ロールスロイス、フードマスコットを新デザインに…ブランド初のEVに装着へ

1911年に初採用された「スピリット・オブ・エクスタシー」

従来よりもおよそ20mm低い新デザイン

新しいマスコットがスペクターの優れた空力特性に貢献

ロールスロイスの新しいフードマスコット「スピリット・オブ・エクスタシー」
ロールスロイスの新しいフードマスコット「スピリット・オブ・エクスタシー」全 9 枚

ロールスロイスモーターカーズ(以下、ロールスロイス)は2月6日、フードマスコットの「スピリット・オブ・エクスタシー」のデザインを変更すると発表した。

◆1911年に初採用された「スピリット・オブ・エクスタシー」

スピリット・オブ・エクスタシーは、ロールスロイス車のボンネットに燦然と輝くマスコットだ。スピリット・オブ・エクスタシーは、別名「フライングレディ」と呼ばれる。スピリット・オブ・エクスタシーは1911年、ロールスロイスの車両に初めて取り付けられた。それ以来、ロールスロイスの車両に装着され続け、2021年に110周年を迎えている。

1909年、英国の女優のエレノア・ソーントンをモデルに、アーティストのチャールズ・サイクスが、装飾用の小さな女性の像を制作した。現在に至るまで、個人の自由の追求などを表現したこの小さな像は、すべてのロールスロイスのボンネットフードを飾る特別な存在だ。

スピリット・オブ・エクスタシーの女性の像は、風に向かって前傾し、腕を伸ばし、飛んでいるかのようにドレスがたなびいている。夢、エネルギー、優雅さ、美の象徴としてのスピリット・オブ・エクスタシーは、唯一無二で進歩的な仲間たちが追い求めた高みを表現しているという。

◆従来よりもおよそ20mm低い新デザイン

ロールスロイスは、スピリット・オブ・エクスタシーが1911年2月6日にロールスロイスの知的財産として登録されてから111年後の同じ日に、ブランド初の量産EVの『スペクター』のボンネットを飾るために、スピリット・オブ・エクスタシーのデザイン変更を発表した。

女性の像はより低く、よりダイナミックに変更された。20世紀初頭にチャールズ・サイクスが描いたスケッチに近づいているという。新しいスピリット・オブ・エクスタシーの高さは82.73mmと、従来の100.01mmに対して、およそ20mm低い。車両のエアロダイナミクス性能に配慮したデザインを採用している。

また、従来のスピリット・オブ・エクスタシーは、両足をまっすぐにし、腰を前に傾けていた。一方、新しいスピリット・オブ・エクスタシーは、片足を前に出し、体を低くし、視線は前方をまっすぐに見据えている。

◆新しいマスコットがスペクターの優れた空力特性に貢献

新しいスピリット・オブ・エクスタシーは、ブランド初の量産EVのスペクターの優れた空力特性に貢献しているという。スペクターの初期プロトタイプの前面空気抵抗を示すCd値は0.26。ロールスロイス史上、最もエアロダイナミクス性能の高い量産モデルになるという。この数字は、2022年に取り組むテストプログラムによって、さらに改善されることが予想されるという。

スペクターには、ロールスロイス独自のアルミ製アーキテクチャーが採用される。このアーキテクチャーは2017年、『ファントム』で最初に採用された。設計の拡張性と柔軟性を持つスペースフレーム構造で、それ以来すべてのロールスロイス車に採用されている。『カリナン』や『ゴースト』などの内燃エンジ搭載モデルだけでなく、異なる種類のパワートレイン搭載車にも使えるという。

スペクターは2023年の第4四半期(10~12月)、市場投入される予定だ。ロールスロイスは2030年までにすべての製品の電動化を目指しており、スペクターがその第一弾に位置付けられる。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  3. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
  4. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
  5. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る