赤字は留萌本線など赤線区で減少、北海道新幹線では増加 JR北海道の2021年度第2四半期線区別収支

2Q単体では1億300万円の赤字となっている赤線区の留萌本線。それでもコロナ前の2019年度や2020年度に比べると赤字額が減少している。2019年1月1日、留萌本線恵比島駅。
2Q単体では1億300万円の赤字となっている赤線区の留萌本線。それでもコロナ前の2019年度や2020年度に比べると赤字額が減少している。2019年1月1日、留萌本線恵比島駅。全 2 枚

JR北海道は12月8日、2021年度第2四半期(2Q)の線区別収支状況(2020年度比)を明らかにした。

4~9月が対象となる2Q連結では、札幌圏における通学利用者や新千歳空港アクセスの利用者が増加し営業収益が回復、営業損失(赤字)がJR北海道全体で24億3200万円減少したが、コロナ禍前の2019年度と比べると14億6700万円多い状況で、依然として新型感染症の影響を受けているとしている。

線区別では、北海道新幹線で赤字が3億4800万円増加した。運輸収入の増加や車両の減価償却費減少といったプラス要素はあったものの、線路の修繕費用増加などが足を引っ張った。

赤線区では、根室本線富良野~新得間で営業収益が100万円減少したものの、富良野~東鹿越間の列車運行区間において線路の修繕が減少したことにより営業費用が5100万円減少し、赤字は5000万円減少。留萌本線(深川~留萌)では営業収益が100万円増加し、営業費用が2800万円減少したため、赤字は2900万円減少した。そのため赤線区全体の赤字は8000万円減少し、2019年度比でも1億2300万円減少した。

黄線区では全体で営業収益が3300万円増加し、赤字が7100万円減少した。これは室蘭本線沼ノ端~岩見沢間や釧網本線(東釧路~網走)間で設備の修繕費用が減少したことが主要因だが、2019年度比では2200万円拡大した状態となっている。

それ以外の線区では宗谷本線旭川~名寄間の営業収益が1億7700万円と変わっていないが、車両の減価償却費増により営業費用が1億1100万円増加し、赤字もその分増加している。

また、北海道新幹線の並行在来線で経営分離対象となっている函館本線函館~長万部間では営業収益が500万円減少する一方で、線路や車両の修繕費用と車両の減価償却費も減少したことにより赤字が2億3800万円減少しているが、2019年度比では3億7700万円拡大した状態となっている。

もうひとつの経営分離対象の並行在来線である長万部~小樽間は営業収益が500万円減少しているが、営業費用も5200万円減少し、赤字は4700万円減少しているが、2019年度比では2億5900万円拡大した状態となっている。

線路の修繕費用が嵩み、2Q連結・単体ともに2020年度より赤字が増加した北海道新幹線。その2Q単体赤字額は在来線赤線区と黄線区のトータルとほぼ等しい。線路の修繕費用が嵩み、2Q連結・単体ともに2020年度より赤字が増加した北海道新幹線。その2Q単体赤字額は在来線赤線区と黄線区のトータルとほぼ等しい。

《佐藤正樹》

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