアとした。ボディカラーには、タイプS専用のタイガーアイパールが用意される。

足元には、グリップを引き出す275/40ZR21サイズのコンチネンタル製タイヤに、21インチのシャークグレーまたはベルリナブラックの専用アルミホイールを組み合わせる。このコンチネンタル製タイヤは、「コンチシール」で、釘などによるトレッド面の5mm以下の穴を、シーリング剤が塞いでくれる。セルフシールタイヤの装着は、アキュラ初という。また、ホイールには、ロードノイズを低減するためのレゾネーターが付く。

大容量ブレーキには、4ピストンのブレンボ製フロントキャリパーが採用された。トランスミッションは10速AT「クイックシフト」。タイプS専用の「スポーツ+」ドライビングモードを搭載し、シャープなレスポンスを追求する。オプションの「トーイングパッケージ」を選択すると、最大牽引能力2.2トン以上を可能にする。アキュラ MDX 新型のタイプSアキュラ MDX 新型のタイプS

インテリアには、専用の内装色とトリムを採用する。レッド、エボニー、新色のライトオーキッドのソフトタッチのミラノレザーシートに、プレミアムブラックのウルトラスエードをアクセントにあしらった。フラットボトムステアリングホイールとタイプSエンブレム、コントラストステッチ、金属製スポーツペダルを装備する。「Acura Precision Cockpit」ディスプレイには、12.3インチのワイドHDセンターディスプレイに「True Touchpad Interface」とともに標準装備されている。

カーブドステッチのアクセントが付く9モードのマッサージフロントシートをオプションで用意した。新開発の「ELS STUDIO 3D」プレミアムオーディオシステムは、出力1000W以上、22のディスクリートチャンネル、25のスピーカー仕様となり、アキュラ史上、最も先進的で強力なオーディオシステムになるという。アキュラ MDX 新型のタイプSアキュラ MDX 新型のタイプS

最大出力355hpの3.0リットルV6ターボ搭載

パワートレインには、アキュラが新開発した直噴3.0リットルV型6気筒ガソリンターボエンジンが搭載される。ツインスクロールターボチャージャーが導入されており、最大出力は355hp、最大トルクは48.9kgmを発生する。

他のグレードには、自然吸気の3.5リットルV型6気筒ガソリン「i VTEC」エンジンが搭載される。最大出力は290hp、最大トルクは36.9kgmを引き出す。タイプSでは、排気量を500cc縮小しながらも、ターボで加給することにより、パワーは65hp、トルクは12kgmプラスされている。

駆動方式は、最新の「SH(スーパーハンドリング)AWD」だ。第4世代のSH-AWDは、第3世代のシステムよりも、リアのトルク容量が40%増加し、前後のトルク伝達が30%高速化されている。最新のSH-AWDシステムは、通常の走行状態で最大70%のエンジントルクをリアアクスルに配分する。そのリアアクスルでは、トルクの最大100%を左または右の後輪に継続的に配分できる。これにより、後輪左右のトルク伝達のヨーモーメント効果が増幅され、さらにシャープで正確なターンインを実現するとともに、コーナリング時の安定性を向上させたという。

また、センサー入力に基づいて減衰力を継続的に調整するアダプティブダンパーシステムに初めて、エアサスペンションが組み合わせられた。これにより、アキュラSUVのパフォーマンスを次のレベルに引き上げた、と自負する。ドライブモードは、ノーマル、コンフォート、インディビジュアル、スノー、スポーツ、タイプS専用のスポーツ+モードに加えて、最低地上高を約50mm引き上げて、段差や雪をクリアするリフトモードの合計7種類が採用された、としている。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 洗車で「水シミZERO」、水道に取り付けるだけで純水を生成…サンコーが発売
  2. 【アウディ A5セダン 新型試乗】4ドアクーペ風にあえてしなかった見識に拍手…島崎七生人
  3. スズキ『アルトラパン』が10年目のビッグマイチェン! 開発者が語る「長く愛される理由」と、それでもデザインを大刷新したワケ
  4. 極限の軽量ホイール革命!レイズ ボルクレーシング『CE28N-plus SL』が示す究極の走行性能PR
  5. 台風や秋雨対策に、大型サイドミラー対応の超撥水ガラスコート「ゼロワイパー」発売
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る