VWの新型EVクーペ『ID.5』、生産開始…航続は最大520km

モーターのパワーは174-204ps

ラウンジのような空間コンセプト

エレガントさやスポーティさを追求したエクステリア

フォルクスワーゲンのドイツ・ツヴィッカウ工場で生産を開始した ID.5
フォルクスワーゲンのドイツ・ツヴィッカウ工場で生産を開始した ID.5全 15 枚

フォルクスワーゲンは1月27日、新型EVの『ID.5』(Volkswagen ID.5)生産を、ドイツ・ツヴィッカウ工場で開始した、と発表した。

写真:フォルクスワーゲン ID.5

ID.5は、フォルクスワーゲンブランド初のフル電動SUVクーペだ。フォルクスワーゲンの新世代EVの「ID.」ファミリーの中では、電動SUVの『ID.4』のクーペ版に位置づけられる。

◆モーターのパワーは174-204ps

ID.5には、EV専用に開発された「MEB」(モジュラー エレクトリック ドライブ マトリックス)車台を使用する。モーターがギアボックスとともにリアアクスルに組み込まれ、後輪を駆動する。モーターからリアアクスルへのパワーの伝達は、1速ギアボックスを介して行われる。

リアアクスルに搭載されたモーターによって、スポーティかつオールラウンドな性能を追求した。バッテリーは低重心化のために、キャビンのフロア下にレイアウトされた。後輪駆動による強力なグリップが、優れた性能を発揮するという。

欧州での発売当初、ID.5には「プロ」と「プロパフォーマンス」の2グレードが設定される。モーターの最大出力はプロが174ps、プロパフォーマンスが204psだ。両グレードともに、バッテリーの蓄電容量は77 kWhの大容量とし、長距離走行に対する。1回の充電での航続は、最大520km(WLTPサイクル)に到達する。

◆ラウンジのような空間コンセプト

SUVクーペボディの中には、ラウンジのような空間コンセプトを持たせた。クーペボディにもかかわらず、ID.5はID.4に対して、後席のヘッドルームをマイナス12mmに抑えた。2766mmのロングホイールベースは、上位の車両クラスのSUVに匹敵するインテリア空間を実現するという。ラゲッジコンパートメントの容量は549リットル。グレードによって、異なるシート素材を採用した。オプションのスポーツシートは、背もたれの上部にIDのロゴをあしらう。

最新のデジタルコックピットには、新しい操作コンセプトを導入する。ドライバーディスプレイとマルチメディアシステムは、高解像度とした。ドライバーの視界にさまざまな情報を表示する拡張現実ヘッドアップディスプレイが、オプションで選択できる。アンビエント照明は最大30色に切り替えられる。「We Connect」サービスは、リアルタイムのオンライン交通情報、オンラインのナビゲーションマップの更新、充電ステーションに関する情報、Webラジオなどをドライバーに提供する。

「Car2X」通信により、フォルクスワーゲンは安全性を追求している。他のフォルクスワーゲン車両から送信されたデータと、半径800m以内の信号機などのインフラストラクチャから得られたデータをもとに、危険なエリア、事故、故障車などの存在をドライバーに警告する。 ダッシュボード上側の横幅いっぱいに配された「IDコックピットライト」は、色を変えることで視覚的な警告をドライバーに与えるのに役立つという。

◆エレガントさやスポーティさを追求したエクステリア

ID.5のデザインでは、エレガントさやスポーティさを追求する。全長は4599mmで、短いオーバーハングと大きなホイールがその特長を際立たせているという。フロントグリルには、LEDライトストリップをオプションで装備できる。フロントバンパーのグリルは、ハニカムパターンとした。

フラットに近く傾斜したAピラーは、ルーフラインにエレガントな流れを与える、と自負する。リアには、ワイド感を強調するライトストリップを標準装備して、IDファミリーらしさを演出した。3DデザインのLEDテールライトによって、高級感を追求している。

フォルクスワーゲンは「We Charge」を利用して、便利でネットワーク化された持続可能な充電システムを追求している。We Chargeのネットワークは、ヨーロッパ全体で約25万か所の充電ポイントを擁する。標準のモード3ケーブルを使用すると、最大11kWの出力で交流(AC)充電できる。急速充電ステーションでは、最大充電出力135kWでチャージ可能。航続390kmに必要なバッテリー容量を、約30分で充電できる、としている。

《森脇稔》

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