デンソー、運転支援システム「Global Safety Packge 3」を開発へ…画像センサーとレーダーの組み合わせ

デンソーが「Global Safety Packge 3」としてミリ波レーダー/画像センサーを発表した
デンソーが「Global Safety Packge 3」としてミリ波レーダー/画像センサーを発表した全 8 枚

デンソーは1月14日、車両の周辺環境を認識して安全性に貢献する「Global Safety Packge 3」((以下:GSP3)の開発を発表し、同日オンラインにてメディア向け説明会を実施した。

【画像全8枚】

説明会に出席したのはデンソーAD&ADASシステム技術部長の中澤篤史氏、同技術1部長の公文宏明氏、同技術2部長の阿部好浩氏の3名。

◆第三世代で初めてトヨタブランド以外にも搭載車種を拡大

そもそも「Global Safety Packge」(以下:GSP)は、車両や道路などの形状を検知する「ミリ波レーダー」と、カメラで自車の前方環境を検知する「画像センサー」とを組み合わせてドライバーの運転を支援するシステムとしてデンソーが開発してきたシステムだ。

その第一世代が登場したのは2015年で、自動ブレーキでは昼間での車両/歩行者を検知して制御でき、ACCも全車速対応とした。第二世代は2018年に登場し、夜間での歩行者や自転車の認識を実現。LDP(Lane Departure Prevention、車線逸脱予防)にも対応可能となった。

この日、発表されたGSP3は、その第三世代目にあたるもので、すでに2021年8月から日野『レンジャー』、同年10月からレクサス『NX』に搭載済みで、加えて22年1月に販売を開始したトヨタの新型『ノア』『ヴォクシー』に搭載されることにもなった。

説明会では、開発コンセプトとして「交通事故をなくして自由な移動を実現するためには、安全性をさらに進化させた最先端技術を車両に搭載し、一方でより多くの車両に普及させるべく価格面でも魅力的にすることが重要」ということがまず説明された。その上で、その目的を達成するべくGSP3は、ミリ波レーダーや画像センサーにおいて、「予防安全・運転支援シーンの拡大と小型・低コストの両立を目指して開発された」という。

このうちミリ波レーダーは、広角化・遠距離化。速度分解能向上・小型化の4つがポイントとなる。検知エリアはセンサ出力の中央を0度としてそれぞれに±51.6度まで拡大し、合わせて103.2度までを検知可能とした。この検知範囲の拡大により出会い頭事故の回避に役立つようになった。また、速度分解能は電波伝送の変調時間を増加することで4倍以上にまで向上し、これは歩行者や自転車の検出性能向上につながったという。

さらにアンテナや電源基板を統合した上で、電波送受信のアンテナチャンネル数の削減やMIMO(Multi-Input、Maruti-Output)技術の採用、製品構造の簡素化などによって使用部品は従来品の半分以下にまで削減。これが従来比1/2というユニットの小型化を実現し、搭載位置の自由度を高めることにつながったというわけだ。

◆画像センサーは広角レンズや高画素イメージャー採用して性能アップ

カメラに組み入れた画像センサーも同じように交通事故低減に向け、広角化・遠距離化・高画質化・小型化の4つをポイントとして掲げる。広角レンズ専用設計や高感度高画素イメージャー採用による性能向上を図りつつ、ディープラーニングによる機械学習を採用することで交差点などでの認識性能を高めているのが特徴だ。

これによりカメラの解像度を従来比5倍にまで高めて遠距離の認知性能を向上させたほか、視野角は2倍以上(GSP2:47度→GSP3:112度)にまで拡大。さらに、画像認識とシステム制御用マイコンをSoC(System on a Chip)に統合することで、ユニットの小型化にも成功したという。なお、このSoCは東芝製画像認識プロセッサ「Visiconti」の最新版であることが明らかにされた。

ところで、ノア&ヴォクシーの新機能で見逃せないのが、高速道路上の渋滞時に40km/h以下までのハンズオフ走行を可能にしたことだ。説明会後のQ&Aセッションで、「この実現はGSP3の採用によってもたらされたものか?」との質問があった。

デンソーは「あくまでOEMの判断なので明確に答えられない」としたが、少なくとも「それを実現するだけの能力はGSP3に備わっている」と回答。暗にGSP3の採用が新型ノア&ヴォクシーのハンズオフ走行をもたらした可能性を示した。また、GSP3では信号を認識して、赤→青に切り替わったことを初めて実現してもいることも説明された。

ノア&ヴォクシーでは通信によるソフトウェアのアップデートに対応したが、説明会ではこれもGSP3で可能になった機能であることも明かされた。デンソーではGSPにおいてこの第三世代(GSP3)で初めてトヨタブランド以外へ展開。デンソーは今後もOEMの要望に応じて採用車種の拡大を図っていく計画で、それがより安全な交通社会の実現につながることを期待するとした。

《会田肇》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

レスポンス公式TikTok

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 次期トヨタ『GRスープラ』はハンマーヘッド顔に!? 450ps級ハイブリッドで2027年登場の可能性
  2. 【トヨタ RAV4 新型試乗】おそろしくスムーズなハイブリッド、まさに「至れり尽くせり」…中村孝仁
  3. スズキ『カプチーノ』復活の可能性!…軽規格を維持、FRレイアウトも継承か
  4. トヨタ『エスティマ』が“走りのミニバン”として復活か…アルファードと棲み分けは
  5. ホンダ23車種、ガソリンが漏れるおそれ…6月掲載のリコール記事まとめ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. ETASとエレクトロビット、ADAS向け統合ソフトウェア基盤を発表…人とくるまのテクノロジー展 2026
  2. ボッシュがなぜ「しろくまくん」を買収したのか? “熱とAI”が変える、SDV時代の勝算
  3. BMW工場にヒューマノイド「Figure 03」導入…フィジカルAIで全身協調制御
  4. BYD12万人の技術力と日本市場への本気度、補助金逆風下「ラッコ」の戦略とは…BYD Auto Japan 東福寺厚樹 代表取締役社長[インタビュー]
  5. バックミラーは「銀座4丁目」だった…電子ミラー最大手「ジェンテックス」が握る車内センシングの主導権
ランキングをもっと見る