テスラ モデルS 、1100馬力「プラッド」にサーキットモード採用…北米仕様

ポルシェタイカンを超えてニュル最速の量産EVに

EVパワートレインの冷却性能を向上

横方向のトルクベクタリングを可能に

タイヤの滑りを許容しトルクベクタリングを自動的に調整

アダプティブサスペンションのダンピングがサーキット向けに

テスラ・モデルS改良新型の「プラッド」
テスラ・モデルS改良新型の「プラッド」全 5 枚

テスラは1月6日、北米向けの改良新型『モデルS』の高性能グレードの「プラッド」に、「トラックモード」を採用すると発表した。

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◆ポルシェタイカンを超えてニュル最速の量産EVに

改良新型モデルSの最強グレードがプラッドだ。3個のモーターを搭載しており、合計で1100hpのパワーを引き出す。この強大なパワーが4輪に伝達されるAWDとなる。プラッドの0~96km/h加速は、1.99秒と2秒を切る。1回の充電での航続は、およそ627kmを確保している。

このプラッドが2021年9月、ドイツ・ニュルブルクリンク北コースを7分30秒909のタイムで周回し、世界最速の量産EVになった。このタイムは、ポルシェ『タイカンターボ』が2019年に計測した7分42秒3を、約12秒短縮する新記録となる。

テスラのイーロン・マスクCEOによると、車両は工場から直接出荷された状態で、変更は加えられていないという。

テスラ・モデルS改良新型の「プラッド」テスラ・モデルS改良新型の「プラッド」

◆EVパワートレインの冷却性能を向上

プラッドのトラックモードは、ドイツ・ニュルブルクリンク北コースにおける世界最速の量産EVとなった際のノウハウを応用して開発された。また、『モデル3』の「パフォーマンス」グレードに、2018年に設定されたトラックモードを進化させており、スタビリティコントロール、ハンドリングバランス、回生ブレーキを個別に調整できるようにして、サーキットでの車両コントロールの自由度を、ドライバーに与えているという。

プラッドのトラックモードは、3モーターと1100hpのパワーを最大限に活用するために開発された。新機能のひとつが、EVパワートレインの冷却性能の向上だ。サーキット走行では、バッテリー、モーター、ブレーキが多くの熱を発生する。これらのコンポーネントを可能な限り冷却し、熱を管理することにより、サーキットでの耐久性を高めている。

トラックモードが作動すると、バッテリーパックとモーターの冷却性能が強化される。サーキット走行を開始して熱が発生すると、バッテリーとモーターのクーラーループによって、システム全体がより長時間冷却される。

テスラ・モデルS改良新型の「プラッド」テスラ・モデルS改良新型の「プラッド」

◆横方向のトルクベクタリングを可能に

また、回生ブレーキは制動力が引き上げられる。これにより、減速中により多くのエネルギーを回生するとともに、ブレーキローターとパッドの負荷を減らす。ドライバーはアクセルペダルだけのワンペダルで、車両をコントロールできるシーンが増える。

トラックモードでは、後輪左右のモーターが、横方向のトルクベクタリングを可能にする。トラックモードが作動していると、後輪の左右に分割されたトルクを自動的に調整する。これにより、ターンインのレスポンスやステアリングフィールが向上し、コーナリング中、さらに優れたヨーコントロールを可能にするという。

また、電気モーターはミリ秒単位で最適に調整される。これにより、より速いターンインやコーナリングスピードの向上、コーナー出口での鋭い加速が可能になる、と自負する。

テスラ・モデルS改良新型の「プラッド」テスラ・モデルS改良新型の「プラッド」

◆タイヤの滑りを許容しトルクベクタリングを自動的に調整

通常の道路を走行している場合、テスラのスタビリティコントロールシステムは、タイヤの滑りを制限し、グリップを最大化してドライバーの安全を維持するように設定されている。しかし、トラックモードでは、スタビリティコントロールの設定が変更され、ドライバーが車の横方向の動きを最大限に制御できるようにする。

トラックモードが作動すると、VDC(ビークル・ダイナミクス・コントローラー)が、ステアリング角度、アクセル、ブレーキペダルの入力を評価。タイヤの滑りを許容し、トルクベクタリングを自動的に調整して、ドライバーにさらなる自由度を与える。とくに、高速コーナリング時の俊敏性が向上しているという。

車両ダイナミクスをさらにカスタマイズしたいドライバーのために、ハンドリングバランス、スタビリティアシスト、回生ブレーキは、スキルレベルと好みに応じて、個別に変更することができる。

テスラ・モデルS改良新型の「プラッド」のトラックモードテスラ・モデルS改良新型の「プラッド」のトラックモード

◆アダプティブサスペンションのダンピングがサーキット向けに

トラックモードが有効になっている場合、アダプティブサスペンションのダンピングは、サーキット向けのハンドリング特性に最適化される。ハードなブレーキングと高速加速中のピッチの減少、レスポンスを向上させるためのリバランスダンピングなどにより、信頼性を向上させた。ダイナミックな走行を支援するために、車高がローに設定され、そこからサスペンションが自動的に上昇することはなくなったという。

サーキットに焦点を合わせたユーザーインターフェイスを追加した。車両の熱モニター、ラップタイマー、Gメーター、ダッシュカムビデオ、テレメトリなどの重要なパフォーマンスデータを、他のカスタマイズ可能なオプションとともに用意している。例えば、カーボンセラミックブレーキキットなどが、サーキット向けオプションとして、選択することができる。

また、他のテスラ車と同様、今後の無線アップデートによって、時間の経過とともにトラックモードを改善し続ける、としている。

《森脇稔》

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