【ヤマハ トリシティ125 試乗】タンデムユーザーとの相性も抜群です…小鳥遊レイラ

フロント2輪がもたらす安心感

「ブレない」という表現がピッタリ

前にタイヤが2つあることを忘れるくらい「普通のバイク感覚」

ヤマハ トリシティ125と小鳥遊レイラ
ヤマハ トリシティ125と小鳥遊レイラ全 32 枚

今回の私のお相手は、ヤマハの『トリシティ125』。カテゴリー的には原2スクーターでシート高は765mmなのですが、座面がだいぶ広いので同じ125ccスクーターの『アクシスZ』に比べると少し腰高感があったり、車重も約1.5倍の159kgもあったりとちょっと重めの異色ボディになっています。

と言うのも、トリシティは普通の2輪スクーターと違って兄弟車の155と共に最近街中でよく見かけるようになったフロント2輪のスクーターだからなんです。ヤマハが「LMW=Leaning Multi Wheel」と名付けるこの3輪モビリティシリーズでは、以前に大排気量スポーツモデルの『ナイケン』にも乗ったことがあるんですが、そのときはフロント2輪がもたらす言葉で言い表せない安心感に感動した覚えがあります。

ヤマハ トリシティ125ヤマハ トリシティ125

「ブレない」という表現がピッタリ

トリシティのシート高は、普通の原2スクーターより腰高ではあるものの、ちょっと前の方に座れば両足はきちんと地面に接地するので問題なし。ただ、取り回しは車重があるのとフロントまわりの仕組みのせいか、若干重く感じます。押し歩きで旋回させると、ある一定の傾きを越えると一気に重さがのしかかってくる感じがあります。慣れるまではバランスの取り方にちょっと注意が必要です。

でも心配するのはそこまで。走り出すとすぐにLMWがもたらす抜群の安心感に驚かされるはず。真っすぐ走っているだけでも通常の2輪バイクより安定しているというのが、どんな人でも感じられると思うのですよ。ナイケンで感じた安定感はトリシティでも実にそのままなんです。

ヤマハ トリシティ125ヤマハ トリシティ125

その「なんともいえない安定感」はどこから来るのだろうと、走りながら私なりにもう一度考えてみました。ふらつきが無いというのも理由のひとつなんですけど、よく考えれば2輪バイクに乗っていても普段ふらつきを感じることはそう多くありません。

もっといい表現はないだろうか…。私、みごとに発見しました。「ブレない」という表現がピッタリだと思うんです。自分の走りたいと思ったラインをブレずにしっかりトレースしてくれるのが、この安定感や安心感を生み出している秘訣なのでしょう。幹線道路を比較的高いペースで走っていても直進安定性は損なわれずパワー感も申し分ありません。

前にタイヤが2つあることを忘れるくらい「普通のバイク感覚」

ヤマハ トリシティ125ヤマハ トリシティ125

そうは言っても、まだヤマハのLMWに乗ったことがない人だと普通の2輪バイクのような軽快感とかバンク感とかが無いのではないかと一度は疑問に感じると思うんですよね。でもそちらに関しても心配なしです。ホントに普通の2輪とまったく同じ感覚で乗ることができるんですよ。

なんなら走行中は上から覗いてもフロントタイヤは見えないので、前にタイヤが2つあることを忘れてしまいそうなくらい。この「普通のバイク感覚」で操縦できるのに直進時からバンク時まで高い安定感を見せてくれるところが、街中でトリシティが増えている理由なのでしょう。

また、トリシティ125は、タンデムも得意なモデルとなっていました。シートが125とは思えないくらい広く、グラブバーもしっかりしていて後ろの人は安心して座ることができます。この座りやすさにLMWがもたらす安定感がプラスされるのですから、荷物を載せたりタンデムユーザーとの相性も抜群ではないでしょうか。

ヤマハ トリシティ125ヤマハ トリシティ125

■5つ星評価

パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
コンフォート:★★★★★
足着き:★★★★
オススメ度:★★★★★

小鳥遊レイラ|愛称:ことりちゃんレースクイーンに憧れてモータースポーツ業界へ。しかしMOTOR STATION TVでの出演をきっかけに走る方に目覚めてしまい、いきなり大型二輪免許を取得。現在では2輪4輪共にサーキットを走り、2019年に4輪のレース参戦のためJAF国内A級ライセンスを取得。2021年にMFJロードレース国内ライセンスを取得して、2輪・4輪両方でレース参戦。ストリート走行からサーキット走行まで楽しむモータースポーツ女子。身長は160cm。

《小鳥遊レイラ》

小鳥遊レイラ

小鳥遊レイラ|愛称:ことりちゃん レースクイーンに憧れてモータースポーツ業界へ。しかしMOTOR STATION TVでの出演をきっかけに走る方に目覚めてしまい、いきなり大型二輪免許を取得。現在では2輪4輪共にサーキットを走り、一昨年に4輪のレース参戦のためJAF国内A級ライセンスを取得。先日、MFJロードレース国内ライセンスを取得して、今年は2輪でもレースに参戦予定。イベントMCから2&4輪の耐久レース参戦まで楽しむモータースポーツ女子。身長は160cm。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. トヨタ『ハリアー』6年ぶりのフルモデルチェンジへ…注目ニュースベスト5 2025年上期
  2. マッスルカー『チャージャー』、内燃エンジン仕様が登場…直6ツインターボで550馬力
  3. エアレスタイヤ搭載でペダルもなし、免許不要の特定小型原付「Future smart」発売
  4. 日産の高級部門インフィニティ、3台の新型コンセプトカーを世界初公開へ…モントレーカーウィーク2025
  5. BMW『3シリーズ』が50周年! 日本だけの限定車発表に、SNSでは悲喜こもごも?
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る