フォード初のEVピックアップトラック、生産倍増へ…予約15万台超え

今後2年以内にグローバルで年間60万台のEV生産能力を確保

1回の充電での航続は最大483km

15.5インチの大型タッチスクリーン

フォード F-150 ライトニング のプリプロダクションモデル
フォード F-150 ライトニング のプリプロダクションモデル全 17 枚

フォードモーターは1月4日、フォードF-150ライトニング』(Ford F-150 Lightning)の年間生産能力を、当初計画のほぼ2倍となる15万台に引き上げると発表した。

◆今後2年以内にグローバルで年間60万台のEV生産能力を確保

フォードF-150ライトニングは、フォードモーター初の市販EVピックアップトラックだ。2022年春、米国市場で発売される予定で、すでに15万台以上の予約を獲得している。フォードモーターは顧客の需要を満たすために、ミシガン州ディアボーンのルージュEVセンターにおけるF-150ライトニングの年間生産能力を、当初計画のほぼ2倍となる15万台に引き上げる。

フォードモーターは、電動化を加速している。すでに、フォード『マスタング』シリーズの新型EV、フォード『マスタング・マッハE』を米国で発表している。このマスタング・マッハEに続いて、2022年から量産を開始するのが、フォード『F-150』のEV 、F-150ライトニングだ。フォードF-150は、大型ピックアップトラックで、米国のベストセラー車のフォード『Fシリーズ』の主力モデル。フォードモーターは、米国最量販車にEVを設定することにより、電動化を加速していく。

フォードモーターは2023年までに、マスタング・マッハEを含めたEVの生産台数が、年間20万台以上に到達すると予測している。フォードモーターは今後2年以内に、グローバルで年間60万台のEV生産能力を確保することになるという。

フォード F-150 ライトニングフォード F-150 ライトニング

◆1回の充電での航続は最大483km

F-150ライトニングには、フォードモーターの最新の電動化テクノロジーが搭載されている。前後アクスルに搭載されるモーターは標準モデルが最大出力426hp、上位モデルが最大出力563hp。最大トルクは、どちらも107.2kgmを引き出す。強力なツインモーターは4輪を駆動し、上位モデルの場合、0~96km/h加速4秒台半ばの性能を発揮する。最大積載能力は標準モデルで約900kg。牽引能力は上位モデルで4.5トン以上を目標に掲げている。フォードモーターによると、重心が低いため、悪天候や路面状況の悪い場所でも、自信を持って運転できるという。

バッテリーは新世代の水冷式リチウムイオンだ。バッテリーの蓄電容量には2種類があり、1回の充電での航続は標準モデルが約370km、上位モデルが約483km(いずれもEPA認定予定値)となる。

充電に関しては、自宅向けに80アンペアの充電システムを標準装備した。デュアルオンボード充電システムを利用すれば、さらに高速な自宅での充電を可能にする。フル充電にかかる時間は約8時間。外出先では、北米最大の公共充電ネットワークに「FordPass」を通じてアクセスできる。全米の6万3000か所以上の充電ステーションでは、最大出力150kWでDC急速充電が行える。10分で最大約87kmの航続に必要なバッテリー容量を充電可能。約40分でバッテリーの80%を充電できる。

フォード F-150 ライトニングフォード F-150 ライトニング

◆15.5インチの大型タッチスクリーン

F-150ライトニングでは、内燃エンジン搭載のF-150とは異なるEV専用のエクステリアを採用する。フロントマスクを横切るLEDライトバーが選択できる。空力性能も追求されており、新設計のランニングボード、空気抵抗を減らすためのフロントフード、専用デザインの空気取り入れ口を設けたグリルなどがある。

エンジンを持たないフロントフードの中には、多用途の「ハイテクメガパワートランク」が設けられた。この収納スペースは安全にロック可能で、電動開閉システムでアクセスできる。収納スペースは、400リットルの容量を備えており、約180kgまでの荷物の積載が可能。フォードモーターは、機内持ち込み手荷物2個とスーツケース1個、またはゴルフクラブ2セットを収納するのに充分という

F-150ライトニングには、最新のコネクティビティとして、「SYNC 4A」が初採用される。これは、15.5インチの大型タッチスクリーンを核としたシステムだ。SYNC 4Aは、自然な音声コントロール、クラウドに接続されたナビゲーション、Apple 「CarPlay」、グーグルの「Android Auto」へのワイヤレスアクセス、アマゾン(Amazon)の「アレクサ(Alexa)」や「SYNC AppLink」アプリの車載化を実現している。

ドライバー正面には、12インチのデジタルインストルメントクラスターを採用した。重要な情報を表示するとともに、カスタマイズ可能なインターフェイスを備えている。アニメーショングラフィックスには、回生ブレーキによるバッテリーへの蓄電状況など、各種情報を分かりやすく表示する。また、一部のグレードでは、「Phone As AKey」が選択できる。スマートフォンをポケットから取り出すことなく、車両のロックやロック解除が行え、EVパワートレインを起動することもできる、としている。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「ミニGSX-R」をスズキがサプライズ発表!? 鈴鹿8耐マシン以上に「サステナブルかもしれない」理由とは
  2. 世界初の「破壊不可能ホイール」って何だ!? テスラ向けパーツ手掛ける米メーカーが開発
  3. 新型『ムーヴ』『ステラ』のコーナリング性能を向上、ブリッツの車高調「DAMPER ZZ-R」シリーズ
  4. 日本初のクルマ専用「除湿剤」が登場、最長180日間快適に
  5. 車検NGの落とし穴!? シート交換で絶対に知っておくべき新ルール~カスタムHOW TO~
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
ランキングをもっと見る