長万部-余市間の前倒し廃止を検討へ、余市-小樽間の存続は小樽市次第?…北海道新幹線の並行在来線問題

態度を保留している小樽市の出方次第では存廃に大きな影響を与えそうな余市~小樽間。写真は小樽駅。2022年2月6日。
態度を保留している小樽市の出方次第では存廃に大きな影響を与えそうな余市~小樽間。写真は小樽駅。2022年2月6日。全 7 枚

北海道は2月10日、北海道新幹線の並行在来線のうち、長万部(おしゃまんべ)~小樽間の存廃を協議した「第12回後志ブロック会議」の議事録を公開した。

2月3日に行なわれたこの会議では、長万部~余市(よいち)間についてはバス転換とすることが事実上決定したが、余市町は余市~小樽間の輸送密度2000人を根拠に同区間の存続を主張。隣接する小樽市は住民説明会を経て判断するとして態度を保留しており、北海道も小樽市の態度が表明されない限り、支援の有無を表明できないとしている。

また、北海道からは余市~小樽間の輸送密度ついて言及があり、JRから経営分離される2030年度には、2018年度に示された2000人を前提にした当初予測の1493人を下回るという見解を示している。

余市~小樽間の存続を主張している余市町の玄関・余市駅。NHKの朝ドラの舞台にもなった町で、北海道内では名高いニッカウヰスキー余市蒸溜所がある観光の町でもあるだけに、鉄道の廃止は死活問題でもある。余市~小樽間の存続を主張している余市町の玄関・余市駅。NHKの朝ドラの舞台にもなった町で、北海道内では名高いニッカウヰスキー余市蒸溜所がある観光の町でもあるだけに、鉄道の廃止は死活問題でもある。

一方、長万部町からは、新幹線駅の整備やまちづくりの観点から「鉄道を廃止してバスに切り替える時期について少し早めていただけたら」という要望が出されたが、座長の北海道は倶知安(くっちゃん)町からも同様の要望があったことを明らかにし、「技術的な問題を含めて整理させていただいて、次回の会議の時にそういった方向性を皆さんで、早めるということを調整させていただきたいと思いますので、少しお時間をいただきたい」と述べた。

長万部町の玄関駅である函館本線長万部駅。長万部町は「第12回後志ブロック会議」で、まちづくりや駅舎周辺整備の観点から長万部~余市間の廃止前倒しを要望した。長万部町の玄関駅である函館本線長万部駅。長万部町は「第12回後志ブロック会議」で、まちづくりや駅舎周辺整備の観点から長万部~余市間の廃止前倒しを要望した。倶知安町の玄関駅・函館本線倶知安駅。新幹線駅のエントランスはこの奥になる。2021年9月20日。倶知安町の玄関駅・函館本線倶知安駅。新幹線駅のエントランスはこの奥になる。2021年9月20日。

《佐藤正樹》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「ミニGSX-R」をスズキがサプライズ発表!? 鈴鹿8耐マシン以上に「サステナブルかもしれない」理由とは
  2. 「日本版より洒落てる」2026年モデルの米国版トヨタ『カローラ』発表に、日本のファンも注目
  3. 中国マイクロEV『小馬』10万台を販売した「かわいいペット」戦略
  4. ホンダ『プレリュード』新型、インドネシアでは「オールブラック」なプロトタイプを初公開
  5. 車検NGの落とし穴!? シート交換で絶対に知っておくべき新ルール~カスタムHOW TO~
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
ランキングをもっと見る