白いVSEが定期ラストラン…小田急ロマンスカー初の車体傾斜 2022年3月11日

定期最終日には50001、50002の2編成が走る50000形「VSE」。小田急ロマンスカーの営業列車で初めて使われた車体傾斜式車両で2度まで傾く。小田急では1960年代から車体傾斜の研究を行なっており、このVSEでは7000形LSE車で試験された空気バネによる車体傾斜の技術が活かされたという。連接式の車体傾斜は小田急が唯一だ。
定期最終日には50001、50002の2編成が走る50000形「VSE」。小田急ロマンスカーの営業列車で初めて使われた車体傾斜式車両で2度まで傾く。小田急では1960年代から車体傾斜の研究を行なっており、このVSEでは7000形LSE車で試験された空気バネによる車体傾斜の技術が活かされたという。連接式の車体傾斜は小田急が唯一だ。全 18 枚

小田急電鉄は12月17日、特急ロマンスカー用50000形VSE車の定期運行を2022年3月11日限りで終了すると発表した。

同車は2005年3月、10000形「HiSE」車の後継車としてデビューした。小田急の特急ロマンスカーとしては営業列車で初めて空気バネを利用する車体傾斜方式が採用された記念すべき車両で、HiSE車を踏襲した前面展望式となったが、エクステリアはドーム状の曲線的な車体でシルキーホワイトをベースとした塗色となるなど、従来のロマンスカーのイメージを覆すエポックメイキング的な車両となった。2005年度にはグッドデザイン賞を受賞、2006年には鉄道友の会からブルーリボン賞を受賞し、2017年に70000形GSE車が登場するまで、小田急ロマンスカーのフラグシップトレインとして君臨した。

デビューから3年を経た頃のVSE。ブルーリボン賞受賞のマークが誇らしげだ。2008年5月30日、箱根登山鉄道箱根湯本駅。デビューから3年を経た頃のVSE。ブルーリボン賞受賞のマークが誇らしげだ。2008年5月30日、箱根登山鉄道箱根湯本駅。
VSEの展望部分。天井がドーム状になっている点がこれまでのロマンスカーと大きく異なっていた。2008年5月30日。VSEの展望部分。天井がドーム状になっている点がこれまでのロマンスカーと大きく異なっていた。2008年5月30日。

小田急ではVSE車の退役について「車両の経年劣化や主要機器の更新が困難になる見込みであるため」としており、定期ラストランでは50001編成と50002編成の2編成が充当される。

ラストランに伴ない、2022年1月29日~3月11日にはこの2編成に記念装飾が施されるほか、定期運行終了記念乗車券が同期間に1万セット限定で発売される。発売額は2000円で1人2セットまで購入できる。購入には小田急のウェブサイトで予約が必要。

ラストラン記念乗車券のイメージ。2022年1月中旬からウェブサイトでの予約が始まる。ラストラン記念乗車券のイメージ。2022年1月中旬からウェブサイトでの予約が始まる。

《佐藤正樹》

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