伊藤かずえ感涙、愛車の日産 シーマ がピカピカになって帰ってきた[写真37点]

Y31型日産セドリックシーマ伊藤車レストア完成
Y31型日産セドリックシーマ伊藤車レストア完成全 37 枚

俳優の伊藤かずえさんが新車時から30年以上乗り続け、日産がレストアを行ってきたY31型『セドリックシーマ』がついに完成。東京・銀座のニッサンクロッシングでお披露目となった。

今回のレストア、きっかけは伊藤さんのSNS。点検で入庫したディーラーから、納車から30年を祝して花が贈られたという投稿が大きな反響を呼び、日産にはSNSの閲覧者からレストアを望む声も寄せられたことから、このプロジェクトがスタートした。

その仕上がりは、報道陣からもため息が漏れるほど。すでに生産終了している部品は現物を再生し、どうしても交換が必要なものはサプライヤーの協力を得て再現したという。室内にはまるで新車の香りが漂っていたが、当時と同じものが入手できないシート地は、同等品を改めて製作したのだとか。レストア費用について日産は「新車価格以上」とコメントしている。

4月下旬に日産グループのオーテックジャパンで作業を開始してから約8カ月、これほど長く愛車と離れたことがなかったという伊藤さんは、生まれ変わったシーマと対面し思わず感涙。その後の写真撮影時にも、除幕の際に傾いたボンネットマスコットの向きを自ら直したり、報道陣にエンジンルームを見るよう勧め「びっくりしますよ」と悪戯っぽく微笑んだり、シーマへの愛情とレストアへの満足ぶりがあふれていた。

日産シーマ伊藤車レストア完成披露日産シーマ伊藤車レストア完成披露

お披露目の日程は、この日が伊藤さんの誕生日ということで決定。長くシーマを愛し、その良さを発信し続けたことへの感謝を込めた、日産からの心づくしのプレゼントとなった。「きれいになりすぎてこわいですね、運転するのが…。どうしよう?」とも口にした伊藤さんだが、免許返納まで乗りたいと宣言し、さっそく長距離ドライブへの意欲を見せてもいた。ただしこのシーマ、お披露目翌日から12月22日まで、ニッサンクロッシングで一般公開されるため、伊藤さんと愛車とのドライブはもう少しだけ先になりそうだ。

こうなると、自分の愛車もレストアを、と望むオーナーは少なくないだろう。日産ではニスモにおいてR32~34型『スカイラインGT-R』を対象にレストアを行なっているが、対象車種拡大には部品調達などのハードルも高く、現時点では検討中ながら未定とのこと。「エコカー」への乗り換えが推奨され、あげくエンジン車の終末までが規定されつつあるご時世だが、伊藤さんのように、一台のクルマに変わらぬ愛情を注ぎ続けるオーナーは確実に存在する。せめて、そうしたクルマ好きが些細なトラブルが原因で悲しい別れを迎えることがないよう、パーツ供給体制の強化は図ってほしいものだ。

《関耕一郎》

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