レイズが自ら実践! 高性能ホイールで効果は実感出来るのか?

レイズが自ら実践! 高性能ホイールで効果は実感出来るのか?
レイズが自ら実践! 高性能ホイールで効果は実感出来るのか?全 16 枚

クルマのパーツを高性能化パーツに交換するとさまざまな面で性能アップが望める。そんな中、高性能ホイールはどんな効果があるのかを検証すべくレイズが実走行テストを実施。加速、制動、旋回と普段使いにも影響のある性能にどんな違いが出たのだろう?

【画像全16枚】

高性能ホイールがもたらす走りへの好影響を
実走行によるテストで明らかにする

トヨタ ランドクルーザープラド+ボルクレーシングTE37XTトヨタ ランドクルーザープラド+ボルクレーシングTE37XT

クルマの性能を大きく左右する足回り。タイヤのグリップ性能やサスペンションのスペックなど、スポーツ走行を実施するユーザーには必須の注目ポイントも多い。しかし、もうひとつの要素も忘れてはいけない。それがホイールだ。高性能ホイールを用いることで走りの特性は大きく変わる。リアルレーシングの世界を見ると専用設計されたレーシングホイールを用いているのはその現れだ。

しかし、一般ユーザーの多くは「サーキットでもない一般道で普通の走り方をしているシーンではホイールの性能ってどこまで関係あるの?」と高性能ホイールが自分の走行のレベルアップに直結することを疑問視するケースも多いのではないだろうか? そこで実際に高性能ホイールは一般ユーザーレベルの走りにどのような影響を及ぼすのか、そんな興味深いテストをボルクレーシングをはじめとした高性能ホイール群をラインアップするレイズが実施したので参加してきた。

しかもスポーツ性能を推し量る際にありがちなサーキットで限界走行するテストではなく、より一般ユーザーが体感できるであろう加速、制動、スラロームという3項目に限定して実施した点も興味深い。多くの一般ユーザーが“自分にも関係あるテスト”として捉えられる実走行となったのも注目のポイントだ。

ボルクレーシングのTE37XTを
プラドとジムニーに装着してテスト実施

レイズが自ら実践! 高性能ホイールで効果は実感出来るのか?レイズが自ら実践! 高性能ホイールで効果は実感出来るのか?

テスト車両として用意されたのはランドクルーザー プラドとジムニー。ホイールとしてチョイスされたのはレイズが誇るフラッグシップブランドであるボルクレーシングのTE37XT(ジムニーはTE37forJ)。鍛造モデルで高剛性、軽量、ウェイトバランスなど、徹底した高性能設計が施された高スペックホイールの代名詞的なモデルだ。このTE37XTを純正ホイールと交換して比較試乗するというのが今回のテストの基本的なスタイル。タイヤは条件を合わせるため同じモデル&サイズを使用。プラドにはトーヨータイヤのオープンカントリーA/T(265/70-17)、ジムニーは同じくオープンカントリーのM/T(195R16)を純正/TE37XTともに装着している。

テストコースとして設定されたのはクローズドスペースに加速性能レーン、制動性能レーン、旋回性能レーンの3本のレーンを設定した。今回のテスト走行を担当するのはレーシングドライバーの井入さん。これはプロのドライビングで純正ホイールとTE37XTの走行条件を限りなく同一に合わせることでホイールによる各性能の違いを明確化するのが目的となった。

スムーズにグイグイ加速する様子が見える
ホイールの軽量さが走りに与える好影響を実感

加速テスト加速テスト

最初にテスト走行を開始したのはプラド。純正ホイールによる走行でまずはストックの状態を把握。その上でTE37XTへとホイールを交換して走行テストがスタートした。まずは加速性能のレーンで走行を開始。我々取材陣はプロドライバーがドライブするプラドの加速をまわりから見ているだけなのだが、TE37XTに履き替えたプラドを見ると純正ホイールの時とは加速の様子が明らかに違うのだ。純正ホイールも限られた予算の中で性能とコストのバランスを高次元に両立しながら造られているのでもちろん不足は無いのだが、TE37XTではイメージとしてタイヤがピタッと路面をトレースしてムダ無く加速しているように見える。路面の変化に影響されずにグイグイ加速している印象だ。“ホイールでこんなに違うものなの? これってプラシーボ効果ってヤツなのかな?”と筆者自身も半信半疑。それは自分の目を疑ってしまうほど、それほど外から見ているだけでも明らかな差があった。テスト走行後に、プロドライバーに答え合わせのインタビュイーを実施してみた。するとプラドの加速は私が見た通りの状況だったことがドライバー目線から証明された。

「ゼロから走り出す際の軽快感がまったく違います、タイヤが軽く転がっている感覚が強く、アクセルを踏み始めるとスッと加速していきます。ホイールの軽量さはここで大きく影響しているのだと思います。確実に燃費にも影響してくる部分でしょうね」(プラドの純正ホイールは13.45kgなのに対してTE37XT(17×8J IN20)は8.3kgと明らかに軽量だった)

参考のため計測したタイム(スタートから時速70kmまでのタイム)は、1回目:5.84秒(純正ホイール)→5.49秒(TE37XT)、2回目5.39秒(純正ホイール)→5.01秒(TE37XT)、さらにドライバーを変更して合計4本走ったアベレージタイムは5.49秒(純正ホイール)→5.24秒(TE37XT)と明らかにレベルアップしている。

ブレーキペダルを踏み込んでから
制動が立ち上がるまでのタイムラグが少ない

制動テスト制動テスト

次に実施したのは制動性能のテスト。加速性能と同じく、純正ホイールで走行した後、TE37XTにホイールを履き替えてテストを実施。その違いを比較した。ここでもドライバーをインタビューする前に、走行を外から見ているだけでその違いがすぐに判断できた。70km/hからの急制動を実施したのだが、しっかりABSが作動するフルブレーキングを実施。すると純正ホイールでもしっかりと停止できているが、ABSが作動した瞬間にブレーキパッドが緩む~再び制動を小刻みに繰り返し、数度に渡ってキュッキュッとタイヤのグリップが乱れるのが見られた。しかしTE37XTに交換してからの制動を見ると制動が非常に安定している。グッとフロントに荷重が掛かり続けタイヤ全体でクルマを受け止めている感覚が強いのだ。明らかに制動距離も短く見える。走行後、プロドライバーに走行時のフィーリングを確かめてみたところ

「TE37XTを履いた状態のプラドはブレーキを踏んだ瞬間のレスポンスが非常に良いです。一般的にブレーキペダルを踏みはじめから制動が立ち上がるまでにはわずかなタイムラグがあるのですが、純正に比べてTE37XTは明らかにそれが短いのです。そのため制動距離が短く済んでいます。また制動時のクルマの挙動が安定しているのも印象的。タイヤを均一な面で路面に押し当てている感覚です。これはホイールの剛性が大きく寄与しているのだと考えられます。ホイールがしっかりとタイヤを支えているのでこういった結果が生まれたと考えます」

ABSが作動するほどのフルブレーキングは一般ユーザーは滅多に経験することはないだろう。しかしフルブレーキングに安心感があると言うことは制動距離の短さにも直結する。万が一の際に経験値の浅い一般ユーザーでも安全性が高まることを表している。

制動距離についてもテスト結果を計測した。1回目:17.8m(純正ホイール)→15.5m(TE37XT)、2回目:15.5m(純正ホイール)→14.2m(TE37XT)、さらにドライバーを変更して合計4回の走行を実施した平均値でも16.1m(純正ホイール)→13.1m(TE37XT)と明らかに制動距離が短くなっているのが分かる。

小さな舵角でも旋回する走りを証明
ハンドリングの良さを引き出すのも魅力

旋回テスト旋回テスト

3つめのテスト項目は旋回性能。コースに4本のパイロンを立ててスラローム走行を実施。ここでも走行の様子を見ているだけで純正ホイールとTE37XTとの“違い”が見て取れた。印象に残っているのは純正ホイールの走行時はスピードが乗ってくる後半は動きが緩慢に見えたが、TE37XTを履いたプラドは最後までパイロンを巻いてクイックに走行、しかもアクセルを緩めること無く旋回スピードも高かった。走行後にプロドライバーにうかがったところ、ステアリング操作やクルマの向き換えの部分で大きな差が出たという。

「純正ホイールでもスタートから1~2本目のパイロンまではなんとかアクセルオンのままクリアできたんですが、3本目では車体の揺り戻しが大きく、タイヤに掛かる横Gがギリギリだと感じてアクセルを緩めました。これ以上行くとタイヤが滑ると察知したからです。対してTE37XTを履いた車両では旋回時にステアリングを切る角度が明らかに小さいです。旋回性も良いため大きくクルマの挙動が乱れることも無く、3~4本目のパイロンを通過する際でも余裕があり、グッとアクセルを踏み込んで旋回できます。揺り返しなどのムダな動きが発生しないため、操作性も良くドライビングしやすい状態でした」

高性能ホイールへの交換が一般的な走行にも
大いに好影響を及ぼすことを実感

スズキ ジムニー+ボルクレーシングTE37forJスズキ ジムニー+ボルクレーシングTE37forJ

同じテストをジムニーでも実施。基本的な傾向はプラド同じく、加速、制動、旋回ともにTE37XTへのホイール変更で効果があったことも確かめられた。特にジムニーで顕著だったのは制動性能。フルブレーキング時にボディがヨレるようにフラれていたが、TE37XTに変更して実走行するとピタリと安定した。また旋回性能のテストではパイロン近くに小さな路面のギャップがあり、純正ホイールでは通過時にバウンドする傾向があったものの、TE37XTを履いた状態ではピタリと路面をトレースしてグリップが失われることが無かったのが印象的だった。軽量、高剛性、タイヤをバランス良く支える力がホイールに取っていかに大切かをプラドのテスト同様に分かる走行となった。

このように、プラド、ジムニーにボルクレーシングのTE37XTを履かせた実際の走行で、純正ホイールとの違いが明確になった今回のテスト走行。いわゆるスタビリティがアップしているのが全方位で分かったのが収穫だった。ブレーキがしっかりと利き、アクセルに対するレスポンスも向上、さらには小さな舵角でもクルマが良く曲がることも結果として表れた。加えてテストドライバーの声としては「乗り心地や軽快感といった部分まで含めてすべてがレベルアップ、悪い部分がまったくない」という感想が聞かれた。

純正ホイール/高性能ホイールの比較走行テストと聞いて、当初は“一般ユーザーレベル”にとってどこまでの変化がリポートできるのかが半信半疑だったものの、フタを開けてみると良い意味で予想は裏切られる、クルマの動きを周囲から見ているだけでも分かる明確な違いが出たのだ。もちろん答え合わせとしてプロドライバーのフィーリングについてもインタビュー、実測データと合わせて確かな裏付けを得られたのも収穫だった。非常に明快でスッキリしたテスト走行となった。

軽量であり高剛性、さらにはしっかりしたホイール性能を兼ね備えた高性能ホイールがいかに走りに好影響を与えるかが今回のテストでわかった。しかもサーキットをスポーツ走行する場合のみならず普段一般ドライバーが出くわすシーンでも大きなレベルアップが見られることも判明。そして付け足しのようになるが、装着されていたトーヨータイヤ オープンカントリーの性能も含めて安全性はもとより、クルマを操る楽しさのグレードアップ、さらには燃費性能まで含めて、高性能ホイールへの交換が大いに効果的なのかが分かる興味深いテストとなった。

撮影協力:TOYO TIRE株式会社/スズキアリーナ須磨 芦屋中央/一般財団法人 泉佐野みどり推進機構

《土田康弘》

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