日産と北里大学、安全運転に貢献する「有効視野計測システム」を開発

有効視野計測システム
有効視野計測システム全 8 枚

日産自動車は3月15日、昨年3月に産学連携でネットワーク上に創設した「交通安全未来創造ラボ」の研究成果の一つとして、北里大学の川守田拓志准教授が中心となり開発した、「有効視野計測システム」のプロトタイプを発表した。

【画像全8枚】

正確に情報を獲得して処理できる有効視野は、実際見えている生理的視野より狭く、複雑な作業中はより狭くなる。ドライバーが安全走行を行うためには、単に見えているだけでは足りず、この有効視野を使い、見えている情報を適切に運転操作に反映させる必要がある。海外の研究では、交通事故は運転免許試験場や眼科の視力検査の結果より、この有効視野の低下との関係が強いとの報告もある。

今回、本ラボにて北里大学は日産自動車の支援・監修のもと、ドライバーの有効視野を簡便に計測できる最先端システムを開発した。同システムは3つのステップで構成。ステップ1ではモニター画面で中心視野を利かせながら、画面に次々出てくる記号を判別し、ボタンやブレーキに移る動作の反応時間や正答率を計測し、有効視野の広さを判定する。ステップ2ではステップ1で計測した反応時間や正答率の結果から、運転時に急な歩行者の横断があった場合、どれほどの速さで反応しブレーキを踏むことができていたかをコンピューターグラフィック画面で体感できる。そしてステップ3では、より複雑な判別作業や運転操作を加えて、有効視野がさらに狭くなる条件を作り、体験することができる。

3ステップで得られた結果により、「運転中に何か視覚的に注意を取られると、見落しや運転操作の遅れにつながる」ことをドライバーに認知してもらう。そして、自身の視覚の特性を理解した上で、視覚的な安全確認や安全運転を行うなどのドライバーの行動変容を促していく。

交通安全未来創造ラボでは、ドライバーに与える運転負荷量など様々な条件で調査を行い、どの条件が有効視野や反応時間に影響を与えているかを検証しつつ、有効視野計測システムのプロトタイプを開発。現在、高齢ドライバーによる実験を準備中で、今後は研究条件とデータ数を増やしていくことでエビデンスを積み上げ、システムをさらに発展させていく予定だ。

《纐纈敏也@DAYS》

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