シトロエン初の量産燃料電池車、航続はEV版より長い400km…生産開始

ベース車両のジャンピーはトヨタ向けにもOEM供給

カーボン製水素タンク3個に最大4.4kgの水素を充填

標準ボディと全長5.3mのロングボディを設定

シトロエン e ジャンピー・ハイドロジェン
シトロエン e ジャンピー・ハイドロジェン全 7 枚

シトロエンは12月13日、ブランド初の量産燃料電池車の『eジャンピー・ハイドロジェン』(Citroen e Jumpy Hydrogen)の生産を開始した、と発表した。最初の1台は、フランスに本拠を置く環境関連企業のスエズ・グループに引き渡される予定だ。

◆ベース車両のジャンピーはトヨタ向けにもOEM供給

eジャンピー・ハイドロジェンのベース車両は、シトロエンの主力商用車のひとつ、『ジャンピー』のEV、『eジャンピー』だ。シトロエンジャンピーは、兄弟車のプジョー『エキスパート』とともに、ステランティスのフランス北部のセベルノール工場で生産されている。

また、シトロエンジャンピーは、2013年の半ばから、トヨタ向けに『プロエース』として、OEM供給されている。プロエースは前後にトヨタのエンブレムが装着されるほか、フロントバンパーやグリル、ヘッドライトのデザインも、シトロエンジャンピーとは異なる。プロエースには、EVバージョンの『プロエース・エレクトリック』も設定されている。

◆カーボン製水素タンク3個に最大4.4kgの水素を充填

ベース車両のeジャンピーには、最大出力136hp、最大トルク26.5kgmを発生するモーターを積む。最高速は、130km/h(リミッター作動)となる。バッテリーはリチウムイオンで、車両の床下にレイアウトされた。これにより、内燃エンジン搭載車と同等の室内空間と積載スペースを確保した。バッテリーの蓄電容量は50kWhと75kWhの2種類。1回の充電での航続は、50kWhバッテリー搭載車が230km、75kWhバッテリー搭載車が330km(いずれもWLTP計測)となる。

eジャンピー・ハイドロジェンにも、ベース車両のeジャンピーと同様のパワートレインを採用する。モーターは最大出力136hp、最大トルク26.5kgmを引き出し、最高速130km/h(リミッター作動)となる。

eジャンピー・ハイドロジェンのバッテリーの蓄電容量は10.5kWhとした。燃料電池システムの出力は45kWだ。700バールのカーボンファイバー製水素タンク3個は、フロントシート下のバッテリーの横にレイアウトされた。最大4.4kgの水素の充填は、およそ3分だ。動力性能は0~100km/h加速が15秒。水素満タン状態での航続は、最大400km(WLTPサイクル)に到達する。

減速時のエネルギーを蓄えるバッテリーは、水素燃料電池システムによって発電した電気で自動的に充電される。また、充電ステーションでケーブルを利用して、バッテリーを充電することもできる。

シトロエン e ジャンピー・ハイドロジェンシトロエン e ジャンピー・ハイドロジェン

◆標準ボディと全長5.3mのロングボディを設定

eジャンピー・ハイドロジェンには、内燃エンジン搭載のジャンピーやEVのeジャンピーと同じく、標準ボディとロングボディの2種類が用意される。

全長は標準ボディが4959mm、ロングボディが5306mm。ホイールベースは、どちらも3275mmとした。荷室の容量は標準ボディが5.3立法m 、ロングボディが6.1立法m。最大積載量は、標準ボディが1100kg、ロングボディが1000kgを確保している。さらに、架装ベース車として、「シャシーキャブ」と「ダブルキャブシャシー」も用意されている。

なお、eジャンピー・ハイドロジェンは、フランス・セベルノール工場で生産されたeジャンピーを、ドイツ・リュッセルスハイムのステランティスの水素技術専用コンピテンスセンターに運び、燃料電池車に改造する、としている。

《森脇稔》

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