パナソニック梅田CFO、新型電池「これから和歌山工場で量産のための試作ラインで検証する」

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パナソニックが2月2日に発表した2021年度第3四半期累計(4~12月)の連結決算は、売上高が前年同期比11.3%増の5兆4233億円、営業利益が同20.9%増の2741億円、当期純利益が50.3%増の1956億円だった。ただ、第3四半期(10~12月)は苦戦したようだ。

「第3四半期の売上高は、前年の需要増の反動等により、くらし事業の国内家電やオートモーティブの車載機器が減収となったが、インダストリーの情報通信向け事業や、エナジーの車載電池等の販売が増加したことに加え、ブルーヨンダーの新規連結もあって増収となった」と梅田博和最高財務責任者(CFO)は説明する。

ただ、利益については、家電、空調などのくらし事業を中心に、原料高騰が大きく影響したことに加え、ブルーヨンダー買収時の「資産・負債の再評価」に伴う影響など、一時的なマイナス要因もあって、営業利益、純利益とも減益となった。

セグメント別のオートモーティブは、売上高が2752億円と第2四半期(7~9月)からは増加したが、前年の自動車生産回復の反動があったことに加え、半導体や部材逼迫などによる自動車減産の影響が継続して前年同期よりも266億円の減収となった。一方、営業利益は減販損や部材高騰などがあったものの、コストダウンに加え、前年度に充電器の一時費用を計上したこともあり、96億円増益の19億円と黒字となった。

また、エナジーは欧州乾電池事業の譲渡影響があったが、EV向け車載電池やデータセンター向け蓄電池システムが伸び、売上高が284億円増収の1943億円、営業利益が43億円増益の163億円となった。

EV向けの新型リチウムイオン電池「4680」について、梅田CFOは「すでに性能面を満たした試作品はできている。これから和歌山工場(和歌山県紀の川市)で量産のための試作ラインで検証に入っていく」と話し、非常に強い要請が来ているテスラを第一優先にしていくそうだ。「新興企業からも引き合いがきているが、これはおそらく2170電池になると思う」と梅田CFO。

ただ、テスラ向け車載電池については懸念材料もあるそうだ。それは、日本から送っている電池が米国の港湾の問題でなかなか陸に上がらず、“海上在庫”となっているとのことだ。いずれにしても、車載電池は5%を超える収益性を確保できるまでになっており、4680の量産でさらに収益をアップさせようというわけだ。

2021年度通期の連結業績見通しは、売上高が前期比9.0%増の7兆3000億円、営業利益が同43.1%増の3700億円、当期純利益が同45.4%増の2400億円と、10月公表値を据え置いた。「原材料高騰や半導体・部材不足の影響は継続している」と梅田CFOは話していた。

《山田清志》

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