花粉観測機のリアルタイムデータ無料公開 ウェザーニューズ

IoT花粉観測機「ポールンロボ」
IoT花粉観測機「ポールンロボ」全 3 枚
 ウェザーニューズは、独自のIoT花粉観測機「ポールンロボ」の観測・解析による全国の花粉飛散数のリアルタイムデータを無料で公開する。2022年2月3日から、「ポールンロボ」の観測終了(6月ごろを予定)までのデータは、誰でも取得可能。

 花粉の観測方法には、1日1回ガラス板に付着した花粉を顕微鏡で人が数えるダーラム法と、機械による自動観測の2種類がある。ダーラム法による花粉観測は、スギ・ヒノキ等の花粉の種類を見分けることができるが、観測に多くの時間と労力を必要とし、リアルタイムでの飛散状況がわからなく、観測地点数も限られている。一方、自動観測は、花粉の種類を見分けることはできないが、飛散状況はリアルタイムで把握でき、人手がかからないため多数の地点での観測が可能である。

 花粉は気象条件によって飛散量や飛散エリア・時間帯が変化するため、飛散状況を時間的・空間的に詳細に把握することが重要になる。2021年まで、花粉の自動観測には、環境省花粉観測システム(愛称:はなこさん)と、ウェザーニューズの「ポールンロボ」による観測があったが、2021年末に環境省は、2022年から「はなこさん」事業を廃止し、花粉観測を終了すると発表した。観測終了にともない、Webサイトでの「はなこさん」による花粉飛散データの無料公開も終了している。

 ウェザーニューズは、2022年から「はなこさん」の観測による花粉飛散データの取得ができなくなったことを受けて、国内唯一の花粉の自動観測となった「ポールンロボ」のデータを広く活用し、花粉症の研究や対策に利用してもらうため、全国の花粉飛散数のリアルタイムデータを無料で公開することを決定した。

 「ポールンロボ」は、ウェザーニューズが開発したIoT花粉観測機。レーザー光を使って空気中の花粉数をカウントする。通信機能を内蔵し、Wi-Fi不要で電源さえあればどこでも観測が可能。直径約15cmの球体で、人の顔に見立てて目、鼻、口がかたどられている。口の部分から吸い込まれた空気中の花粉を計測。計測した花粉の数によって目の色が「白」「青」「黄」「赤」「紫」の5段階で変化し、設置場所の花粉の飛散量を知らせる。

 全国の家庭・病院・企業等約1,000か所に設置、日本最大の高密度な花粉観測網を展開している。観測したデータはウェザーニューズに1分ごとに自動送信され、アプリ「ウェザーニュース」やWebサイト「花粉Ch.」で無料公開され、毎日の花粉予報や通知サービス等にも活用されている。

 今回提供を開始するデータは、全国約1,000か所に設置している「ポールンロボ」の観測値をもとにした、花粉飛散数の解析値。一般家庭の軒下等にも設置しているため、設置状況による観測値のばらつきを補正した値を用いている。データは専用サイトからCSVファイルをダウンロードもしくはAPI連携で誰でも取得可能。1時間単位で花粉飛散数を市区町村ごとに入手できる。利用の際の注意事項等、詳細はWebサイトで要確認。

◆花粉観測機「ポールンロボ」の観測・解析による全国の花粉飛散数のリアルタイムデータ
データ種別:花粉飛散数
単位:個/m2
データ期間:2022年2月3日~観測終了まで(6月ごろを予定)
時間解像度:1時間
空間解像度:市区町村
取得方法:CSVファイルをダウンロード、API連携

花粉観測機のリアルタイムデータ無料公開、ウェザーニューズ

《大田芳恵》

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