【マツダ ロードスター 改良新型】990S は吸いつくようなコーナリングめざした

ロードスター990S
ロードスター990S全 7 枚

マツダは16日、ND『ロードスター』の2021年改良新型モデル、「ロードスター990S」、「ロードスター・ネイビートップ」、「ロードスターRF VS テラコッタセレクション」を発表した。このうち990Sの進化ポイントをとりあげたい。

【画像全7枚】

ロードスター990Sロードスター990S

今回の年次改良はソフトトップモデルのS、リトラクタブルハードトップのRFに加えられた。RFはプラチナクォーツメタリックという特別色にテラコッタナッパレザーシートや高級感あるインパネやドアトリムが追加された。幌をダークブルーとし、内装を黒基調とし都会的に仕上げたのがロードスターネイビートップだ。

ロードスターのうち最軽量モデルとなるロードスター990Sは、リアサスペンションの「アンチリフト」機構をさらに高めるKPC(キネマティック・ポスチャー・コントロール)を採用し、RAYS製アルミホイールによるバネ下荷重の軽量化、ブレンボ製ブレーキ(大径ベンチレーテッドディスク+4ピストンキャリパー)、専用セッティングされたサスペンション(ダンパー・コイル)、パワーステアリング、ECUが装備される。

ロードスター990Sのブレンボブレーキロードスター990Sのブレンボブレーキ

990Sのモデル名は、車両重量が1トン以下であることを示す。軽自動車でも1トン前後が普通になった時代に、普通自動車登録で1トンを切る車重は、まさに真のライトウェイトスポーツといえる。さらに専用ホイール4本合計で3.2kgの軽量化は大きい。バネ下荷重の1kgはバネ上荷重10kgに相当するとも言われている。

KPCはRF VSテラコッタセレクションにも採用される機構だが、990Sでは上記の軽量化や専用サスペンションによってその機能がさらに高められる。軽量なFRであるロードスターには、マツダのGVCは採用されていない。しかし、リアサスペンションの機構によってブレーキングの際にリアの持ち上がりを抑制する「アンチリフト力」を発生させることができる。

KPCは、この効果を最大限に生かすため、コーナーリング時にリア イン側のブレーキを少しだけかける制御を行う。似たようなブレーキ制御はマツダ車や他社も行うものがあるが、多くはコーナリングをしやすくするための制御となっている。KPCは、あくまでロールを低減して旋回姿勢を安定させるための機構だ。

車体を安定させ接地性を向上させる。インリフトが抑制され、安定した姿勢を維持し、地面に吸いつくようなコーナリングを可能にするという。サスペンションは専用チューンされたものだが、ECUの制御技術によって実現されるので新たな部品は必要ない。そのため、KPC採用による重量増加はゼロだ。

今回は商品発表のみだったので試乗していないが、スペックと原理の説明を受けただけでも、余分なロールやインリフトをしない安定したコーナリングがイメージできる。実車で運転するのが楽しみなクルマである。

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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