【アウディ RS6アバント & R8 新型試乗】乗る者を虜にするアウディの真骨頂…野口優

RS6アバントはホームストレートで280km/hをマーク

とてもステーションワゴンとは思えない姿勢

高い快適性をもつリアルスポーツカーを望むならR8

アウディ 「RS 6アバント」と「R8」
アウディ 「RS 6アバント」と「R8」全 36 枚

アウディ スポーツを語る上で欠かせないのが、史上最強のステーションワゴンとして名高い『RS6アバント』と、数々のレースでも活躍しているミッドシップスポーツの『R8』。

【画像全36枚】

この2台は対極に位置するとはいえ、両車ともにアウディの真骨頂とも言うべき、高い運動性能と驚愕のパフォーマンスを見せつけ、乗る者を虜にする魔力なようなものが備わっている。今回、この究極の2台を富士スピードウェイでテストしたことで、その本質を確認できた気がする。

RS6アバントはホームストレートで280km/hをマーク

アウディ  RS6アバントアウディ RS6アバント

もっとも驚いたのは、RS6アバントだ。4代目となる今作に積まれるパワートレインは、4リッターV8ツインターボエンジンで、最高出力&最大トルクは実に600ps&800Nmを発揮。しかも新世代らしくマイルドハイブリッドシステムを組み合わせ、高効率化も図られている。最高速度は自主規制により250km/hに抑えられているものの、オプションで305km/h仕様も用意されているというから凄い。

今回、富士スピードウェイでテストした際、ホームストレートでは280km/hをマークした。その安定性は凄まじく、直進安定性はバツグン、ほぼ微動だにせず突き進んでいった。最新の電動パワーステアリングの完成度も高いが、それに加えてサスペンションの設定が見事というほかない。テスト車の仕様は詳しく明かされなかったが、おそらくこれは305km/hを可能にするオプションのダイナミックパッケージプラスが装着されているようで、従来型から20mm車高が低いうえ、120km/hを超えるとさらに10mm低下するため、重心の低さも実感、さらに快適性も失われていないという驚くべき仕上がりだった。

とてもステーションワゴンとは思えない姿勢

アウディ  RS6アバントアウディ RS6アバント

しかも次の1コーナーに侵入するためにフルブレーキを試みると強烈な減速Gに襲われ、その後、旋回に入れば見事なまでのニュートラルステアを見せた。とてもステーションワゴンとは思えない姿勢だ。さらにコーナー途中から脱出する際には優れたトラクション性が得られ、旋回時における一連の流れは、もはや驚異的。クワトロシステムもこうした激しいコーナーではリア寄りに可変させているのも明白で実にコントロールしやすかった。

エンジンのピックアップレスポンスも好印象、8速ティプトロニックの変速スピードも素早い! 例えステーションワゴンであってもサーキット走行は可能、必ず満足させます!と言わんばかりのレベルに到達している事実を知ると、アウディ スポーツの技術力の深さを思い知らされるし、このRS6アバントだけはどこよりもパーフェクトに仕上げたいというアウディ スポーツの意地のようなものまで感じられる。

高い快適性をもつリアルスポーツカーを望むならR8

アウディ R8アウディ R8

それと比べるわけではないが、R8はミッドシップスポーツのわりには、やや大人しく感じられたというのが正直なところ。というよりも事実上の姉妹車であるランボルギーニ『ウラカン』の最終版である『ウラカンEVO』の進化が著しすぎて、こうしたサーキットでは明確な差が出やすかったのかもしれない。

最高出力620ps、最大トルクは580Nmを誇るV10自然吸気エンジンのフィーリングは良いし、シャシー性能も文句はないが、以前ウラカンEVOを同じ富士スピードウェイで走らせた際、セッテイングの妙技とでも言おうか、秀逸な進化を果たしていたことに驚いたから、その差を感じてならなかった。特にハンドリングと足まわりを含めたシャシー性能の差は明確に違い、そこそこのペースで追い込んでいくとR8はちょっと頼りない印象で、もう少し追い込めるはずなのに!と思ってしまうことが多かった。これがウラカンEVOの場合は、まだ行ける!というようなポテンシャルの高さを常に感じられる。

とはいえ、悪いわけではない。R8は、どちらかといえばサーキットよりも公道のほうが好印象で、高い快適性をもつリアルスポーツカーを望むなら間違いなくR8のほう。見た目もスタイリッシュ、唯一スーツで乗れるミッドシップスポーツだと筆者は思っている。もちろん、サーキットでも優れた走行性を見せるし、基本的には高いパフォーマンスを示すのだが、そのキャラクターゆえ、常に洗練された印象で、不思議と刺激が足りなく感じてしまう。だからサーキットではウラカンEVOのほうに惹かれてしまうのかもしれない。比べてしまうのは職業病みたいなものだから仕方ないが、これが本音だ。

アウディ R8アウディ R8

■5つ星評価

・アウディRS6アバント
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★

・アウディR8
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

野口 優|モータージャーナリスト
1967年 東京都生まれ。1993年に某輸入車専門誌の編集者としてキャリアをスタート。後に三栄書房に転職、GENROQ編集部に勤務し、2008年から同誌の編集長に就任。2018年にはGENROQ Webを立ち上げた。その後、2020年に独立。25年以上にも渡る経験を活かしてモータージャーナリスト及びプロデューサーとして活動中。

《野口優》

野口優

1967年 東京都生まれ。1993年に某輸入車専門誌の編集者としてキャリアをスタート。後に三栄書房に転職、GENROQ編集部に勤務し、2008年から同誌の編集長に就任。2018年にはGENROQ Webを立ち上げた。その後、2020年に独立。25年以上にも渡る経験を活かしてモータージャーナリスト及びプロデューサーとして活動中。

+ 続きを読む

ピックアップ

レスポンス公式TikTok

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. トヨタ『アルファード』が2027年に大幅改良、新型エルグランドとのガチンコ対決の行方は
  2. トヨタ『シエンタ』の前席が回転、「スイベルシート」販売再開…ドア閉めたまま回転可能に改良
  3. BMW『3シリーズ』新型発表、EVと共通の「ノイエ・クラッセ」デザインに
  4. 見た目はアウディ、中身はポルシェ!? 次期型『マカン』、エンジン車は2028年登場か
  5. 「こういうの求めてた」「くそカッコいいな」わずか30台、646馬力の特別なメルセデスAMG『CLE 646』にファン興奮!
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 【全文PDFプレカン】日産自動車 長期ビジョン発表会
  2. セレンスAIの緊急車両検知技術、東大発「AS Mobi」の自動運転バスに導入…2027年商用化めざす
  3. 中国ヒューマノイドに自動車アフターマーケットの課題解決のヒントがあった…2026世界ロボット大会
  4. インド国産化の進め方、事業の核の築き方【インド・新自動車大国の素顔】
  5. 【セミナー見逃し配信】※プレミアム・法人会員限定 欧州自動車産業の次の一手、欧州の現場で何が起きているのか~EV減速局面・SDV/AIへの移行・中国勢の浸透~
ランキングをもっと見る