キーワードは「もうひとつの部屋」、ジャパンキャンピングカーショー2022で見えたキャンパーのトレンド

フロットモビル・シュピーレン(ジャパンキャンピングカーショー2022)
フロットモビル・シュピーレン(ジャパンキャンピングカーショー2022)全 14 枚

近年、自然災害やコロナ禍も影響し注目が高まるキャンピングカー。手頃な軽キャンパーも多く登場し、裾野は確実に広がっている。そんな中、今、キャンピングカーに求められているものは何なのか、ジャパンキャンピングカーショー2022の会場でトレンドについて調査してみた。

ジャパンキャンピングカーショー2022の会場で最も多く見られるのは、トヨタ『ハイエース』などをベースとした、いわゆるバンコンタイプのキャンピングカー。このバンコンジャンルについては、「キャンプのためのクルマ」から「家庭の1部屋を移動させる」という感覚のものになっているという。

それを象徴する装備は家庭用エアコンだ。多くのバンコンを出展しているレクビィによれば、数年前はバンコンに家庭用エアコンを取り付ける人は1割程度だったが、ここ最近では3、4割程度いる、という。キャンピングカーが災害時の電力供給源として期待されることも増えたことから、最近は大容量のリチウムイオンバッテリーを搭載したモデルが増加。この恩恵を活用した新たなトレンドだ。

被災時を想定した装備では、ラップ式のポータブルトイレも人気を集めている。特殊な防臭抗菌ラップで排泄物をその都度自動でラップしてくれるシステムで、衛生面とメンテナンスの手軽さから、高年齢層を中心に引き合いが多いという。

ボディサイズは、ファミリー層には普段の買い物にも使いやすい5ナンバーサイズが、シニア世代には室内を移動しやすいハイルーフ(室内高160cm程度)が選ばれる傾向は昔から変化はない。移動事務室や商談スペースとして使うビジネスパーソンには、駐車スペースの確保と執務スペースのバランスが良い3ナンバーサイズのミドルルーフ(車高210cm程度)のものが人気となっている。

軽キャンパーについては、以前は低価格でアウトドア慣れした人の個人ユースが多い印象だったが、今は内容も多様化している。軽キャンパーを出展していたダイレクトカーズでは「年配の方の購入も多く、安さよりも装備や居住性などを吟味して、自分の使い方に合ったものをチョイスする人が多い」という。

そのため、室内を見ると、かつてのものに比べ、しっかりとデザインされ、家具や壁面の質感が家庭の部屋に近いものになっている。その上で、用途を明確にカスタマイズを提案したモデルが目立つ。

このほか、キャンピングカー市場が成熟・拡大する中で、2台目、3台目に乗り換える人たちも増えている。乗り換えの傾向としては、軽キャンパーからバンコンへ、バンコンからキャブコンへ、とより大きなクルマを求める人が少なくないという声が、複数のビルダーから聞かれた。

そういった意味では、先日、日本導入が発表されたフィアット『デュカト』は、国産車のバンコンユーザーで、「もう少し大きいクルマに」という層の受け皿となる可能性があり、新しいムーブメントを生む可能性を秘めている。


ジャパンキャンピングカーショー2022
https://response.jp/special/recent/624/

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