【スーパー耐久】カーボンニュートラル燃料について参戦各社が説明

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ラウンドテーブル全 24 枚

カーボンニュートラル化への実証実験として各社が参戦する今シーズンのENEOSスーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankook。カーボンニュートラル燃料について参戦各社が説明した。

第1戦鈴鹿5時間耐久レースが開催されるにあたり、スーパー耐久機構が認めたメーカーの開発車両で参戦するST-Qクラスの、TOYOTA GAZOO Racing、スバル、マツダの関係者によって、そのカーボンニュートラル燃料とはどのようなものなのかを説明するラウンドテーブルが開催された。

マツダからは経営戦略室主査の木下浩志氏、カスタマーサービス本部の松崎庸輔氏。スバルからは技術本部の本井雅人氏、技術本部の中野勉氏。GAZOO RacingカンパニーGR車両開発部の末沢恭謙氏、GRパワトレ開発部の小川輝氏が登場した。

カーボンニュートラル燃料の説明に入る前に各社の取り組みを説明が行われ、マツダは「2050年までにサプライチェーンまでを含めてカーボンニュートラルを目指しており、車を走らせることと、事業を行うそのなかで温室効果ガスを0に近づける取り組みを行っています。次世代バイオ燃料と内燃機関の改善という2つの技術を組み合わせてカーボンニュートラルを目指す選択肢の1つになるようにしていきたい。その中で今シーズンのS耐では石油を1滴も使わない実証実験を行っていきます」と取り組みを説明した。

スバルは「昨年トヨタさんにカーボンニュートラルへの向けて一緒にやらないかと誘われたのがきっかけの1つ。カーボンニュートラルの選択肢を増やすという意義に同意する。もっと良いクルマ作りをに参加して、若手エンジニアの育成も含めて挑戦していくために今回S耐に参戦している」と語る。

GAZOO Racingは「昨年水素エンジンを使って内燃機関を活用した燃料の選択肢を広げる取り組みを行ってきた。今年も水素は継続していくが、選択肢の1つとして今年はスバルさんと共同で、カーボンニュートラル燃料を鍛えて課題を出して、選択肢の1つになるようにしていきたい」と語った。

GAZOO RacingのGR86とスバルのBRZでは同じカーボンニュートラル燃料を使用する。「これらは主にヨーロッパがメインとなるWRCやWECなどでもすでに使用されており、実績はある。内容は主にバイオマスから作られ合成燃料と回収したCO2と電気を使って水素を作り、水素とCO2から合成燃料を作る燃料とをミックスして今回は使用している」と今回使われるカーボンニュートラル燃料の概略が説明された。

国内のJIS規格にも合致しているほかに、WRCのコントロール燃料としても使用されているという。

マツダが使用する次世代バイオマスディーゼル燃料は、ユーグレナ社が製造する次世代バイオディーゼルの「サステオ」を使用する。

どの燃料においても、機械的には何も特別な加工などは行わわれておらず、ソフト面をそれぞれの燃料の性質に合わせて点火タイミングや空気との混合比を合わせるなどいわゆる燃料調整の範囲で対応できているという。これなオクタン価の違うガソリンを入れても自動的にクルマ側で調整してくれるのと同じことで、それぞれの燃料に合わせた調整を行えば使用できるとことだ。

ただ、カーボンニュートラル燃料については未知の部分もまだ多く、現在サーキットという限られた環境では対応できているが、実際の−30~50度のような幅広い環境のなかでどのくらい使用できるのかを今後検証していく必要はあるという。

そのためにもサーキットという過酷な環境でのデータ採取は非常に重要だ。ということでは各社一致している。

《雪岡直樹》

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