BMW、MotoGPセーフティカーに初のレーシングカー起用へ…『M2 CS』ベース

ルーフにライトバーを追加し点滅式のフロントライトに変更

参戦するレースに応じて異なるエンジンパワー

ZFザックス製のモータースポーツ向けダンパー

BMW M2 CS レーシング のMotoGPセーフティカー
BMW M2 CS レーシング のMotoGPセーフティカー全 14 枚

BMWの高性能車部門のBMW Mは2月14日、『M2 CSレーシング』(BMW M2 CS Racing)が、世界最高峰の二輪レース「MotoGP」の2022年シーズンのセーフティカーに起用されると発表した。

BMWのMotoGPセーフティカーは従来、BMW Mの市販車が務めてきた。2022年シーズンのセーフティカーに決まったM2CSは、MotoGPセーフティカー初のレーシングカーになる。

◆ルーフにライトバーを追加し点滅式のフロントライトに変更

BMWMは、M2 CSレーシングをMotoGPのセーフティカーに起用するにあたって、セーフティカーとしての機能を中心に、最低限の変更を施した。

具体的には、ルーフへのライトバーの追加や、点滅式のフロントライトへの変更など。セーフティカーのカラーリングには、ホワイトを基調に、Mカラーの3色をストライプとしてあしらった。BMWMの50周年を祝福するデカールも装備している。

なお、M2 CSレーシングのセーフティカーは3月6日、カタールで決勝レースが開催されるMotoGPの2022年シーズン開幕戦で、実戦デビューを果たす予定だ。

◆参戦するレースに応じて異なるエンジンパワー

M2 CSレーシングは、『M2 CS』をベースに開発されたレース専用車だ。M2 CSは、BMWのコンパクト2ドアクーペの『2シリーズ クーペ』従来型の頂点に立つハイパフォーマンスモデル。『M3セダン』や『M4クーペ』に用意されたことがある「CS」が、『M2』にも設定された。M2 CSは、さらなる軽量化と高出力化を図り、サーキットなどでのパフォーマンスを追求している。

M2 CSレーシングでは、エンジンマネジメントシステムに、BMW 『M4 GT4』のエレクトロニクスを導入した。レギュレーションに応じて、さまざまなパフォーマンスレベルにプログラムすることができる。直噴3.0リットル直列6気筒ガソリンツインターボエンジンは、参戦するレースのレギュレーションに応じて、最大出力280~365hpを引き出す。その一方で、最大トルクは56.1kgmと、市販バージョンと同数値とした。

7速デュアルクラッチトランスミッションには、専門のモータースポーツ向けソフトウェアが組み込まれる。排気システムは、レーシング触媒コンバーターを備えたモータースポーツ専用品だ。BMW モータースポーツは、パフォーマンスを市販車と同じ450hpに高めるアップグレードパッケージも用意している。

◆ZFザックス製のモータースポーツ向けダンパー

ABSやDSCなどは、モータースポーツ向けのチューニングを受けた。ドライブシャフトもモータースポーツ用で、冷却機能を備えた機械式LSDを標準装備する。市販車と同様に、ルーフはカーボンファイバー製とした。

ブレーキは、フロントがアルコン製の6ピストンで、ブレーキディスクの直径は380mmとした。リアは4ピストンで、ブレーキディスクの直径は380mmだ。ツインフローエアによるブレーキ冷却システムが採用される。サスペンションは、フロントとリアともに、3段階の調整が可能なスタビライザー、ZFザックス製のモータースポーツ向けダンパーを装着する。リアアクスルのホイールベアリングは、モータースポーツ用に強化された。

《森脇稔》

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