軽量スポーツのラディカル、0-96km/h加速2.4秒…2022年型を欧州発表

「2輪のエンジンを積んだスポーツカー」メーカーとして1997年に設立

サーキット特性に合わせた足回りの調整が簡単に

フォード製2.3リットルターボで最高速290km/h

ラディカル SR3 XX と SR10 の2022年モデル
ラディカル SR3 XX と SR10 の2022年モデル全 11 枚

ラディカルスポーツカーズ(Radical Sportscars)社は12月3日、『SR3 XX』と『SR10』の2022年モデルを欧州で発表した。2022年第1四半期(1~3月)、世界の31ディーラーを通じて、納車を開始する予定だ。

◆「2輪のエンジンを積んだスポーツカー」メーカーとして1997年に設立

ラディカルスポーツカーズ社は1997年、フィル・アボット氏とミック・ハイド氏の2名が設立した小さなスポーツカー製造会社だ。フィル・アボット氏の「2輪のエンジンを積んだスポーツカー」構想に基づき、カワサキ『ZZR1100』のエンジンを積んだラディカル『1100クラブスポーツ』を発表し、スポーツカーメーカーの仲間入りを果たした。

2004年にはスズキ『GSXR1300』(通称:ハヤブサ)のシリンダーヘッドに、独自開発のクランクケースを組み合わせた2.8リットルV型8気筒(最大出力360ps)搭載のラディカル『SR8』を発表した。カーボンとスチールを使用したスペースフレームシャシーに、カーボン製ボディを載せる手法は、レーシングカーそのものだが、安全基準や排出ガス基準に適合。ナンバープレートを取得でき、公道走行できる。このSR8が2005年、ニュルブルクリンク北コースでタイムアタックを行い、6分55秒の市販車最速タイム(当時)をマークしている。

2007年には、SR8の進化形として『SR8LM』を発表。SR8LMはV8エンジンの最大出力を、360psから460psへ引き上げたエボリューションモデル。このSR8LMが、ニュルブルクリンクにおいて、2005年のタイムを7秒短縮する6分48秒の市販車最速タイム(当時)を打ち立てた。

ラディカル SR3 XX の2022年モデルラディカル SR3 XX の2022年モデル

◆サーキット特性に合わせた足回りの調整が簡単に

ラディカルスポーツカーズ社が現在、究極のサーキット専用車としてラインナップしているのが、SR10とSR3 XXだ。両車の2022年モデルでは、オプションでドライバーの頭部を保護する「ハロー」と呼ばれる安全装置を搭載する。

2022年モデルでは、サスペンションのアップグレードにも取り組んだ。ジオメトリのセットアップの変更を素早く行えるように、新開発のキャンバーシムを装着した。これらのアップグレードにより、ユーザーは、車高、スプリングレート、ターンインを簡単に変更でき、運転スタイルやサーキットの特性に合わせて、足回りを調整できるようになったという。

オプションのハローは、ドライバーの頭上に配置され、衝撃からドライバーを保護する。ラディカルスポーツカーズ社は、顧客の安全を確保することを目的として、FIA(国際自動車連盟)の基準に適合した構造を設計した。さらに、ドライバーの視認性を向上させる新しいステアリングコラム、オプションのパワーステアリングのアップグレード、運転席を車両の中央に配置した際の大型シートなどが含まれている。

ラディカル SR10 の2022年モデルラディカル SR10 の2022年モデル

◆フォード製2.3リットルターボで最高速290km/h

2022年モデルでは、従来からのステアリングホイールのデジタルスクリーンに加えて、ダッシュボードにもオプションで第2のデジタルディスプレイが装着できる。ディスプレイには、ドライバーに必要なさまざまなデータを表示する。ドライバーの運転技術向上を支援するオンボードビデオやテレメトリも含まれている。

SR10の2022年モデルには、大容量のブレーキキットを採用し、制動力を強化している。フォードモーター製の2.3リットル直列4気筒ガソリンターボ「EcoBoost」エンジンには、「Radical Performance Engines(RPE)」と呼ばれるECUを装着できる。これにより、0~96km/h加速2.4秒、最高速290km/hのパフォーマンスを可能にしている。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. トヨタの21車種55型式・計64万6376台にリコール…土曜ニュースランキング
  2. トヨタ「クラウン」「アルファード」など21車種、64万台超の大規模リコール[新聞ウォッチ]
  3. トヨタ『C-HR+』のスバル版、『アンチャーテッド』発表にゲームファンも反応? その理由は
  4. スバル初の小型クロスオーバーEV『アンチャーテッド』正式発表、2026年発売へ
  5. スズキ『ジムニー』が40万円以上もアップ リセールバリュー白書2025
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. リチウムイオン電池の寿命を2倍に、矢崎総業、バインダフリー電極材料を開発
  3. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  4. 栃木ホンダ販売、テラチャージの急速充電器設置…EV充電環境を強化
  5. トヨタや京大、全固体フッ化物イオン電池開発…従来比2倍超の容量達成
ランキングをもっと見る