メルセデスベンツのEVバン次期型、冬季テストが完了…2023年後半から生産へ

次期型は1回の充電での航続が2倍以上に

次期型でEV市場のリーダーを目指すという戦略を強調

次世代の電動商用車向け車台を初採用

メルセデスベンツ eスプリンター 次期型の開発プロトタイプ
メルセデスベンツ eスプリンター 次期型の開発プロトタイプ全 13 枚

メルセデスベンツは2月11日、商用EVの『eスプリンター』(Mercedes-Benz eSprinter)の次期型のウインターテストが完了した、と発表した。次期型は、2023年後半に生産を開始する予定だ。

【画像全13枚】

◆次期型は1回の充電での航続が2倍以上に

ウインターテストの舞台は、北極圏に近いスウェーデン・アリエプローグだ。メルセデスベンツは、雪や氷の多い道路、強い風、マイナス30度の気温など、過酷な気象条件ですべてのEVをテストする。これらは、車両の開発者チームにとって、リアルワールドでの耐久性テストとなる。

スウェーデン・アリエプローグの試験場では、車両はさまざまなテストを受け、極寒状態での取り扱い性、人間工学、熱管理、室内の快適性に及ぼす影響などを評価した。ドライブコンポーネント、暖房システム、ソフトウェア、インターフェースなどの耐寒性能は、テストドライブの前に、特別なコールドチャンバーでテストされた。また、充電に関する評価も行われた。

このウインターテストにおいて、次期eスプリンターは氷と雪、極端な低温に対応できることが明らかになった、と自負する。また、現行eSprinterと比較すると、仕様によっては、1回の充電での航続が2倍以上になるという。

メルセデスベンツ eスプリンター現行型メルセデスベンツ eスプリンター現行型

◆次期型でEV市場のリーダーを目指すという戦略を強調

eスプリンターは、メルセデスベンツの主力商用バン、『スプリンター』のEVバージョンだ。現行eスプリンターの電動パワートレインは、モーターが最大出力116hp、最大トルク30.6kgmを発生する。最高速は用途に応じて、80km/h、100km/h、120km/hの3仕様が設定されている。

バッテリーは蓄電容量が41kWhまたは55kWh。55kWh仕様の場合、900kgの荷物を積んだ状態で、1回の充電で最大150kmを走行できる。急速充電に対応しており、およそ30分でバッテリー容量の8割を充電できる。

メルセデスベンツは商用EVとして、eスプリンター、『eヴィトー・パネルバン』、『eヴィトー・ツアラー』、『EQV』の4モデルを用意している。さらに、新型『eシタン』や、『Tクラス』と、EVを拡大していく。次期eスプリンターによってメルセデスベンツは、EV市場のリーダーを目指すという戦略を強調していくという。

メルセデスベンツ eスプリンター 次期型メルセデスベンツ eスプリンター 次期型

◆次世代の電動商用車向け車台を初採用

メルセデスベンツは、eスプリンターの次期型に、次世代の電動商用車向け車台、「エレクトリック・バーサリティ・プラットフォーム」を初採用する予定だ。エレクトリック・バーサリティ・プラットフォームは、大型バンセグメント向けに新開発されたEVプラットフォームとなる。

次期eスプリンターは、柔軟性の高い新開発プラットフォームによって、3種類のバッテリーと複数のボディの組み合わせが可能になる。次期eスプリンターは、パネルバンやミニバンからトラックまで、ほぼすべてのビジネスシーンに適合する予定だ。この中には、4列シートのEVミニバンも含まれている。

メルセデスベンツはeスプリンター次期型を、2023年後半から生産する。生産を行うのは、米国サウスカロライナ州ノースチャールストン、ドイツ・デュッセルドルフとルートヴィッヒスフェルデの3工場だ。メルセデスベンツは、電動化シフトの一環として、3工場にそれぞれ約5000万ユーロを投資している。

なお、メルセデスベンツは、2025年以降に発表する次世代車台を、すべてEV専用にする計画だ。そして、市場の状況が許せば、2030年から販売する全モデルをEVにするために、準備していく、としている。

《森脇稔》

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