大画面ナビの元祖、音にも定評…アルパイン・ビッグX[システム・メイク術]

アルパイン・ビッグX EX11NX2-SE-27-L-AM(日産・セレナ/セレナ ハイウェイスター専用。対応車種・年式はアルパインHP等にて要確認)。
アルパイン・ビッグX EX11NX2-SE-27-L-AM(日産・セレナ/セレナ ハイウェイスター専用。対応車種・年式はアルパインHP等にて要確認)。全 8 枚

カーオーディオシステムの構築法はさまざまある。当特集では各人のシステムメイクの参考になればと、それら1つ1つについてメリットや楽しみ方のポイントを解説している。まずは「内蔵パワーアンプシステム」にスポットを当てている。

2010年に初めて8型モデルを市場に投入! 以来ナビの大画面化の流れをけん引!

ところで「内蔵パワーアンプシステム」とは、メインユニットに内蔵されているパワーアンプにてスピーカーを駆動するというシステムのことを指すのだが、メインユニットに何を使うかでそのポテンシャルが変化する。ゆえに当特集ではまず、各社の機器ごとでどのような「内蔵パワーアンプシステム」を組めるのかを説明している。今回は、大画面ナビの先駆、アルパインの『ビッグX』シリーズにて構築する「内蔵パワーアンプシステム」について検証していく。

最初に、『ビッグX』シリーズのプロフィールから紹介していこう。ちなみに昨今は、AV一体型ナビといえば大画面モデルが選ばれることが多い。その流れを作ったのは何を隠そうアルパインだ。2010年に初めて8型の『ビッグX』をリリースし、世間をあっと驚かせた。

以来アルパインは徐々に画面サイズを大型化させ、今や11型モデルまでをラインナップしている。ちなみに大手メーカーの中で11型のAV一体型ナビを擁しているのは、アルパインをおいて他にない。

では、ラインナップを紹介していこう。『ビッグX』シリーズは大きく2タイプに分類できる。1つが「車種専用の周辺パネルを同梱するモデル」で、もう1つが「周辺パネルを同梱しないモデル」だ。ちなみに前者は製品の品番が「EX」で始まる。

で、「EX」系には画面サイズが11型、10型、9型の3タイプがあり、「周辺パネルを同梱しないモデル」には11型画面をフローティングさせたモデルがまずあり、それ以外は通常の9型、8型、7型200mmモデル、7型180mmモデルまでを用意する(正確には7型モデルは『ビッグX』とは呼ばれていない)。

どの機種を選んでも、『ビッグX』ならではの使い心地を味わえる!

ところで『ビッグX』シリーズでは、性能によるグレード違いは存在しない。周辺パネルを同梱するかしないかそして画面サイズが何型か以外の部分は、11型モデルのみ「クリアブラックディスプレイ」が採用されていることを除いて基本的にすべて同様だ。ナビ機能やユーザーインターフェース、そしてAV能力まで、いずれの機種も性能的に省略されてはいない。つまりユーザーは、装着上の都合や予算に応じて機種を選びそうして結果リーズナブルなモデルを手にしたとしても、『ビッグX』シリーズならではの使い心地を味わえる。

なお『ビッグX』シリーズは、車種専用展開をしていることも特長だ。周辺パネルまでを専用設計するモデルは車種ごとで製品の品番が異なり、汎用モデルも車種専用取付キットにて装着する(車種専用取り付けキットを用いない場合には、別売の電源コードが必要となる。7型180mmモデルのみ市販の取付キットを使用する)。

で、周辺パネルまでを同梱するモデルは特に、フィッティングがすこぶる美しい。市販AV一体型ナビは、純正品と比して後付け感が漂うことが弱点とされがちだが、『ビッグX』はむしろ純正品をしのぐほどのフィット感を実現している。また汎用モデルも、車種専用の取り付けキットを使うことですっきりとした装着が可能だ。

そして車種専用モデルは、各種設定も車種専用にプリセット済みだ。その内容は例えば、バックカメラのガイド線も車種ごとで最適化されていて、サウンドチューニングも同社の音のエキスパートによってベストな状況にチューニングされている。また、起動時のオープニング映像も車種ごとで専用にあつらえられている。

汎用モデルも、車種専用チューニングに対応している。ネットにて愛車専用のチューニングデータをダウンロードし各機にインストールすれば、オープニング映像からサウンドデータまで車種別モデルと同様の専用データを適応できる。

『ビッグX』なら、“本格的”な「内蔵パワーアンプシステム」を構築可能!

ではここからは、『ビッグX』シリーズのオーディオ能力を検証していく。

結論から入ろう。アルパインの『ビッグX』シリーズは、AV能力も実に優秀だ。総合的に見て“ハイエンド機”と呼ぶべき実力を備えている。そうである主なポイントは4つある。まず1つ目は、「メディア対応力が高いこと」だ。全モデルともBluetoothに対応しHDMI端子も装備する。

また昨年に登場した現行シリーズよりApple CarPlayとandroidautoにも対応したので、これら機能を使えばスマホのミュージックアプリや音楽ストリーミングアプリをナビ画面に映し出せて、ほぼすべての操作をナビ画面上にて行える。

2つ目は、「内蔵パワーアンプの性能が高いこと」だ。高品位な音響パーツを使用し、さらには低音ノイズを減らす独自の高音質回路が搭載されるなど、随所にこだわりが注入されている。専門家からの評価も上々だ。

ポイントの3つ目は、「サウンドチューニング能力が優れていること」だ。まずツイーターとミッドウーファー間に適応できる「クロスオーバー」機能を備えているので、内蔵パワーアンプの4chのすべてをフロント2ウェイスピーカーにあてがう「マルチアンプ接続」も可能だ。そして「イコライザー」も各chを個別に調整でき、しかも“パラメトリック”タイプなのでコントロールしたい周波数ポイントと周波数幅を任意に設定できる。つまり、よりきめ細やかな補正が可能だ。また「タイムコレクション(タイムアライメント)」も搭載している。

で、ポイントの4つ目は「ハイレゾ音源の再生も可能なこと」だ。『ビッグX』シリーズならすべての機種でそれをネイティブ再生できる。

本格的な「内蔵パワーアンプシステム」を構築することに、そして愛車に美しくフィットする大画面カーナビに興味があれば、『ビッグX』シリーズのチェックはマストだ。要注目。

今回は以上だ。次回以降も「システムメイク術」を具体的に解説していく。お楽しみに。

太田祥三|ライター
大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。

大画面ナビの元祖! 音にも定評アリ!? 詳説「システム・メイク術」Part4『アルパイン・ビッグX』の場合

《太田祥三》

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