究極的に音にこだわるならDAP?[ソースユニット]

“DAP”が組み込まれたシステムの一例(製作ショップ:サウンドウェーブ<茨城県>)。
“DAP”が組み込まれたシステムの一例(製作ショップ:サウンドウェーブ<茨城県>)。全 6 枚

当特集では、「カーオーディオシステムの最上流に何を使うか」について考察している。まずは車載専用機の注目モデルについて、そして前回はスマートフォンを使うことの利点や賢い使い方について考えた。それに引き続いて今回は、“DAP“について検証していく。

なお当特集は毎回、全国の実力カーオーディオ・プロショップに取材して記事を構成している。今回は茨城県ひたちなか市の“サウンドウェーブ”に話を訊いた。参考になる情報が多々得られた。じっくりとお読みいただきたい。

とことん音にこだわろうとすると、最後には“DAP”に行き着く…。

ところで“DAP”とは、デジタル・オーディオ・プレーヤーの頭文字を取った略称だ。そしてその中でもポータブルタイプのものがカーオーディオでも使われることが増えている。ただし車載用として設計されてはいないのでドライブ中の操作がしにくく、ドライバーが操作する場合には選曲等は停車中に行うしかない。なのでこれの車内での使用を推奨していないカーオーディオ・プロショップも少なくない。さて、“サウンドウェーブ”の根本さんにまずは、“DAP”のカーオーディオにおいての使用の実情を訊いてみた。

「“DAP”は主に、サウンドコンペティター、あるいはとことん音にこだわりたい方に使われています。なのでお客様の中での使用率は、当店の場合はそれほど高くはありません。多くの方はスマホを車載機とBluetooth接続して使われています。そうすると主な操作を車載機側で行えますし、使い勝手が良いからです。

しかし、音にこだわろうとすると“DAP”に行き着きます。サウンドコンテストに出場するような車両のカーオーディオシステムでは“DSP”の使用がマストになりますが、それに繋げるソースユニットとして音質的に最良な選択肢は、やはり“DAP”です。ハイレゾ音源を高音質に再生でき、しかも“DSP”とダイレクトにデジタル接続できますから。

そして“DAP”には高性能なモデルが多々あります。ですので音を良くしようと突き詰めていくと、最後には“DAP”が選ばれることとなるんです。もちろん、まずはスピーカーやパワーアンプに何を使うかの方が重要ですが、システムができ上がった後にさらに音を磨き込もうとすると、ソースユニットに何を使うかで差が出てきますから」

突き詰めれば高級機。しかしエントリーからミドルクラスのモデルでも十分に高性能!

続いては、どのような“DAP”がお薦めなのかを教えてもらった。

「サウンドコンテストに出場される方からは10万円前後のものや、さらにはそれ以上のモデルが選ばれることもありますが、しかしコンテストに挑戦されるのでなければ、そこまでのモデルでなくても、例えば5万円くらいのモデルでも満足度はかなり高いと思います。実際、普通に考えればそれでも十分に高級品ですし、相応に音が良いです。

なお最近は、Android OSを搭載しているモデルも増えてきました。なので、ストリーミングサービスも利用されたいとお考えならばこのようなモデルがお薦めです。ちなみに“DAP”をお使いの方の多くは“ハイレゾ音源”をたくさん所有されていますが、そうであってもこれからはストリーミングも楽しめるようにしておいた方が良いのではないでしょうか。お持ちの“ハイレゾ音源”も楽しみつつ、新しい作品はストリーミングで聴くというような使い方が、幅広くいろいろな曲を聴けて便利だと思います。

後は、お使いの“DSP”との接続のしやすさを考慮されると良いですね。そしてその上でご予算を踏まえながら、音の好みで選ばれると良いのではないでしょうか。

ところで実際の使用においては、車載機とBluetooth接続して使われている方も多いです。“DAP”をデジタル接続するのは主にはコンテストの時だけというように割り切られている方も少なくないです。ただし好きな曲や好きなアルバムをヘビーローテーションしたいときには、“DAP”を“DSP”にダイレクトに繋いでより高音質で楽しまれたり。特定の作品を繰り返して聴く場合には途中で操作をする必要がなくなりますので、操作性の良し悪しは問題にはなりませんから」

高音質なBluetoothレシーバーの導入も吉!

使い方のコツについて、さらに詳しく教えてもらった。

「実は“DAP”を使われるお客様には、もう1つ別の接続方法をお薦めすることも多いです。それは、高音質なBluetoothレシーバーを使うという方法です。

これをお薦めする理由は2つあります。1つは音が良いからです。ハイレゾクオリティが確保されているBluetoothコーデックに対応しているモデルがあり、それを使えば、“DAP”の音楽信号を高品質のままワイヤレス伝送できるんです。で、“DSP”とデジタル接続できる機種ならそれにて接続すれば高音質に楽しめます。

そしてお薦めする理由の2つ目は、便利だからです。先ほどご説明したとおり“DAP”は“DSP”とのデジタル接続が前提となりますが、ケーブルにて行うデジタル接続は普段使いにおいてはあまり便利ではありません。クルマに乗り込んだ際に都度接続するのが案外手間なんです。走り出すのも遅くなりますし。

しかしBluetooth接続の場合は、1度ペアリングをしておけばクルマに乗り込んだ際に自動で接続されますから、その部分での使い勝手はかなり改善できるんです。

なお、車載機器ともペアリングさせておけばベストです。利便性を優先させたいときは車載機器経由で聴いて。そうすれば車載機の画面上で主要な操作を行えます。そして利便性と音質の両方を得たいときにはBluetoothレシーバーを使い、とことん音質にこだわりたいときにはデジタル有線接続で聴く、という風に使い分けても良いと思います。

なお当店でお薦めしているBluetoothレシーバーは家庭用ですので、車載で使う際には電源確保に少々工夫が必要です。しかし加工はそれほど大変ではありません。また高温になる場所には設置すべきではありませんが、シート下等の直射日光が当たらない場所なら問題はないと思います。

お近くでしたらぜひお気軽にお越しください。“DAP”についてさらに詳しくご説明いたしますし、スピーカー交換等々、システムアップのご相談にも幅広くお応えできると思います。お待ちしています」

究極的に音にこだわるなら“DAP“がベスト? 賢い選び方と使い方とは… 「ソースユニット学・入門」第6回

《太田祥三》

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