北海道の鈴木直道知事は1月7日に開かれた定例会見で、北海道新幹線札幌延伸時にJR北海道から経営が切り離される並行在来線について記者の質問に答えた。
北海道新幹線の並行在来線については2012年から函館~長万部間を「渡島ブロック」、長万部~小樽間を「後志ブロック」として存廃の協議が進められているが、鉄道での存続、バス転換のいずれも経営分離から30年は赤字必至であると試算されている。
直近では、2021年12月27日に後志ブロック会議が行なわれているが、報道によるとこの席では長万部、倶知安、共和、仁木の4町がバス転換、余市町が鉄道存続の意向を示し、残る黒松内、蘭越、ニセコの3町と小樽市が態度を保留したという。
当初は2021年内に定めるとしていた方向性が越年したことについて鈴木知事は「各自治体の首長の皆さま、それぞれさまざまな地域事情が当然ありますので、そういったことも踏まえて、ご判断があったのだと思っています」と述べた上で、1月にも再び協議を行なう考えを示した。
鉄道存続については、比較的輸送人員が多い余市~小樽間のみを鉄道で存続させる方向で、2021年7月に個別協議が行なわれたが、2021年12月の会議ではバス転換とした場合の輸送力について、JR北海道や並行バス路線を運営する北海道中央バスからの資料が示されている。
それによると、現行のバスと鉄道を合わせた1日あたりの乗車人員は4170人であるのに対して、バスの総輸送量は約6780人であることから、バスでもじゅうぶん対応可能であること、通勤・通学のピーク時(7~8時台発)は増便が必要となるものの、6時台発や9時台発には余裕があることから、ダイヤの変更や1本程度の増便での対応が考えられることが挙げられていた。
鉄道存続については、年明けの1月11日に余市町の斉藤啓輔町長と小樽市の迫俊哉市長が会談したと伝える報道があり、今後は北海道との三者で協議が進められる模様だ。
