ピクサー映画の「サリー」、最新型911で実車化へ…ポルシェがウクライナ支援

映画『カーズ』の「サリー・カレーラ」の実車化モデルのスケッチ。最新ポルシェ911ベース
映画『カーズ』の「サリー・カレーラ」の実車化モデルのスケッチ。最新ポルシェ911ベース全 8 枚

ポルシェは3月11日、映画『カーズ』に登場するキャラクターの「サリー・カレラ」を、最新『911』ベースで実車化すると発表した。1台限りを生産する予定だ。

◆映画では2002年型のポルシェ『911カレラ』というキャラクター

サリー・カレラは、2006年に公開された映画『カーズ』のキャラクターのひとりで、2002年型のポルシェ『911カレラ』だった。ロサンゼルスで弁護士の仕事に就いていたが、都会での生活に疲れて、放浪の旅に。ルート66号線沿いの「ラジエーター・スプリングス」を気に入ったサリーは、そこで弁護士として働きながら、さびれた町を再建するために観光客を呼び戻す運動に取り組んだ。サリーはいつも、ラジエーター・スプリングスを支援するために努力する、というキャラクターだった。

「ピクサー・アニメーション・スタジオ」の『カーズ』第1作に登場したサリー・カレラの20周年を記念して、ポルシェはチャリティオークション用にワンオフモデルを製作することを決めた。オークションの収益は、米国のUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)を通じ、ロシアによるウクライナ侵攻の影響を受けて、国外への避難を余儀なくされた子供たちとその家族を支援するためのプログラムに寄付される予定だ。

ポルシェはここ数か月、サリー・カレラの20周年を祝うために、ピクサー・アニメーション・スタジオで『カーズ』のプロダクションデザイナーを務めるボブ・ポーリー氏とクリエイティブディレクターのジェイ・ワード氏と協力してきた。ドイツ・ヴァイサッハのスタイルポルシェと、シュトゥットガルトの「ポルシェ・エクスクルーシブ・マヌファクトゥール」とも連携。「もしも」として始まったプロジェクトが、新しい使命を引き受けることになったという。

◆ウクライナの人々を支援するために慈善オークションに出品へ

ピクサー・アニメーション・スタジオのクリエイティブディレクター、ジェイ・ワード氏は、「ウクライナの人々を助けたいと思った時、チームとして今取り組んでいることを利用して、資金を調達できる可能性があることに気がついた。このプロジェクトは、サリーのキャラクターが人々を助けるために努力している、というところから始まった」と語る。

『カーズ』のキャラクター、サリー・カレラに触発された公道を走れるポルシェ911を、ワンオフモデルとして製作する。UNHCRの米国代表、アンマリー・グレイ氏は、「ウクライナから逃げることを余儀なくされた人々の大多数は女性と子供であり、その中には保護者のいない子供や両親と引き離された子供がいる。今後数か月間、子供達の安全性と保護を確保するために、ポルシェやピクサー・アニメーション・スタジオのような企業の支援が重要」と話す。

このプロジェクトは、ポルシェがすでに行った寄付に続くものだ。ポルシェはウクライナの人道的危機の影響を受けた人々を支援するために、100万ユーロを寄付している。サリー・カレーラに触発されたがポルシェ911は、ドイツ・ツフェンハウゼンで生産され、RMサザビーズによってオークションにかけられる予定だ。

◆詳細とオークションの日時は年内に明らかに

ポルシェカーズノースアメリカのケル・グルーナー社長兼CEOは、「サリーの精神を、最新のポルシェ911に表現することは魅力的だ。もちろん、ワンオフモデルはポルシェらしさを備えており、運転して楽しむことができる。ワンオフモデルは、ボディパネルを最新の911と共有する。サリーのように、プロジェクトの目的は人々を助けることであり、ワンオフモデルは特別な1台」と語る。

ポルシェ・エクスクルーシブ・マヌファクトゥールのディレクター、ボリス・アペンブリンク氏は、「このようなコラボレーションは、ピクサーとポルシェが初めて。顧客が夢の車を実現できるようにするManufakturSonderwunschプログラムのアプローチとも重なる。この特別なワンオフモデルのキーを手にした人は誰でも、多くの素晴らしいロードトリップを楽しむことができる」と話す。

なお、詳細と、オークションの日時については、プロジェクトが進行するにつれて、2022年内に明らかになる予定、としている。


スケッチ集 https://response.jp/article/2022/03/21/355412.html

《森脇稔》

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