フィスカーの新型EV『オーシャン』、航続は547km…ロサンゼルスモーターショー2021

ツインモーターは最大出力550hp

内装にリサイクル素材を多用

開放的な「カリフォルニアモード」

新開発のセンタースクリーンとユーザーインターフェイス

フィスカー・オーシャン(ロサンゼルスモーターショー2021)
フィスカー・オーシャン(ロサンゼルスモーターショー2021)全 17 枚

フィスカーは11月17日、米国で開幕したロサンゼルスモーターショー2021において、新型EVの『オーシャン』(Fisker Ocean)の量産モデルをワールドプレミアした。

◆ツインモーターは最大出力550hp

オーシャンはフィスカー初の電動SUVだ。オーシャンには、完全新開発のプラットフォームを採用する。この新世代のプラットフォームからは、さらに2車種の新型フィスカーモデルが、登場する予定だ。

オーシャンには、シングルモーターの「スポーツ」や、ツインモーターの「ウルトラ」、「エクストリーム」、発売記念限定モデルの「ワン」などが設定される。スポーツは1回の充電で、最大およそ250マイル(約402km)を走行できる性能を備える。ウルトラとエクストリームの航続は、最大で340マイル(約547km)となる見通しだ。

シングルモーターのスポーツの場合、最大出力は275hpを発生する。0~96km/h加速は6.9秒だ。ツインモーターでAWDのウルトラは、最大出力が540hpで0~96km/h加速は3.9秒だ。同じくツインモーターでAWDのエクストリームは、最大出力が550hpとなり、0~96km/h加速を3.6秒で駆け抜ける。

オーシャンの米国でのベース価格は、3万7499ドル(約430万円)。従来のフィスカーの電動モデルと比較すると、大幅にリーズナブルな価格を実現した、と自負する。

フィスカー・オーシャンフィスカー・オーシャン

◆内装にリサイクル素材を多用

インテリアには、カーペットにリサイクル素材を活用した。このカーペットには、廃棄された漁網から作られた再生ナイロンを使用している。また、インテリアの素材には、100%ポリカーボネートポリウレタンと100%強化レーヨンバッキングを採用した。さまざまなVOC(ホルムアルデヒドなど)の厳しい化学物質排出規制に適合している。

また、エコスエードも使用された。Tシャツなどのポリエステル繊維、ペットボトル、プラスチックなどをリサイクルした素材も用いられている。ポリエステルのリサイクルでは、従来のガソリンベースのポリエステル製造プロセスと比較して、エネルギー消費と大気へのCO2排出を80%削減することができるという。エコサステナビリティとして、汚染物質の排出とエネルギー消費のレベルは、オーシャンの生産サイクル全体を通じて保証されている。

オーシャンでは、ゴム廃棄物も再利用する。フィスカーは、タイヤの製造中に発生した廃棄ゴムを、埋め立てせずに利用する。リサイクルすることでエネルギーの量を大幅に節約でき、最終的に温室効果ガスの排出を削減できるという。

フィスカー・オーシャンフィスカー・オーシャン

◆開放的な「カリフォルニアモード」

オーシャンには、「カリフォルニアモード」を設定する。カリフォルニアモードはSUVとしては初めて、ソフトトップを使用せずに、ルーフをフルオープンにできるシステムで、フィスカーの特許技術という。

その内容は、スイッチひとつで、9枚の窓ガラスを下げることが可能になるというものだ。フロントサイドガラスが左右2枚、リアサイドガラスが左右2枚、リアクォーターガラスが左右2枚、リアハッチガラスが1枚、ルーフガラスが2枚の合計9枚の窓ガラスを、スイッチ操作ひとつで下げることができる。

オーシャンには、フルレングスの「ソーラースカイルーフ」が採用された。モーターのパワーをサポートし、電費効率を高めている。テクノロジーの進化に伴い、フィスカーは、より高いエネルギー効率と、より優れたハードウェアソリューションを追求したという。

フィスカー・オーシャンフィスカー・オーシャン

◆新開発のセンタースクリーンとユーザーインターフェイス

新開発のセンタースクリーンとUI(ユーザーインターフェイス)を採用する。ダッシュボードの中央には、17.1インチの高解像度「Revolve4」ディスプレイを配置した。通常走行時には「ポートレートコントロールモード」表示となり、停止時には「ランドスケープハリウッドモード」表示に変更できる。このランドスケープハリウッドモードは、プレミアムオーディオのオプションと組み合わせて、前席と後席の乗員に没入型の視聴体験を提供するという。オーシャンは、無線アップデートによって、その機能を向上させることができる。

スポーツには、「アースドライブモード」と「ファンドライブモード」がある。ウルトラとエクストリームには、「ハイパーモード」が追加される。エクストリームとワンには、「オフロードモード」が用意される。パフォーマンスと安全性を強化するために、スマートトラクショントルクベクタリングシステムが搭載されている。

フィスカーは、オーシャンの生産を2022年11月に開始することを目指している。このオーシャンに採用されるのが、マグナが新開発した「FM29」プラットフォームだ。またオーシャンは、欧州のマグナの工場に生産を委託する。マグナでは現在、グローバルブランドに代わって、複数の車両を受託生産している。

《森脇稔》

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