F1を引退したキミ・ライコネン、カワサキのモトクロス世界選手権ファクトリー参戦チームの代表に

F1を引退し、新たな挑戦を開始するキミ・ライコネン(写真はF1での最後の優勝となった2018年アメリカGP=当時フェラーリ)。
F1を引退し、新たな挑戦を開始するキミ・ライコネン(写真はF1での最後の優勝となった2018年アメリカGP=当時フェラーリ)。全 6 枚

昨季限りでF1を引退したキミ・ライコネンが、今季、モトクロス世界選手権にファクトリー参戦するカワサキ・レーシングチームの代表を務めることになった。カワサキ・レーシングチームが1月26日、明らかにした。

2007年のF1世界チャンピオン(当時フェラーリ)、現時点でのF1最多出走記録保持者であるキミ・ライコネンは、2021年シーズン(当時アルファロメオ)を最後にF1から引退。今年2022年(以降)の活動に注目が集まっていたが、以前から彼が「大きな情熱を注ぐ対象のひとつ」であるモトクロスの世界で、重要な役割を担うこととなった。

2022年シーズン開幕を前に、ライコネンはFIMモトクロス世界選手権の最高峰クラス「MXGP」にファクトリー参戦するカワサキ・レーシングチームの代表(Team Principal)になったのである。

「私が大きな情熱を注ぐ対象のひとつがモトクロスであることは、ご存じの通りだ」と語るライコネンは、既にフィンランドの同胞アンティ・ピルホネン(かつてのモトクロスGPウイナー)と長きにわたる活動を展開してきている。コメント等の内容から推し量ると、今回は彼らの活動をカワサキがファクトリーサポートすることに決めた(カワサキ・レーシングチームに選んだ)、という経緯のようである(ピルホネンがチームマネージャーを務める)。

ライコネンは「カワサキが我々をファクトリーチームに選んでくれたことを、私を含めて誰もが喜んでいる。直接のファクトリーサポートがあれば、成功の可能性は高くなる。言いかえるならば、MXGPの新しいカワサキ・レーシングチームとしての私たちにとって、これは素晴らしい機会なんだ」とコメントしている。

「我々は可能な限りのベストを尽くせることを熱望している」と、強い意欲を見せるライコネン。「私はレース(F1)から引退したので、このプロジェクトに多くの時間を費やすことができるだろう。チームがどのように機能し、何が世界の舞台で成功を生み出すかについて、自分の経験を活かし、戦略的な観点からより多くのことを行なうつもりだ」。

ライコネンらが率いるカワサキ・レーシングチームは、2月開幕予定である2022年FIMモトクロス世界選手権の「MXGP」クラスにロマン・フェーブル(昨季シリーズ2位)とベン・ワトソンのコンビで臨む。

キミ・ライコネンという人は、F1キャリアを止めて世界ラリー選手権(WRC)に本格参戦したことがあるなど(のちにF1復帰)、常に多彩な活動を展開して、自身と(結果的に)世間を楽しませてきた稀有なる存在だ。モトクロス最高峰でのファクトリー参戦チームの代表という新たな挑戦も、彼の人生と彼の多くのファンにとってエキサイティングなものになるだろう。

《遠藤俊幸》

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