BMW新型EV『i7』、プロトタイプの写真を公開…2022年発表へ

第5世代の「BMW eDrive」テクノロジー

次期7シリーズ向けに開発されたサスペンションやブレーキを採用

氷点下の環境下で耐久性を確認

BMW i7 のプロトタイプ
BMW i7 のプロトタイプ全 12 枚

BMWグループは12月1日、開発中の新型EV、BMW『i7』のプロトタイプの写真を公開した。現在、北極圏のスウェーデン・アリエプローグで冬季テストに取り組んでおり、2022年内にデビューする予定だ。

◆第5世代の「BMW eDrive」テクノロジー

BMWグループが立ち上げたサステイナブルブランドの「i」は、小型EV&プラグインハイブリッド車(PHV)の『i3』、PHVスポーツカーの『i8』とラインナップを拡大してきた。最近では、新世代EVとして、4ドアグランクーペEVの『i4』、電動SUVの『iX3』、『iX』も登場している。

i7は、BMW『7シリーズ』次期型のEV版に位置付けられる大型EVサルーンだ。電動SUVのBMW iXに搭載された第5世代の「BMW eDrive」テクノロジーを採用している。

iXのモーターは、フロントアクスルとリアアクスルに搭載された。「xDrive50」グレードの場合、ツインモーターは最大出力523hp、最大トルク78kgmを引き出す。0~100km/h加速は4.6秒で駆け抜ける。xDrive50のバッテリーの蓄電容量は、105.2kWhと大容量とした。その効果で、1回の充電での航続(WLTPサイクル)は、最大630kmとなる。iXでは新しい充電技術により、高い充電出力でDC(直流)急速充電できる。xDrive50は最大出力200kWで急速充電できる。およそ35分でバッテリー容量の80%を充電することが可能だ。10分の急速充電で、最大で150km走行分のバッテリー容量を充電できる。

BMW i7 のプロトタイプBMW i7 のプロトタイプ

◆次期7シリーズ向けに開発されたサスペンションやブレーキを採用

i7の電費性能に関しては、WLTPサイクルの100km走行あたりの電費(見込み値)が、22.5~19.5kWhと発表されている。iXのxDrive50グレードの電費性能は、100km走行あたり23~19.8kWh (WLTPサイクル)と、i7に近い。両車がEVパワートレインを共有している可能性もある。

i7には、次期BMW 7シリーズ向けに開発されたサスペンション、ステアリング、ブレーキシステム、ドライビングダイナミクス、スタビリティシステムを搭載する。

次期7シリーズでは、スポーティさと乗り心地のバランスを新たなレベルに引き上げるように設計されているという。さまざまなパワートレインに合わせて、ホイール、サスペンション、スプリング、ダンパーなどを最適にチューニング。冬の極端な気候条件のスウェーデン・アリエプローグにおいて、集中的なテストを行っている。

BMW i7 のプロトタイプBMW i7 のプロトタイプ

◆氷点下の環境下で耐久性を確認

テストでは、EVパワートレインやサスペンションシステムを微調整。さらに、電気モーターや充電技術、高電圧バッテリー、熱管理に関して、氷点下の環境で厳しいテストが行われている。

エンジニアは、摩擦係数の低い路面において、EVパワートレインとサスペンションシステムの相互作用を評価する。試乗のために特別に準備された北極圏の氷上コースは、モーター制御技術や縦方向と横方向の車両ダイナミクス、スペンション制御システムを正確に調整するために、理想的な条件を提供するという。

テスト中、BMW eDriveテクノロジーのコンポーネントは、厳しい条件に直面する。高電圧バッテリーと充電技術は、冬季の日常使用を想定して、非常に低い温度下でフィールドテストを受ける。同様に、充電レベル、航続、EVパワートレインの作動状態を示すディスプレイ、モーターや高電圧バッテリーの最適な動作温度を常に維持する熱管理システムも、氷点下の環境下で耐久性が確認される、としている。

《森脇稔》

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