トヨタ車純正ディスプレイオーディオを市販ナビに交換[カーオーディオ“なぜ?”]新連載

トヨタ・ハリアー
トヨタ・ハリアー全 11 枚

カーオーディオに興味を抱きつつも、素朴な疑問が頭をもたげてシステム構築をためらった…、そんな経験を持つドライバー諸氏に、疑問解消のヒントを示す連載をお贈りしている。今回は前回の続編をお届けする。

「トヨタ車純正ディスプレイオーディオ」なら、スマホナビアプリを便利に使えるが…。

まずは、「トヨタ車純正ディスプレイオーディオ」にスポットを当てている「トヨタ車純正ディスプレイオーディオ」にはメリットがいくつかある。まずは、車内でスマホアプリを便利に使えることが利点だ。Apple CarPlayとandroidautoに対応しているからだ。結果、スマホアプリの表示を車載機のモニターに映し出せてかつ車載モニター上でタッチ操作が行える。

そして、導入コストを抑えられることも利点だ。スマホアプリが便利に使えるので、結果、車載機の機能をまびけるからだ。CD/DVDプレーヤーはなくても良いし、ナビもスマホナビアプリを使うのであれば省ける。しかし、この使い心地に不満を抱いているオーナーもいる。というわけで前回は、これに不満が持たれる理由を説明した。

その内容を簡単におさらいしておこう。不満が持たれるポイントは2つある。1つは「スマホナビアプリの使い心地」で、そしてもう1つは「映像系ソースが楽しみにくいこと」だ。で今回は、前者の不満への対処法を説明していく。

さて、「ナビはスマホアプリで良い」と考えているのであれば「トヨタ車純正ディスプレイオーディオ」は便利なのだが、市販のAV一体型ナビを使い慣れているドライバーにとっては物足りない。車載専用機は得てして自車位置精度が高く、ルート探索も賢く、案内も地図も分かりやすい。機能と性能が熟成されている。

なので「トヨタ車純正ディスプレイオーディオ」を設定している車種では、ナビユニットがオプション設定されている場合が多い。車載専用ナビが良いというニーズにも応えられるようにしてあるわけだ。

だが、好きな市販ナビを選びたい、そう思ったときにはどうすれば良いのだろうか。また、市販AV一体型ナビの中には音が良いモデルが多く、システムの拡張性が高いモデルもある。カーオーディオシステムを発展させることにも興味がある場合には、市販AV一体型ナビを使いたくなる。

「オーディオレス」の設定があるのなら、最初にそれを選ぶベシ!

車種ごとで状況が異なるので、ケースごとで説明していこう。まずは「オーディオレス」の設定がある車種について。その場合には、市販のAV一体型ナビへの交換は可能だ。しかし、一旦「トヨタ車純正ディスプレイオーディオ」を選んだ後から交換するのはあまり現実的ではない。なので、市販AV一体型ナビが欲しくなりそうだと思ったら(スマホナビアプリに満足できそうもないと思ったら)、最初から「トヨタ車純正ディスプレイオーディオ」は選ばず「オーディオレス」を選択しよう。「クルマを購入する時点でよく考える」、これがもっとも重要だ。

さて、問題なのは「オーディオレス」の設定がなく、「トヨタ車純正ディスプレイオーディオ」しか選べない車種の場合だ。この場合にも2パターンが考えられる。「2DINスペースが確保できるか否か」、ここが運命の分かれ道となる。2DINスペースが確保できる車種(例・アルファード/ヴェルファイア)であれば、市販AV一体型ナビへの換装は可能だ。

ちなみに、2DINスペースが確保できなくてもカーオーディオ・プロショップに仕事を頼めば、市販ナビをビルトインできないことはない。しかし大改造を伴うこととなる。結果、ナビを付けるというレベルとは程遠い、多くの予算を要してしまう。なので2DINスペースが確保できない車種では、市販AV一体型ナビへの換装は諦めるべきだろう。

対して、2DINスペースが確保できる車種であれば、比較的に現実的な予算で市販AV一体型ナビへの換装が可能だ。

ただし、注意点がある。それは「トヨタ車純正ディスプレイオーディオ」と組み合わせて使用するオプション品が使えなくなることだ。

「オプション品は追加しない」、ここがポイントに!

というのも、「トヨタ車純正ディスプレイオーディオ」と連携するオプション品は基本的に「トヨタ車純正ディスプレイオーディオ」に対して専用設計されている。例えばCD/DVDプレーヤーは、その操作を「トヨタ車純正ディスプレイオーディオ」の画面にて行う。なのでそれを外してしまうとスイッチ類を失うこととなり使えなくなる。

連携するETC車載器もドライブレコーダーも同様だ。つまり連携するタイプのオプション品は、市販AV一体型ナビに交換すると“無駄”になる。また、「T-connect」を契約している場合にも、それが使えなくなる。

というわけなので、「トヨタ車純正ディスプレイオーディオ」しか選べないけれど2DINスペースが確保できるクルマを購入する際に、市販AV一体型ナビへの換装を視野に入れるのであれば、連携するオプション品は追加しない方が良い。

ところで、「トヨタ車純正ディスプレイオーディ」から市販AV一体型ナビへ交換ができない車種においては、「ナビアプリに高機能なものを使う」という手もある。例えば、ナビタイムジャパンの『カーナビタイム』は、Apple CarPlayとandroidautoに対応しているので、「トヨタ車純正ディスプレイオーディオ」に向いている。

で、『カーナビタイム』はオフラインでもナビ案内が可能だ。そして渋滞情報はVICSの情報が取れて、さらにはナビタイムジャパンの各ナビアプリユーザーの走行データ(プローブ情報)も活用する。ゆえに、ルート探索が的確で、走行中にも1分おきにデータが更新されるので渋滞が発生したときに臨機応変にリルートが提案される。有料アプリなのでコストはかかるが(例えばクレジットカード決済で月額税込550円)使い心地は車載ナビと遜色がなく、地図データが常に最新であることなど上回っている部分もある。興味があれば、チェックを。

今回は以上だ。次回は「トヨタ車純正ディスプレイオーディオ」で映像系コンテンツを楽しむ方法を紹介する。お楽しみに。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

「トヨタ車純正ディスプレイオーディオ」は、市販ナビに交換できる?「カーオーディオにまつわる“なぜ?”を解明!」Part1「純正オーディオ」編 その2

《太田祥三》

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