操作しようと思っちゃだめだ、念じるのだ:ホンダの電動車いす…2022国際ロボット展

ホンダUNI-ONE(2022国際ロボット展)
ホンダUNI-ONE(2022国際ロボット展)全 8 枚

2022国際ロボット展ホンダブースで「UNI-ONE」という電動車いすを体験してみた。正式には「パーソナルモビリティ」なので車いす(ホイールチェア)とは違うようだが、登坂性能や多少の段差越えができれば車いすとしての応用もできそうだ。

初めてでも意外と乗りこなせるUNI-ONEとHOTドライブシステム:国際ロボット展

UNI-ONEはホンダのHOT(Honda Omni Traction)ドライブユニットを利用した着座姿勢で乗るパーソナルモビリティ。特徴はなんといっても、その操作性の良さ。会場で試乗もできるが、初めての人でも不思議と思った方向に進めて、曲がってくれる。セグウェイが流行ったとき、さまざまな自動車メーカーが、立ち乗りのパーソナルモビリティを公開したが、これらの操作は意外と難しい。重心移動の感覚がつかみにくく、乗りこなすことが楽しみな乗り物になっていた。

UNI-ONEは、着座姿勢ということもあり、行きたい方向に体を傾ける感じで自然に動いてくれる。発進・停止が非常になめらかなので、急な重心移動で加速して怖い思いをすることがない。慣れてくると、頭にイメージするだけで行きたい方向に動いてくれるそうだ。ブースの説明員いわく「制御しようと思わないこと。行きたい方向をイメージする」のだそうだ。慣れないうちは、行きたい方向に腕を腕を伸ばしてもよいそうだ。

HOTドライブシステムとは、通常のタイヤのトレッド面とサイドウォール部分に履帯のようにベルト状のものがついている。ベルトは輪になっておりタイヤ部分をホイールの回転方向と直交する方向に動く。タイヤ自体の回転方向に加え、トレッド面が横方向にも動く。2輪または4輪でそれぞれの動きを制御すれば、メカナムホイールのように斜めや真横移動が可能なタイヤになる。

なお、実物の展示はなかったが、ホンダでは、HOTドライブシステムを利用した台車も開発している。ねこ車タイプや手動フォークタイプ、手押し台車タイプなどさまざまだ。これらは、すべて動力を持ち重量物も簡単に移動させることができるが、単に車輪を駆動するのではなく、ハンドルのモーションセンサーの情報によってHOTドライブシステムを制御する。

これにより、重い台車の取りまわしが楽になり、行きたいと思った方向にうまく台車を向けてくれる。軽い勾配で台車のコースを制御したいときなど役に立つ。いまのところ業務用途の台車だが、病院の食事を運ぶ配膳カート、ホームセンターのカート、ベビーカーにも応用可能だろう。

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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