釜石線のSL列車は2023年春まで…キハ141系の老朽化により廃止へ

わずか9年でその歴史にピリオドが打たれることになった『SL銀河』。2014年4月の運行開始以来、約5万7000人の利用者があったという。
わずか9年でその歴史にピリオドが打たれることになった『SL銀河』。2014年4月の運行開始以来、約5万7000人の利用者があったという。全 9 枚

JR東日本盛岡支社は11月19日、花巻~釜石間で運行している釜石線の『SL銀河』を2023年限りで終了すると発表した。

同列車は、岩手県営運動公園(岩手県盛岡市)で静態保存されていたC58形蒸気機関車239号機(C58 239)を動態復元し、2014年4月12日から運行を開始。釜石線は山岳線のため、JR北海道から旅客車として動力付きのキハ141系を譲り受け、C58 239との協調運転が行なわれていた。

キハ141系(キハ142 701、キハ143 701、キサハ144 701・702)は、1990年からJR北海道札沼線(学園都市線)で運用されていたが、2012年10月、札幌~北海道医療大学間の全面電車化により余剰となり、『SL銀河』に転用された。

しかし、そもそもは国鉄時代の50系51形客車を改造したものであるため、客車時代から数えても40年以上もの経年となっていることから老朽化が顕著で、これを理由に運行継続が断念されることになった。

今後の『SL銀河』は、年内は12月5日までの土・日曜に運行。2022年は春から初冬まで運行され、2023年は春のみの運行となる予定。

盛岡車両センターに配置されている『SL銀河』用キハ141系気動車。C58との協調運転が可能で、気動車がSLを引くシーンも見られた。盛岡車両センターに配置されている『SL銀河』用キハ141系気動車。C58との協調運転が可能で、気動車がSLを引くシーンも見られた。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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