低コスト&高音質なツイーターの取り付け方がある[サウンドユニット セッティング法]

ツイーターをダッシュボードの上にポンと置くように取り付けられる「マウント」を付属した市販スピーカーの一例(ダイヤトーン・DS-G400)。
ツイーターをダッシュボードの上にポンと置くように取り付けられる「マウント」を付属した市販スピーカーの一例(ダイヤトーン・DS-G400)。全 8 枚

カーオーディオシステムの“音”は、取り付け方でも変化する。当連載ではそこのところを掘り下げながら、カーオーディオの面白さや奥深さを浮き彫りにしようと試みている。現在は、ツイーターの取り付けに関する事柄を解説している。

さて前回は、ツイーターを純正位置に取り付けたいと思ったとき、どのような行程が必要となるのか、そしてどのような製品を選ぶと良いのかを説明した。で、結論は、コストをかけずに純正位置に装着したいと思う場合には「車種専用モデル」を選ぶこと、これが最善手となると解説した。

ところで、国産車では純正位置がダッシュボードの左右の奥に設定されている場合が多いのだが、実をいうとその位置は音的にはあまり有利ではない。なぜならツイーターが真上を向いて装着されることになるので、ドライバーはツイーターから放たれる音を直接聴けない。つまり、一度フロントウインドウに反射した後の音を聴くことになる。そして実際のところはツイーターが発した音はその後もさまざまなところで反射する。結果いろいろなところで反射した音がドライバーの耳に入ってくる。

この状況は、ステレオサウンドを楽しもうとする上でシンプルな状況とは言い難い。そうではなく、ツイーターから放たれた音を直接聴けた方が状況がシンプル化する。もっとも車室内は狭いので、結局のところは反射音もたくさん耳に入ってくるのだが、耳に入る音の中心が直接音になれば、家のリスニングルームで聴いているのと状況がかなり近づく。またサウンドチューニング機能を使ってもろもろの補正をかけるときにも、調整がしやすくなる。

というわけなので、「ツイーターを隠したい」と考えるならば純正位置はベストだが、音のことを優先させたいと思うのであれば純正位置よりも有利な付け方がさまざまある。そしてさらには取り付けコストがかかりにくい方法が良いというのなら…。お薦めがある。それは「ダッシュボードの上にポンと置くように取り付ける」という方法だ。

ただし、この方法を実践できるかどうかは製品による。実践するには、ツイーターをダッシュボードの上にポンと置くようにして取り付けられる台座となるパーツ(マウント)が付属されている必要があるのだ。それが付属されていない場合は、マウントをワンオフしなくてはならなくなるのでコストがかかる。そのコストをかけるなら、もっと音的に有利な付け方をした方が良い(その方法については回を改めて解説する)。

ちなみに価格が手頃なスピーカーは、取り付け性まで考えて設計されている場合が多く、マウントを付属する製品が多めだ。音的に有利でかつコストもかけずにツイーターを取り付けたいと考えるときには、スピーカーをセレクトする際にそれ用のマウントが付いているかどうかのチェックが欠かせない。覚えておこう。

今回は以上だ。次回もツイーターの取り付けに関する事柄の解説を続行する。お楽しみに。

低コスト&高音質なツイーターの取り付け方がある!? サウンドユニットの「セッティング法」を大研究! 第2章「スピーカー編」その14

《太田祥三》

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