使い方や大まかなタイプがわかる…外部パワーアンプ[カーオーディオ用語解説2021]

「外部パワーアンプ」が搭載されたオーディオカーの一例(製作ショップ・サウンドフリークス<岩手県>)。
「外部パワーアンプ」が搭載されたオーディオカーの一例(製作ショップ・サウンドフリークス<岩手県>)。全 10 枚

カーオーディオでは、難解な専門用語が使われる頻度が高い。ゆえにビギナーを困惑させがちだ。当連載ではその打開を目指して用語解説を展開している。今回は、「外部パワーアンプ」のスペック表に記されているワードに焦点を当てる。

【画像全10枚】

「周波数特性」からは、その「外部パワーアンプ」の能力が分かる?

これまでにもいくつか「外部パワーアンプ」のスペックに関連したワードも解説してきたが、スペック用語は他にもいくつかあるので、今回はそれらについて説明していく。

なおスペック表を見ると、各モデルがどのような使い方ができるのかが分かったり、大まかなタイプを知ることができたりする。しかし、実質的な性能の良し悪しや各機の音的な特徴までは読み取れない。自分好みのモデルを見つけるためには、結局のところ音を聴いてみないと分からない。まず、このことは頭に入れておいていただきたい。スペックは参考程度に見るにとどめるべきものなのだ。

その前提において解説していく。まずは「周波数特性」から。ちなみにこれを英語で表記すると、「Frequency Response」となり、これにて「どれだけ広い帯域にわたってフラットな特性をキープできるか」が示されている。単位は「Hz(ヘルツ)」だ。

ちなみに、スピーカーのカタログにも「周波数特性」というスペックが掲載されていて、グラフが添えられていることもある。で、そのグラフには細かな起伏がいくつもあるのだが、「外部パワーアンプ」の「周波数特性」はグラフにした場合、基本的に凹凸はできない。「外部パワーアンプ」においての「周波数特性」では、あくまでも“フラット”な状態がキープされる。

そして「外部パワーアンプ」の「周波数特性」は、レンジが広い場合が多い。人間の可聴範囲(20Hzから20kHz)を優に超えている場合がほとんどだ。つまりどの「外部パワーアンプ」も実用上の性能を確保しているというわけで、多少その範囲が狭くなっていてもそれほど気にする必要はないだろう。なので、当スペックは特に参考程度に見ておけばOKだ。

オーディオシステムで音楽を再生する際には、少ないながらも“ノイズ”が混ざる!?

続いては「S/N比」について説明しよう。これの英語表記は「Signal to Noise Ratio」だ。意味は「信号対雑音」で、単位は「dB(ディービー)」が使われる。「パワーアンプ」で信号を増幅する場合、どうしても音楽信号に歪み成分が少ないながらも乗ってしまう。その比率を表すのがこのスペックだ。分母がノイズで分子が信号なので、数値が大きいほどノイズの割合が少ないということになる。

ならば数値が大きいほど高性能かというと、一概にそうとも言い切れない。測定方法が各社ごとで微妙に異なる部分もあるからだ。基本的に高級機の方が当数値が大きくなっている傾向は確かにあるが、これにてすべてを決めつけるのは早計だ。当スペックも参考程度に見るにとどめたい。

ちなみに、機器の試聴記事やマニア間の会話の中でも「S/N」という言葉は度々使われる。例えばシステムの音を評して、「S/Nが高い」とか「S/Nが良い」という風に使われる。これはつまり、聴感上でノイズ感が少ないということを評する表現だ。高性能なシステムで音楽を再生すると、サウンドステージの見通しが良かったり、各楽器の分離感が高かったり、無音状態の瞬間の静寂感が優れていたりする。そのような印象を感じられるときにも「S/N」という言葉が使われる。

続いては、「負荷インピーダンス」について説明していく。これは、「どのようなスピーカーを接続できるか」を示すスペックの1つだ。なお「インピーダンス」とはざっくり「抵抗値」という意味だ。スピーカーは電気回路の中で電力を消費するわけで、つまりは電気を通りにくくする「抵抗」となる。

「インピーダンス」の低いスピーカーを鳴らす場合は特に、「負荷インピーダンス」を要チェック!

ちなみにカー用のスピーカーは基本的に、「抵抗値」は4Ω(オーム)である場合が多い。しかしながら「2Ω」のスピーカーも一部あり、「サブウーファー」の中には「1Ω」のモデルもある。

で、「抵抗値」が小さいスピーカーは電流がたくさん流れることとなるのでよりパワフルに鳴らせるのだが、「パワーアンプ」にはより大きな負荷がかかる。なので、低「インピーダンス」のスピーカーはそれを鳴らすことも考慮されて設計されたモデルでないと鳴らせない。

というわけで特に低「インピーダンス」のスピーカーを使う場合には、「負荷インピーダンス」はしっかりチェックしておきたい。

ところで、その「外部パワーアンプ」が何Ωのスピーカーを鳴らせるのかは、その他の項目を見ても確認できる。その他の項目とは「定格出力」だ。「定格出力」とは以前の記事の中で解説したとおり、「設定した歪み率の範囲内で連続的に取り出せるパワー」なのだが、例えば「125W×2ch(4Ω)/150W×2ch(2Ω)/300W×1ch(4Ω)」と記載されていたとしよう。この数列の中でカッコ書きされているのがスピーカーの「インピーダンス」で、この場合はつまり「4Ω」のスピーカーも「2Ω」のスピーカーも鳴らせるということも読み取れる。逆に(2Ω)という表記がなければ、「4Ω」のスピーカーしか鳴らせないということになる。

なおここに例として示した数列からは、もう1つ読み取れることがある。それは、「ブリッジ接続」が可能であるということだ。この「パワーアンプ」は「2chモデル」なのだが、最後の数式だけは「ch数」の表示が「1ch」となっている。これは、「2chアンプを1chアンプとして使った場合」の「定格出力」だ。「ブリッジ接続」とは、パワーアンプの2ch分を使って1chアンプとして1つのスピーカーユニットを鳴らす接続方式だ。ゆえに当機は、「ブリッジ接続」も可能だとわかるのだ。

今回は以上だ。次回も「パワーアンプ」に関する用語の解説を続行する。お楽しみに。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

スペックの意味を知れば、アンプ選びがもっと楽しくなる! カーオーディオ『用語解説・2021』 Section 7・外部パワーアンプ編 第3回

《太田祥三》

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