ピニンファリーナのハイパーEV『バッティスタ』、最終テスト完了…2022年に納車開始へ

「F1マシンをも凌ぐスピード」

0~100km/h加速2秒以内で最高速350km/h

カーボン製のモノコックとボディパネル

ピニンファリーナ・バッティスタ
ピニンファリーナ・バッティスタ全 10 枚

アウトモビリ・ピニンファリーナ(Automobili Pininfarina)は12月1日、EVハイパーカーの『バッティスタ』が、開発ドライバーのニック・ハイドフェルド氏による最終テストを完了した、と発表した。2022年に納車を開始する予定だ。

写真:ピニンファリーナ・バッティスタ

アウトモビリ・ピニンファリーナは、イタリアのデザイン工房、ピニンファリーナの親会社であるインドの大手自動車メーカーのマヒンドラ&マヒンドラ(マヒンドラ)が立ち上げた新ブランドだ。その最初の市販車が、EVハイパーカーのバッティスタだ。バッティスタとは、ピニンファリーナの創設者のバッティスタ・ファリーナ(Battista Farina)氏に敬意を表すネーミングとなる。

◆「F1マシンをも凌ぐスピード」

開発ドライバーのニック・ハイドフェルド氏は、元F1ドライバーで「フォーミュラE」にも参戦した。ハイドフェルド氏は、豊富なノウハウとモータースポーツでの25年以上にわたる経験を生かして、バッティスタのシャシーの設定とソフトウェアの改良などをサポートしてきた。

ハイドフェルド氏は、プロジェクトの開始時から、重要な役割を担ってきた。2019年には、アウトモビリ・ピニンファリーナに設計兼エンジニアとして参加し、プロトタイプのエルゴノミクスに関するフィードバックをもたらした。その後、同氏はイタリアのダイナミックス施設のシミュレーターに座って、バッティスタのダイナミックス設定をサポートする報告書を完成させた。

ピニンファリーナ・バッティスタとニック・ハイドフェルド氏ピニンファリーナ・バッティスタとニック・ハイドフェルド氏

ニック・ハイドフェルド氏は今回、アウトモビリ・ピニンファリーナのエンジニアリング&オペーレションセンター近くの公道とサーキットにおいて、バッティスタの最終テストを完了させた。最終テストはサーキットだけでなく、どんな路面にも対応する新しいタイプのハイパーGTを目指した開発チームが、その目標を達成したことを確認するのが狙いだ。

最終テストを終えたハイドフェルド氏は、「今回のテストでは、バッティスタをフルパワーで運転した。加速時の感覚は刺激的で、ドライバーはこの感覚を何度味わっても、飽きることはないだろう。このロードカーは、F1マシンをも凌ぐスピードを誇る」と語っている。

ピニンファリーナ・バッティスタピニンファリーナ・バッティスタ

◆0~100km/h加速2秒以内で最高速350km/h

バッティスタでは、ドライバーが求めるドライビング体験を可能にするため、「カルマ」、「プーラ」、「エネルジカ」、「フュリオサ」、「カラッテレ」の5種類のドライブモードに異なる運転特性を設定した。このうち、フュリオサモードでは、4個のモーターが合計で最大出力1900hp、最大トルク240.6kgmを引き出す。パワフルなモーターが4輪を駆動し、トルクベクタリング機能も採用した。0~100km/h加速2秒以内、0~300km/h加速12秒以内、最高速350km/hの性能を発揮する。

リマックから供給を受けるリチウムイオンバッテリーは、センタートンネルとシート後方に、T字型にレイアウトされ、蓄電容量は120kWh。1回の充電での航続は、最大500kmの性能を備える。バッテリーは最大出力250kWの急速充電に対応している。

ブレンボ製のブレーキは、カーボンセラミックを使用する。ローター径はフロント、リアともに390mmだ。キャリパーは、フロント、リアともに6ピストンとした。リアには、エアブレーキ機能が備わる。

ピニンファリーナ・バッティスタピニンファリーナ・バッティスタ

◆カーボン製のモノコックとボディパネル

ボディ構造は、フルカーボンファイバー製のモノコックに、カーボンファイバー製ボディパネルを組み合わせる手法で軽量化した。車体の前後はアルミによる構造として、衝突時の衝撃を吸収する。

インテリアデザインは、エレガントさを追求しながら、ドライバーが運転に集中できるインターフェースを取り入れた。ドライバー正面には、小型ディスプレイモニターがレイアウトされ、重要な情報を表示する。

コンパクトなステアリングホイールの両側には、ドライバーに向けた大型ディスプレイモニターを設置したデジタルコックピットを採用する。左側の画面で車両のダイナミクスとパフォーマンスをコントロールし、右側の画面でメディアとナビゲーションを操作する。ピニンファリーナによると、最小限のボタンとスイッチで、ドライバーが車と対話する方法を直感的に作り出した、としている。

《森脇稔》

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